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婚姻費用調停で聞かれることは?有利に進めるためのコツを解説

婚姻費用調停で聞かれることは?有利に進めるためのコツを解説

婚姻費用とは、家族が通常の社会生活を営む上で必要な費用のことをいいます。
婚姻費用には、衣食住の費用、医療費、交際費、娯楽費、子供の教育費や養育費などが含まれます。

婚姻費用の金額は夫婦の話し合いでも決めることができますが、話がまとまらない場合は裁判所に婚姻費用の分担請求調停を申し立てます。
調停とは調停委員が間に入った話し合いです。

しかし、初めての調停では何を聞かれるのか、どう答えたらいいのか不安なことは多いでしょう。
この記事では、婚姻費用調停で聞かれること、有利に進めるコツなどを解説していきます。

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婚姻費用の分担請求調停とは

婚姻費用分担請求の調停とは、婚姻費用の金額について夫婦間で話がまとまらない場合に、家庭裁判所へ調停を申し立てて、家庭裁判所を介して話し合いを進める方法です。

調停の基本は争うのではなく、円満に解決を目指そうというものです。裁判官1名と調停委員2名が間に入って話し合いを行い、円満な解決策を模索します。

調停では、夫婦の現時点での資産や収入などの状況について聞き取りが行われ、適切な婚姻費用の算出をし、解決策が提示されます。

婚姻費用調停の流れ

婚姻費用の分担請求調停はどのような流れで行われるのでしょうか。以下で見ていきましょう。

①家庭裁判所に申し立てる
必要書類が準備できたら、家庭裁判所に申し立てを行います。
②第1回期日の日程調整
第1回目の期日が裁判所主導で決められます。申し立てからおよそ1ヶ月後に調整されます。
➂第1回期日の実施
調停は1回に付き2時間ほどかかることもありますので、十分な余裕をもって臨みましょう。
④第2回目以降の期日
双方の言い分をヒアリングするため、調停は複数回行われることが一般的です。
⑤調停成立
双方が合意できれば調停が成立です。調停が成立した場合は調停調書が作成されます。調停が合意に至ったにも関わらず、その後婚姻費用が支払われない場合には強制執行の申し立てにより相手の財産を差し押さえることができます。
⑥調停不成立
双方が合意できず調停不成立となった場合は審判に移行します。

結論が出るまでの期間
婚姻費用の分担請求調停は申立てから調停成立まで平均して3~4ヶ月ほどかかることが多いです。審判に移行した場合はさらに時間がかかり半年以上かかることもあります。

婚姻費用の調停で聞かれることとは?

婚姻費用の分担請求調停では、調停委員が夫婦それぞれに対しさまざまな質問をします。

婚姻費用は夫婦の一切の事情を考慮して決められるため、調停委員からは様々な質問を受け、それに答えていくことになります。
次項からは調停委員に聞かれる可能性が高い事項について解説していきます。

【婚姻費用の分担請求調停で聞かれる可能性が高い内容】

  • 双方の収入・支出・資産状況
  • 子供の有無・年齢・監護状況
  • 結婚に至った経緯やその後の生活状況
  • 婚姻費用の分担請求調停に至った経緯
  • 希望する婚姻費用の金額や支払い期間

双方の収入・支出・資産状況

夫婦の現在の職業・収入・資産については細かく質問されます。
基本的に、婚姻費用は収入の多い方が少ない方に支払うものであるため、婚姻費用の分担額を決めるうえで重要な判断材料となります。

婚姻費用を決める際には司法研究によって算出された婚姻費用算定表を参考にすることが多くあります。「婚姻費用算定表」は夫婦双方の収入や子供の人数・年齢によって婚姻費用分担額の相場が定められているものです。

しかし、必ずしも算定表を参考しなければいけないというわけではありません。
お互いが合意さえできれば、婚姻費用の金額はいくらになっても構いません。

婚姻費用算定表については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。


子供の有無・年齢・監護状況

子供の有無、年齢、監護・教育の状況、進学先の希望や学費の予想額などについても質問されます。これらは算定表を使用する際に必要な情報となります。
離婚成立前は子供の教育費なども婚姻費用に当たります。そのため、子供の塾や部活に関する費用を聞かれることもあります。

子供を監護し、婚姻費用を受け取る側は、十分な婚姻費用を受け取るためにも、しっかりと子供にかかる費用を計算し、質問に答えることが大切なポイントです。

結婚に至った経緯やその後の生活状況

結婚に至った経緯や別居の有無、別居期間、別居に至った背景なども婚姻費用を分担するにあたって大事なポイントとなります。

夫婦関係が破綻している場合は、いつ頃からそのような状況になったのか、どちらにその責任があるのかなどを質問されます。

婚姻費用を請求する側に不倫やDVなどの別居や夫婦関係の破綻に至った原因がある場合、有責配偶者(原因を作った側)として、婚姻費用の請求は道義上認められなかったり、減額される可能性があります。

しかし、請求する側が子供を監護する場合は子供の養育費相当額は認められるでしょう。
なぜなら養育費を受け取るのは子供の権利であり、夫婦関係を破綻させた原因は子供には関係がないからです。

婚姻費用調停の申立てに至った経緯

婚姻費用の分担請求調停では、なぜ調停を申し立てたのか、動機や経緯について質問されることもあります。 例えば以下のような内容を聞かれるでしょう。

  • 夫婦間の話し合いはしたのか
  • 話し合いをした場合には、どのような点で話がまとまらなかったのか
  • 話し合いができなかった場合には、その理由は何か

これらの質問への回答は、調停委員が調停で話し合いにより合意できるかの判断材料となるでしょう。

希望する婚姻費用の金額や支払い期間

婚姻費用の分担請求調停では、希望している婚姻費用の金額、支払い期間、支払い方法などについて、まずは要望を聞かれます。

もちろん婚姻費用算定表はありますが、当事者が合意すればその金額よりも高額になることや低額になることも十分に考えられるからです。

調停委員は夫婦それぞれの要望を聞いたうえで、その他一切の事情を考慮し、円満な解決が可能と思われる調停案を提示することになります。

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離婚調停と同時に申し立てた場合に聞かれることは?

婚姻費用の分担請求調停と離婚調停は同時に申し立てることもできます。
同時に調停を申し立てすることで、たとえ、離婚調停については不成立だったとしても、婚姻費用の分担額について合意ができ調停成立となれば、婚姻費用だけはすぐに受け取ることができます。

また、基本的に婚姻費用の算定開始日は婚姻費用の分担請求調停を申し立てた時から」となりますので、離婚調停が不成立になったので後から婚姻費用を請求する場合よりも、さらに長い期間分の婚姻費用を請求できます。

なお、離婚調停を婚姻費用分担請求の調停と同時に申し立てた場合、以下の項目についても聞かれることがあります。
事前に回答を準備しておくと、スムーズに調停が進むでしょう。

【離婚調停で聞かれること】

  • 離婚を決意した理由
  • 夫婦関係が修復できる可能性
  • 財産分与、慰謝料、養育費などに対する考え など

離婚調停については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。


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婚姻費用調停を有利に進めるコツやポイント

婚姻費用の分担請求調停を有利に進めるコツやポイントは以下のとおりです。

感情的にならない
調停ではこれまでの不満などがあふれ、つい感情的になってしまう場合もあります。しかし、調停で感情的になってもメリットはありません。
建設的な話し合いをするためにもまずは冷静になりましょう。

質問に対し正直に答える
調停委員は婚姻費用を請求するうえで「事実」を知りたいのです。嘘をついてしまうと調停委員の信用を失い、調停が不利に進んでしまうおそれもあります。質問には真摯に答えましょう。

調停委員の質問に答えられるよう事前に準備しておく
初めての調停では、裁判所の手続きということもあり、緊張してうまく話せないことも考えられます。あらかじめ調停委員から聞かれそうな質問に対する回答を準備しておき、万全の体制で臨みましょう。

調停委員に主張すべきこと

婚姻費用の分担請求調停では、考慮してほしい事情がある場合は積極的に主張していきましょう。
ここでしっかりと主張しないと、金額に対し不満が出てしまうおそれもあります。

また、主張する場合は口頭で説明するよりも書面にまとめて提出する方が、調停委員に理解してもらいやすくなります。
主張を裏付ける証拠がある場合は一緒に提出すると良いでしょう。

【主張すべきことの例】

  • 子供が私立学校に通っている分を増額してほしい
  • 住宅ローンは自分が負担しているため、その分減額してほしい など

婚姻費用調停は弁護士なしでも対応できる?

婚姻費用の分担請求調停は弁護士に依頼せずともご自身で対応することが可能です。
しかし、家庭裁判所の手続きに慣れていない一般の方では、判断を誤ったり、正しく主張できなかったりすることも考えられます。その結果、調停の結果が不利な方向に向いてしまうおそれもあります。

調停の手続きを有利に進めたい場合は弁護士へ依頼することがおすすめです。
弁護士であれば、難しい家庭裁判所の手続きを任せられたり、調停に同席することでご自身に代わって主張したりすることができます。
また、初めての調停で不安が大きいと思いますが、弁護士がそばにいることで不安も和らぐでしょう。

以下に弁護士に依頼するメリットをまとめます。

【弁護士に依頼するメリット】

  • 調停委員への対策や準備、連絡窓口を任せられる
  • 法的な根拠に基づく主張を行うことができる
  • 相手に本気度を示し、合意を得られる可能性を高めることができる
  • 調停がスムーズに進む可能性が高まる
離婚問題を弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼した結果、1回目の調停で婚姻費用分担請求が成立した事例

ご依頼者様は、相手方が突然別居を開始し、代理人を立てたうえで離婚調停を申し立ててきたことから、当事務所に対し調停の代理人をご依頼されました。

当方弁護士は、婚姻費用の支払いを求めて、婚姻費用の分担請求調停をこちらから申し立てることにしました。
その後、第1回目調停期日までの間に、両代理人間で調停条項案を作成するまでの下準備ができたため、第1回目調停期日で調停成立となりました。

結果として、相手方がご依頼者様に婚姻費用として月額6万円支払うことが決定しました。

婚姻費用調停を有利に進めるなら、専門家である弁護士への相談がおすすめです。

婚姻費用の分担請求調停では、調停委員からさまざまな質問をされます。有利に調停を進めるためには、質問に対しきちんと回答し、正しい主張をすることが重要です。

しかし、調停に慣れていない一般の方では、まずは緊張が勝ってしまい、なかなかうまく質問に答えることは難しいでしょう。
調停は弁護士を立てなくてもご自身で手続きが可能ですが、より有利に進めたい場合は弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

弁護士であれば、調停委員からの質問への対策・事前準備をサポートすることができます。
さまざまな調停を経験してきた弁護士だからこそ婚姻費用の分担請求調停を熟知し、調停をスムーズかつ有利に進めることができます。

私たち弁護士法人ALGは離婚問題や夫婦問題に詳しい弁護士が多数在籍し、豊富な知識と経験をもとにご相談者様のお悩みを解決に導いていきます。まずは一度ご相談ください。

 

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弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。