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円満調停とは何か?流れや不成立になってしまった場合について

離婚後でも親権者を変更することはできるのか?

夫婦関係が悪化してしまった時の選択肢は「離婚」だけではありません。中には夫婦関係を修復しようと思われる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、夫婦関係を修復しようと思っても相手が話し合いに応じてくれない、メールの返信が来ないなど、当事者だけでは解決が難しい場合もあるのではないでしょうか。
そのような場合には「円満調停」という家庭裁判所の調停手続きを利用することができます。

この記事では「円満調停」に着目し、円満調停とは何か、流れや成功させるポイントについて解説していきます。

円満調停とは

円満調停とは、正式には「夫婦関係調整調停(円満)」といい、夫婦関係を円満に回復させるために、家庭裁判所の調停委員を間に入れて話し合いを行うことです。
調停では、夫婦がそれぞれ別室で待機し、順番に調停委員と話します。
夫婦関係が悪化してしまった原因はどこにあるのか、どうすれば原因を取り除くことができるのか、お互いが思っていることを調停委員に話します。
調停委員から相手に伝えてもらう事で、冷静に当事者同士で夫婦関係の修復について方法を考えていくことができます。

円満調停がもたらす効果

円満調停のメリットは以下のとおりです。

①冷静にお互いを把握する
夫婦間では、これまでの感情の積み重ねが邪魔をし、話し合いが難しいことが多くあります。
しかし、双方に「修復したいと思っている」という気持ちがある夫婦であれば、調停を起こすことで、冷静な状態で話し合え、夫婦関係修復の第一歩となり得ます。
②公平な視点からお互いを把握する
知人や親族を第三者として話し合いを進めると、第三者とはいえどちらか一方に肩入れしている、公平な助言や提案ではないと感じて、納得できないままになってしまうことも多くあります。
調停であれば、調停委員の公平性は高いため、調停委員を介して事実や気持ちを伝えあったり、調停委員のアドバイスを受け入れやすかったりします。

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円満調停と離婚調停は同時に申し立てができる

まず、円満調停と離婚調停の違いをみてみましょう。

  • 円満調停 夫婦関係を修復するための話し合い
  • 離婚調停 離婚するための話し合い

このように、調停をして求める結果がまったく異なっていることが分かります。
例えば、妻が「離婚したい」と思い離婚調停を申し立て、夫は「離婚したくない」と円満調停を申し立て、離婚調停と円満調停が同時に行われることもあり得るのです。

しかし、離婚調停と円満調停が同時に申し立てられた際は、どちらもお互いの主張を聞くのに変わりはありません。
そのため、結果的には、この2つの申し立ては基本的に裁判所で併合され、1つの調停として進んでいきます

離婚調停については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

離婚調停は経験豊富な弁護士法人ALGへご相談ください

円満調停の流れ

円満調停の流れは以下のとおりです。

①申立てを行う
②調停日の決定
③調停の開始
④調停成立

調停が不成立になった場合

①離婚裁判
②現状維持
③再び調停を行う

次項ではそれぞれについて詳しく解説していきます。

申立てを行う

円満調停を申し立てる際は以下のような書類が必要となります。
事案によっては追加で書類が必要になることもありますので、家庭裁判所に確認しましょう。
また、調停を申し立てるには以下の費用も必要です。必要な金額は裁判所によって異なるため、こちらも併せて確認しておきましょう。

必要書類
  • 申立書およびその写し1通
  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)※3ヶ月以内に取得したもの
  • 子についての事情説明書 ※未成年の子供がいる場合
  • 連絡先等の届出書
  • 進行に関する照会回答書
かかる費用
  • 収入印紙1200円
  • 連絡用の郵便切手

調停日の決定

申立書を提出して1~2週間ほどすると家庭裁判所から調停日の連絡が来ます。
1回目の調停日は、約1ヶ月から2ヶ月先で裁判所が指定します。

調停の開始

調停が始まると1人ずつ順番に呼ばれ、調停委員から以下のようなことを聞かれます。

  • 夫婦関係が悪化する前の生活状況
  • 夫婦関係に対する不満
  • 具体的な不満の内容
  • 解消のためにどのような協議を行ったか
  • 対応の状況
  • 今後の夫婦関係に望む事がら など

夫婦が抱えている問題や状況により、質問の内容は変わってくるでしょう。「これだけは話したい」ということがあれば、メモにして調停委員と話すことも良いでしょう。

調停成立

合意ができたら、調停成立となり、調停証書が作成されます。
調停証書は金銭的な約束について、支払期限などが具体的に合意されているなど、具体的な給付内容が定められている場合のみ強制執行ができる法的効力を持ちます。
そのため、例えば、「お酒を飲まない」という約束に法的効力はありません。
ただし、後に再び離婚協議などになった際に、違反した事実をもって婚姻関係破綻の認定の一因とされたり、有責性の判断の材料とされたりすることはあり得ます。

調停不成立

残念ながら、両社の合意が得られず、調停不成立となってしまうこともあります。
そのような場合には、以下のような対応をとることができます。

①離婚裁判
②現状維持
③もう一度円満調停を申し立てる

次項ではそれぞれについて詳しく解説していきます。

離婚裁判に移行する

離婚裁判とは、夫婦のどちらか一方が「離婚したい」と思った時に訴訟を起こし、離婚できるのかを裁判所に判断してもらう手続きのことです。
しかし、訴訟を起こした場合に、夫婦関係のもつれだけで離婚できるわけではありません。
裁判による離婚は、双方が離婚を望んでいる場合や「不貞行為」「DV・モラハラ」などにより、婚姻関係が破綻していると認められる場合に離婚を認める判決がされます。
どちらかが「離婚したくない」と思っていても、「離婚したくない」と考えている側が有責配偶者であったり、長期間別居していたりする場合は離婚が認められる可能性があります。

離婚裁判については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

現状維持

相手が離婚裁判を起こさず、自分も何もしなければ現状維持となります。
調停が不成立になっても、それまで言えなかったこと、思っていたことを相手に伝えることができ、また相手の考えていたことも知ることになるため、生活が良い方向に向かうかもしれません。

再び調停を行う

再度円満調停を申し立てることもできます。再度調停を申し立てるメリットとして以下のことが挙げられます。

  • 調停委員が変わる
  • 1回目の調停を終え、相手の心情の変化を期待できる

しかし、不成立に終わった調停後すぐの申し立ては、調停が再度不成立になる可能性が高いため、受理されないこともあります。

円満調停を成功させるためのポイント

円満調停を成功させるポイントはあるのでしょうか?以下にまとめます。

①調停委員の心証に配慮する
相手の話を否定して自分の理屈を述べるばかりでは、調停委員に話合いでの解決や夫婦関係修復は難しいという心証を与えてしまう恐れがあります。
相手方の話も理解しようと努力し、また、自分の悪い部分については、素直に反省している姿勢を見せましょう。
そうすることで、相手が離婚を望んでいても、上手に説得してもらえるかもしれません。
反対に、横柄な態度をとっていれば、改善の見込みがないと判断されてしまうかもしれません。上手に調停委員の力を借りられるように、調停委員に与える心証には配慮した方がよいでしょう。

②カウンセリングを受けてみる
夫婦一緒に夫婦円満のためのカウンセリングを受けてみるのも良いでしょう。裁判所よりも気軽に使え、仕事の邪魔にならないスケジュールで通えます。

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円満調停に関するよくある質問

円満調停に関するよくある質問に答えていきます。

円満調停のデメリットはなんですか?

円満調停のデメリットは以下のとおりです。

①必ずしも関係が修復されるわけではない
夫婦の一方が関係を修復したいと思って円満調停を申し立てますが、もう一方が修復は困難であると主張する場合に、離婚の方向で話し合いが進むことがあります。
②生活に支障をきたすおそれがある
平日の昼間に家庭裁判所に赴く必要があるため、家事や仕事、子育て等の都合をつけなければならないところがデメリットとなるでしょう。

円満調停を欠席や拒否するとどうなりますか?

円満調停を1回くらい欠席するのは、事前に連絡を入れておけば大丈夫でしょう。
しかし、無断欠席が続くと過料が科せられたり、調停委員の心証が悪くなったり、ご自身にとって不利な状態になってしまうおそれがあります。

円満調停を行う際は弁護士を入れたほうがいいですか?

円満調停は家庭裁判所の手続きなので、本来そのようなところに用事がない方は手続きの仕方や必要書類等、どうしたらいいのかわからないのではないでしょうか。
弁護士が介入することで、必要書類の集め方や、円満な夫婦関係修復のためのアドバイスをもらう事ができます。
また、仮に離婚裁判を行うことになったとしても弁護士は代理人としてあなたの気持ちを主張・立証することができます。

円満調停で気になることがあれば弁護士にご相談ください

この記事を読まれるまでは「円満調停」という言葉や意味を知らなかった方も多くいいらっしゃるのではないでしょうか。また、円満調停など裁判所の手続きは難しい、と思われる方も多くいらっしゃることでしょう。

円満調停を申し立てたい場合には、弁護士にご相談ください。
一口に「円満調停」といっても、話し合う内容は夫婦によって様々です。

弁護士法人ALGは夫婦関係の法律問題に詳しい弁護士が多数在籍しています。
夫婦関係の法律問題に詳しい弁護士だからこそ、夫婦関係の修復に関するアドバイスをすることができます。

仮に離婚裁判に発展したとしても、弁護士は、あなたの代理人となって主張・立証することができます。
円満調停でお困りの方は私たちにご相談ください。

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弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。