離婚裁判|流れや費用、訴訟を有利に進めるポイントなど
離婚裁判は、夫婦間で離婚について揉めている場合にとれる解決方法の中でも、最後の手段であるといえます。
実際に離婚問題が裁判にまで発展することは少なく、政府の統計によると、2019年の離婚の総件数は208,496件ですが、そのうち裁判手続きを経た離婚は5,048件となっており、割合にするとわずか約2%です。
それでも、離婚裁判を申し立てれば、夫婦では解決できなかった問題について、裁判官に判断を下してもらえるため、必ず何かしらの結論を得ることができます。
本記事では、離婚裁判の概要や申し立てる際の条件、裁判の流れや費用、裁判を有利に進めるポイントなどについて解説していきます。
目次
離婚裁判とは
離婚裁判とは、婚姻関係にある夫婦が離婚をすることの是非や、離婚するのであればその条件について、裁判官が一切の事情を考慮したうえで定める手続きのことです。
離婚の方法には、裁判離婚の他に協議離婚・調停離婚・審判離婚があります(それぞれの離婚方法については、以下の表で概要を説明していますが、より詳しく知りたい方はリンクページをご確認ください)。
裁判離婚をするには他の3種類の離婚方法と違って、法律で定められた離婚理由が必要になります。
また、裁判は原則として公開されるため、第三者による傍聴が認められている点も、他の離婚方法と大きく異なります。
協議離婚 | 夫婦で話し合って合意に至る離婚。双方が離婚届に署名・捺印をして、役所に提出すれば離婚が成立する。 |
---|---|
調停離婚 | 家庭裁判所における調停で話し合って合意に至る離婚。 調停では調停委員に夫婦双方が交互に事情を説明し、間を取り持ってもらう形で話し合いを進める。 |
審判離婚 | 些細なことが原因で調停が合意に至らない場合に、調停に代わり裁判官が審判を下して成立させる離婚。 夫婦のどちらかが異議申立てをすれば、審判内容は無効になる。 |
裁判離婚 | 離婚裁判において、裁判官が判決を下して成立させる離婚(判決離婚)。 夫婦のうち離婚裁判を起こした方を“原告”、訴えられた方を“被告”と呼ぶ。 裁判の途中で和解に至った場合は“和解離婚”、被告が原告の離婚請求を全面的に受け入れた場合は“認諾離婚”となる。 |
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離婚裁判で争うことができる内容
離婚裁判では、離婚をするかどうかについて判断してもらうだけでなく、併せて次の内容についても決めてもらうことができます。
- 慰謝料請求の可否と慰謝料の金額
- 共有財産の分割方法(財産分与)
- 年金分割の割合
- 子供の親権者をどちらに定めるか
- 子供の養育費の金額や支払方法
- 子供と非監護親の面会交流のルール
それぞれの詳細については、以下のリンクページをご覧ください。
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離婚裁判を行うための条件
離婚裁判は、夫婦間で離婚について揉めた際に、誰でもすぐに申し立てられるというわけではありません。
離婚裁判を起こすにはいくつか条件があるので、以下で説明します。
離婚調停を経ていること
離婚裁判を起こすには、原則として、先に離婚調停の手続きを踏んでいる必要があります。
離婚のような家庭の問題は、いきなり裁判官に判断を求めるのではなく、まずは夫婦間で話し合いをするべきだと考えられているため、調停を実施してから裁判を行うルールになっているのです。
この考え方を“調停前置主義”といいます。
ただし、以下のようなケースでは、話し合うこと自体難しいため、調停を省略して裁判からスタートすることが認められています。
- 配偶者の行方が不明
- 配偶者の生死が不明
- 配偶者が強度の精神病を患っている
- 調停を行っても合意に至る可能性がないとき
「法定離婚事由」が存在すること
裁判で離婚が認められるには、民法で定められた離婚理由(法定離婚事由)が存在しなければなりません。
法定離婚事由とは、下表の5つの項目のことです。
不貞行為 | 配偶者以外と肉体関係を結ぶこと |
---|---|
悪意の遺棄 | 配偶者に生活費を与えない等、夫婦の同居・協力・扶助の義務を正当な理由なく怠ること |
3年以上の生死不明 | 配偶者の行方が3年以上わからず、生死不明の状態であること |
強度の精神病 | 配偶者が統合失調症、偏執病、躁うつ病等を患い、夫婦として精神的な交流が図れない状態であること |
その他婚姻を継続し難い重大な事由 | DV、モラハラ、セックスレス、過度な宗教活動等が原因で、夫婦関係が破綻していること |
ただし、法定離婚事由があるからといって、ただちに離婚が認められるとは限りません。
実際の裁判では、法定離婚事由が発生するまでの経緯や、それによって夫婦関係がどのように変化したかという点、今後も婚姻を継続するのが可能かどうかという点などを踏まえて、総合的に判断されます。
なお、離婚理由で最も多いのは「性格の不一致」ですが、これは「その他婚姻を継続しがたい重大な自由」にあてはまります。
ただし、性格の不一致はどの夫婦にも起こり得る問題であるため、よほど程度が酷く、それによって夫婦関係が破綻していると認められる必要があります。
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離婚裁判の流れ
それでは、ここからは実際の離婚裁判がどのように行われるのかを解説します。
大まかな流れは次のようになっています。
- ①家庭裁判所に訴状を提出
- ②訴状の送達・第1回期日の指定
- ③答弁書の提出
- ④第1回口頭弁論・その後複数回の期日
- ⑤当事者への尋問
- ⑥判決の言い渡し
- ⑦離婚届の提出
それぞれの段階でどのようなことが行われるのか、詳しく見ていきましょう。
①家庭裁判所に訴状を提出
まずは、家庭裁判所に訴状を提出して訴えを提起します。
提出先は、原則として夫または妻の住所地の家庭裁判所です。
ただし、住所地の家庭裁判所と離婚調停を行った家庭裁判所が異なる場合は、調停を行った方の裁判所で訴訟が扱われることもあります。
ちなみに訴状とは、原告が裁判を起こす際に必ず提出が求められる書面で、裁判を申し立てた理由や経緯、裁判で審理してほしい内容やそれについての言い分などを記載します。
離婚裁判の訴状に記載する内容の例は、以下のとおりです。
- 原告と被告の本籍・住所・氏名
- 親権者の指定について
- 慰謝料の金額
- 財産分与について
- 養育費の金額と支払期間、支払期日
- 年金分割の割合
- 夫婦が婚姻した日
- 未成年の子供の有無や、子供がいる場合は名前・年齢・生年月日
- 離婚調停の事件番号や結果
- 離婚の原因について
離婚裁判の必要書類
離婚裁判の申立てに必要な書類は以下のとおりです。
訴状のフォーマットについては、裁判所のウェブサイトから入手することができます。
- 訴状2部
- 夫婦の戸籍謄本およびそのコピー
- 年金分割についても争う場合は、「年金分割のための情報通知書」およびそのコピー
- その他証拠書類(源泉徴収票や預金通帳等)およびそのコピー2部
なお、上記の書類の部数は被告が1名の場合であり、浮気相手も同時に訴えるようなケースであれば、被告の人数だけ部数も追加します。
②訴状の送達・第1回期日の指定
裁判所は訴状を受け取ると、第1回口頭弁論の期日を指定し、原告と被告に通知します。その際、被告に対しては訴状も送達されます。
第1回口頭弁論の期日は、訴状の提出から約1ヶ月後に設定されることが多いです。
③答弁書の提出
被告は裁判所から送られてきた訴状の内容を確認したうえで、原告と事実の認識が異なる点や自分の意見・反論があれば、答弁書に記載して提出します。
答弁書の提出期日は、第1回口頭弁論期日の1~2週間前に設定されます。
提出期日までに原告の訴状に対する反論や被告側の詳細な主張を記載したり、証拠を準備したりします。
ただ、期日までに答弁書を詳細に作成するのが難しければ、とりあえず裁判で争う意思があることを簡単に記載しておけば構いません。
なお、被告が答弁書を提出すると、原告にもその写しが送られます。
④第1回口頭弁論・その後複数回の期日
口頭弁論は公開の法廷で行われ、自分の主張の正当性について証拠を用いて説明し、相手の主張に反論します。
弁護士に依頼をしていれば、当事者本人ではなく弁護士が代わりに出廷することもあります。
第1回口頭弁論では、原告の作成した訴状と、被告の作成した答弁書をもとに争点を確認します。
そのうえで、原告と被告双方が自分の主張を裏付ける証拠を提出します。
通常、第1回口頭弁論で判決が下されることはなく、その場で次回の期日の調整も行われます。
裁判官からは、相手の主張に反論があれば、次回までに書面(準備書面)にまとめたり、追加の証拠を用意したりするよう言われます。
口頭弁論は大体月1回のペースで開かれます。
原告と被告は書面による応酬を繰り返し、期日を重ねることで争点を整理していきます。
ただ、第2回目の期日以降は“弁論準備手続”へ進むことが多いです。
弁論準備手続は原則非公開の準備室という小さな会議室で行われ、裁判官と当事者双方および弁護士がひとつのテーブルを囲んで、今後の方針について話し合います。
この際、裁判官から和解を勧められることもあります。
⑤当事者への尋問
証拠が出そろい争点が大体整理されると、「証拠調べ」が行われます。
離婚裁判では、この段階で当事者への尋問(本人尋問)が行われることが多いです。
本人尋問とは、当事者本人が代理人弁護士や裁判官からの質問に答える手続きです。
その目的は相手方を言い負かすことではありません。
質問のやり取りを通じて、主張したい事実の立証を行ったり、双方の事実や証拠の信ぴょう性についてアピールしたりすることにあります。
本人尋問に臨む前には、原告・被告それぞれが自分の主張をまとめた「陳述書」を作成して、裁判所に提出しておくのが一般的です。
そして本人尋問自体は、以下のような流れで行われます。
<原告本人尋問>
原告側の弁護士から原告へ質問(主尋問)
被告側の弁護士から原告へ質問(反対尋問)
裁判官から原告への質問があることも(補充尋問)
<被告本人尋問>
被告側の弁護士から被告へ質問(主尋問)
原告側の弁護士から被告へ質問(反対尋問)
裁判官から被告への質問があることも(補充尋問)
※主尋問・反対尋問の後に、再主尋問・再反対尋問が行われることもある。
※代理人弁護士がいなければ、主尋問は裁判官から行われ、相手方への反対尋問は自分で行うことになる。
⑥判決の言い渡し
和解の見込みがなく、当事者双方の主張・立証から裁判官が事実認定をできる状態になったら、裁判官は原告の離婚請求を認めるか認めないか(棄却するか)という判決を下します。
判決が言い渡されるのは、口頭弁論の終結から大体1ヶ月後です。
なお、判決の結果に対する詳しい理由については、「判決書」に記載されています。
判決書は判決が下された日の数日~2週間後に、当事者双方に送られます。
判決内容に不服がある場合
判決内容に不服がある場合、判決書が送達された日から2週間以内であれば、控訴が可能です。
控訴するには、「控訴状」を期限内に家庭裁判所に提出する必要があります。
控訴すると、家庭裁判所よりも上級の高等裁判所で改めて離婚について審理することになります。
控訴審判決にも不服がある場合は、さらに上告することで、最高裁判所での審理を求めることができます。
⑦離婚届の提出
離婚請求を認める判決が出て、相手方も控訴しないまま控訴可能期間の2週間が経過すると、判決は確定して離婚成立となります。
ただ、その際に戸籍にも自動的に離婚の記載がなされるわけではありません。
判決が確定したら、その日から10日以内に、原告が離婚届(および下表の書類)を提出しなければなりません。
提出先は、届出人(原告)の本籍地または所在地の市区町村役場です。
期限を過ぎたからといって、離婚届を受理してもらえないわけではありませんが、正当な理由がない場合、5万円以下の過料に処されるおそれがあるので注意しましょう。
離婚届 | 相手方や証人の署名捺印は不要。 |
---|---|
戸籍謄本 | 本籍地以外の市区町村役場に離婚届を提出する場合に必要。 |
判決確定証明書 | 判決が確定していることを証明する文書。 |
判決書謄本 | 省略謄本(戸籍の記載に無関係な部分を省略した謄本)でも可。 |
和解調書謄本 | 和解離婚の場合、離婚届と一緒に提出。 |
認諾調書謄本 | 認諾離婚の場合、離婚届と一緒に提出。 |
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離婚裁判にかかる費用
離婚裁判の申立てにかかる費用は、下表のとおりです。
離婚のみを請求する場合、収入印紙代は1万3000円となります。
慰謝料も同時に請求する場合は、請求額が160万円以下であれば1万3000円のままですが、それを超える場合は裁判所の手数料額早見表に応じた額となります。
また、離婚請求と財産分与請求を同時に行うのであれば、1万3000円に1200円を加算します。
さらに、例えば2人分の養育費も請求する場合は、1200円×2人=2400円を加算します。
これらの裁判費用は、申立時にはいったん原告が支払いますが、判決後に原告と被告のどちらがいくら負担するかという割合を決めることができます。
ただし、判決で負担割合が決められている場合はそれに従います。
なお、弁護士費用については基本的には自己負担となります。
ただし、不貞行為などで慰謝料請求する場合は、弁護士費用の一部を相手方に請求できる可能性があります。
収入印紙代 | 1万3000円 |
---|---|
慰謝料を請求する場合 | 160万円を超える慰謝料を請求する場合は、裁判所の手数料額早見表に応じた額の収入印紙が必要。160万円以下の請求の場合は1万3000円。 |
財産分与を請求する場合 | 1200円を加算。 |
養育費を請求する場合 | 「1200円×子供の人数」を加算。 |
戸籍謄本の発行手数料 | 450円 |
郵便切手代 | 裁判所によって異なる。相場は6000円程度。 |
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弁護士費用はいくらぐらいかかる?
弁護士に依頼をすると、一般的には次のような費用が発生します。
- 相談料
- 着手金
- 成功報酬
- 日当
- 実費(収入印紙代、発行手数料、交通費、宿泊費等)
離婚裁判を起こす場合、上記の費目すべてを合計した弁護士費用の相場は、70万~110万円ほどになります。
ただし、これは離婚の是非のみを争点としている場合であり、慰謝料や親権等についても争うのであれば、さらに費用が発生します。
弁護士法人ALGでは、相談時に費用の見込み額についてもお伝えしていますので、お気軽にお問い合わせください。
離婚裁判にかかる期間の平均は?
離婚裁判は、半年から2年以内で終わるのが一般的です。
まれに3ヶ月以内で終わることもありますし、一方で長期化するケースでは数年がかりになることもあります。
離婚裁判が長引くケース
離婚裁判が長期化しがちなケースとして、次のようなものが挙げられます。
- 離婚を考えるに至るまでの事情が複雑なケース
- 証拠が不十分で主張の裏付けが難しいケース
- 慰謝料や財産分与といった離婚裁判で同時に取り決める離婚条件が多いケース
※特に親権争いが生じていると長引きやすい。 - 控訴・上告をして、二審・三審まで進んだケース
※最高裁まで争うと最低でも3年はかかる。
離婚裁判を行うメリット・デメリット
ここで、離婚裁判を行うメリットとデメリットについて、確認しておきましょう。
メリット
- 離婚請求を認める判決が確定すれば、相手がいくら拒否しても必ず離婚することができる。
- 判決という法的に強制力のある結果が得られるため、相手が判決内容を守らなければ、強制執行が可能になる。
- 証拠に基づいて、裁判官により法的に公平な判断がなされる。
デメリット
- 多くの時間や費用がかかる。
- 互いに主張をぶつけて争うため、大きな精神的ストレスがかかる。
- 法廷離婚事由が認められなければ離婚できない。
- 第三者の傍聴が認められているため、プライバシーが保てない。
- 判決内容に不服があったとしても、それに従わなければならない。また、控訴・上告したとしても、望み通りの結果が得られるとは限らない。
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離婚裁判を有利かつスムーズに進めるポイント
ここまで離婚裁判の概要や手続きの流れなどについて解説しましたが、実際に裁判を有利かつスムーズに進めるにはどうすればよいのでしょうか。
ここからは、離婚裁判で意識すべきポイントについて見ていきましょう。
主張を裏付ける証拠を確保する
裁判官は、当事者から提出された証拠をもとに事実認定を行います。
そのため、たとえ法定離婚事由があると主張しても、それを裏付ける証拠がなければ、事実として認めてもらうことは難しくなります。
証拠があれば裁判官の判断もスムーズになり、離婚請求や慰謝料請求が通りやすくなるので、必ず事前に証拠を集めましょう。
離婚理由別に集めるべき証拠の例を下表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
離婚理由 | 必要な証拠 |
---|---|
不貞行為(浮気・不倫) |
|
DV・モラハラ |
|
悪意の遺棄 |
|
その他 |
|
和解による解決を検討する
和解離婚とは、裁判の途中で当事者同士が譲歩し合って成立させる離婚です。
第1回口頭弁論のあと、裁判官は当事者に対して何度か和解を勧めてきます。
その際、裁判官は双方の事情を踏まえて和解案も提示してくれます。
和解離婚を選択すると、判決を待つよりは比較的短期間で離婚を成立させることができます。
裁判が長引くと、その間の弁護士費用や婚姻費用といった金銭的負担も大きくなりますし、いつまでも結論が出ないことによるストレスも大きくなります。
なるべく早く離婚問題を解決させたい方は、和解を検討するのもひとつの手です。
和解離婚をすると裁判所が和解調書を作成します。
和解調書には判決と同じ法的効力があるため、相手が取り決めを守らない場合は、強制執行を申し立てることも可能になります。
弁護士に依頼する
離婚裁判を弁護士なしで対応するのは、非常に難しいと言わざるを得ません。
裁判では訴状や準備書面といった書類を都度用意したり、法廷で主張・立証を行ったりする必要がありますが、自身の主張に説得力を持たせるためには、高い専門知識やノウハウが必要になります。弁護士に依頼をすれば、こういった問題をカバーできるため、裁判を有利に進められる可能性が高まります。
その他にも弁護士に依頼することで得られるメリットを、以下にまとめたので参考になさってください。
- 依頼者の味方として、戦略的に裁判に対応してもらえる。
- 煩雑で専門性の高い手続きを代理してもらえる。
- 裁判にかかる労力や時間を大幅に削減できる。
- 和解すべきかといったアドバイスをしてもらえるので、早期解決が望める。
- 精神的なストレスを軽減できる。
相手が裁判に来ない・欠席した場合はどうなる?
第1回口頭弁論の期日は、原告の代理人弁護士と裁判所の都合で決められるため、被告の予定が合わずに欠席となることは少なくありません。
そのため、初回に限っては、答弁書さえ提出していれば、被告は欠席したとしても、答弁書の内容を陳述したものとして扱われます。
しかし、被告が答弁書を提出せず、初回の口頭弁論にも出席しなければ、原告が離婚事由の存在を主張・立証することで、離婚が認められます。
被告が争う意思がないことから、原告の請求通りの判決が出る可能性が極めて高いでしょう。
離婚裁判に関するQ&A
離婚裁判を取り下げることは可能ですか?
原告は、判決が確定する前であれば、請求内容のすべてまたは一部を自由に取り下げることができます。
ただし、被告が準備書面を提出したり、口頭弁論や弁論準備手続に出席したりといった何らかの応答をした後の段階では、取り下げに被告の同意を要します。
この場合、訴えの取下書が被告に送達されるのですが、被告が送達を受けた日から2週間以内に異議を申し立てなければ、取下げに同意したものとみなされます。
離婚裁判が不成立になることはありますか?
裁判によって離婚が成立しないケースとして考えられるのは、以下のような場合です。
- 裁判所が原告の離婚請求は相当でないと判断して棄却した。
- 訴状や提出書面等の手続きに不備があり、裁判が行われない。
- 原告が裁判の途中で気が変わり、訴えを取り下げた。
- 和解によって離婚せずに夫婦関係を修復することになった。
DV加害者と会いたくありません。相手と顔を合わせずに離婚裁判を進めることは可能ですか?
DVの被害に遭っていた場合、加害者である配偶者と直接会わずに離婚裁判を進めることができます。
裁判手続きのメインは口頭弁論ですが、これは弁護士を代理人として立てれば基本的に当事者は出廷する必要はありません。
本人尋問が実施される場合は当事者が出廷しなければなりませんが、加害者の前に衝立を立ててもらう「遮へい措置」や、裁判所内の別室からモニター越しにやり取りをする「ビデオリンク方式」を選択することができます。
なお、訴状や判決書には当事者双方の住所が記載され、相手方にも送達されることになりますが、裁判所に事情を説明し手続きをすれば、秘匿として取り扱ってもらうこともできます。
以下のリンクページは、離婚事由がDVであるケースについて詳しくまとめています。ぜひ、併せてご一読ください。
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有責配偶者から離婚裁判を申し立てることは可能ですか?
有責配偶者とは、夫婦の関係が悪化した主な原因を作った方の配偶者のことです。
具体的には、浮気をしたり、暴力を振るったりしていた方の配偶者を指します。
有責配偶者が離婚裁判を申し立てること自体は可能です。
しかし、有責配偶者が離婚を請求することは倫理的・道徳的に許されないと考えられているため、裁判で離婚が認められることは原則としてありません。
ただし、「別居期間が長期に及んでいる」「経済的に自立できない未成年の子供がいない」「離婚後の相手の生活保障を十分に行う予定がある」といった条件を満たせば、有責配偶者からの離婚請求も認められることがあります。
詳しくは、以下のリンクページも併せてご覧ください。
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浮気相手に慰謝料を請求する場合、浮気相手も離婚裁判に出廷するのでしょうか?
浮気相手に慰謝料を請求する場合、浮気相手のことも被告として訴えることになります。
そのため、口頭弁論に本人が出席してくる可能性はありますが、浮気相手が弁護士を立てていれば、弁護士が代理人として出席するのが一般的です。
ただし、本人尋問では被告本人が質問に答える必要があるため、浮気相手も出廷してくると考えられます。
別居している期間があれば、裁判で離婚は認められやすくなりますか?
離婚裁判では、必ず法定離婚事由が存在しなければなりません。
しかし、特に法定離婚事由にあてはまる離婚理由がなかったとしても、長期間の別居によって夫婦としての実体がなくなったと裁判官に判断されれば、離婚が認められる可能性があります。
どのくらいの期間別居をしていれば長期と認められるかは、その夫婦の同居期間や年齢などによって変わってきますが、大体3年~5年程度が目安といえます。
なお、有責配偶者から離婚請求をする場合、必要な別居期間はより長くなります。
個々の事情によっても変わってきますが、7年程度は別居しなければならないと考えられます。
以下のページでは、“別居”をテーマに解説していますので、気になる方はぜひお目通しください。
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離婚裁判をスムーズかつ有利に進めるために弁護士がサポートいたします
裁判においては法律の専門知識が不可欠です。離婚の争いも裁判の段階になると、大抵のケースで相手方は弁護士を立ててきます。
そのため、一般の方が自身の力のみで対処するのは大変厳しいと言えます。
離婚はプライベートな問題であるため、他人には頼りづらいと感じている方も多いかと思いますが、なるべく有利な条件で、かつ早期に離婚裁判を終わらせたいのであれば、弁護士に依頼することを強くお勧めします。
弁護士法人ALGの弁護士は、依頼者の一番の味方として、二人三脚で問題を解決する姿勢を大切にしています。
ただ離婚を成立させるのではなく、その後の人生を見据えたサポートをさせていただきますので、ぜひ弊所にご相談ください。
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