モラハラ夫・妻と離婚する方法と成立させる3つのポイント

モラハラとは、モラルハラスメントの略で、「モラル=道徳・倫理」、「ハラスメント=嫌がらせ」の組み合わせで、道徳や倫理に反した嫌がらせをして精神的苦痛を与える行為をいいます。
今、配偶者のモラハラに長年苦しみ、離婚を決意する方は増えています。
そこで、本記事では、“モラハラで離婚を成立させる3つのポイント”、“モラハラ夫・妻と離婚する方法・進め方”などモラハラが原因で離婚を考えている方に向けて、参考になるように詳しく解説いたします。
目次
モラハラの特徴とは
モラハラ(モラルハラスメント)とは、心無い言葉や態度、身振りなどによって、精神的に追い詰める行為をいいます。
「精神的DV」や「精神的虐待」といわれ、家庭内暴力の一種とされています。
身体的に怪我を負わせて傷跡が残るDVとは違い、モラハラは目に見える傷跡が残らないために第三者から気付かれにくく、表面化しにくいのが特徴といえます。
“夫から妻に対するモラハラ“と”妻から夫に対するモラハラ“の典型例をそれぞれ次項より確認していきましょう。
夫によるモラハラ
夫から妻に対するモラハラの典型例として、以下のものが挙げられます。
特徴 | 具体例 |
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生活費を渡さない |
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妻に暴言を吐く |
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妻を無視する |
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人前で妻を馬鹿にする |
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極端に嫉妬・束縛する |
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子供に妻の悪口を吹き込む |
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自分の非を認めない |
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妻によるモラハラ
妻から夫に対するモラハラの典型例として、以下のものが挙げられます。
特徴 | 具体例 |
---|---|
家事をしない |
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夫を無視する |
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夫の収入にケチをつける |
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夫を孤立させる |
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子供に夫の悪口を吹き込む |
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夫の親族に対して冷たく当たる |
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モラハラは離婚理由になる
モラハラを理由に離婚することはできます。
本来であれば、まずは夫婦間で離婚について話し合いを行って、離婚理由が何であろうと夫婦間で合意すれば離婚が成立します。
しかし、モラハラが日常的に繰り返されている場合は、両者が冷静に話し合うのは困難だと考えられますので、家庭裁判所に離婚調停を申し立てするのが得策です。
離婚調停では、裁判官や調停委員を交えて話し合いで離婚の成立を目指します。
あくまでも話し合いですので、相手が離婚を頑なに拒否している場合は、調停では解決できずに、最終的には離婚裁判を提起することになります。
離婚裁判では、モラハラの具体的な事実について証拠を示しながら、夫婦の婚姻関係はすでに破綻していると主張して、裁判上で認められている離婚事由のひとつである「婚姻を継続し難い重大な事由」だと認められなければいけません。
ただし、モラハラは、肉体的な暴力と違い、目に見える外傷が残らないので、証明するのが簡単ではありません。
そこで、次項では、モラハラで離婚を成立させるポイントを詳しく解説していきます。
モラハラで離婚を成立させる3つのポイント
裁判で離婚が認められるには、自分が受けたモラハラ行為が、「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するということを、客観的な証拠を用いて証明しなければなりません。以下、具体的な内容や対策について解説します。
モラハラを証明する証拠を揃える
モラハラは、家庭内の閉鎖的な空間で行われるケースが多く、相手から目に見えない言葉や態度などで精神的暴力を受けるので、第三者に証明しづらい性質をもっています。
また、モラハラが数回程度であれば、夫婦喧嘩の範疇だと思われがちです。
モラハラの実態を証明するためには、いくつもの証拠を積み重ねるのが非常に大切となります。
では、次項より具体的にどのような証拠の種類や集める方法が有効なのか、解説していきます。
証拠の種類・集める方法
モラハラは、暴力を振るわれケガを負うような目に見える傷が残りません。
また、ひとつの証拠だけを切り取ってみると、夫婦関係を破綻するほど問題のあるものと認められないおそれもあります。
相手のモラハラの内容、程度が酷く、夫婦関係を維持するのは困難だと証明するには、いくつもの証拠を積み重ねることが大切です。
したがって、長期的かつ計画的に、根気強く証拠を集める必要があります。
モラハラの証拠となるもの、集める方法は具体的に次のようなものになります。
モラハラの現場を録音・録画したもの | 怒鳴り声や?責中の音声、モラハラを受けている場面を隠し撮りした録画データ |
---|---|
モラハラを受けたことを記録した日記やメモ | 言われたこと、されたこと、相手の行動を具体的に時系列に記録した日記やメモ |
モラハラの内容が含まれたメールやLINE | 相手を非難・侮辱したり、人格を否定したり、脅迫したりなど、モラハラな内容を含んだメールやLINE |
心療内科や精神科の診断書 | モラハラが原因で発症した精神疾患の診断書や、心療内科などへの通院歴 |
モラハラ夫(妻)への改善要求の書面やメール | モラハラをやめてほしい、改善してほしいことを送った書面やメール、LINE |
第三者の証言 | 人前で侮辱したりモラハラ行為を受けたりしていたことを見聞きした、親族や友人など第三者の証言 |
警察や相談機関への相談履歴 | 警察や公的な相談機関へのモラハラの相談履歴 |
別居を検討する
モラハラを受けている方は、モラハラをする相手と我慢して共同生活を続けることで、日々、精神的に消耗していき、状況によっては精神疾患を患う可能性もあります。
日々のモラハラ行為から避難するために、別居することは有効な手段です。
モラハラをする相手が離婚に合意しなくても、一定程度(最低3年~5年程度)の別居期間が経過すると、すでに夫婦関係が破綻しているとして、裁判手続きで離婚が認められる可能性も高くなります。
ただし、注意しないといけないのは、別居すると入手が困難な証拠も多いので、同居中に確保すべき証拠はしっかり集めておくようにしましょう。
また、別居する際は、面と向かって別居を切り出すのは危険が生じるかもしれませんので、置手紙やメールなど形に残る手段で、「モラハラに耐えられないので別居します」といった内容をきちんと伝えるようにしましょう。その置手紙のコピーやメールなども証拠になります。
離婚と別居については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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弁護士などの第三者に相談する
まず、両親や知人など身近にいる第三者に今自分がどのようなことをされているのか相談してみましょう。相談することで、SOSのサインを出すという意味があるだけでなく、改めてモラハラを受けていると自覚ができます。
そのほかにも内閣府が推進しているDV相談ナビや診療内科、精神科のカウンセリングを受けるなどして相談するのも有用です。相談をすることで相手のモラハラ行為を第三者に相談しているという事実の客観的な証拠にもなります。
さらに、モラハラを理由に離婚を考えている方は弁護士への相談も検討ください。
弁護士に相談すれば、今までされてきた行為が法的にモラハラにあてはまるのか、どのようにして証拠を集めればいいか、どのような流れで離婚を進めるべきか、などのアドバイスを受けられます。
モラハラ夫・妻と離婚する方法・進め方
モラハラが原因で離婚を求める場合も、ほかの離婚原因と同様に、基本的には、以下の流れで進みます。
- 夫婦の話し合い
- 離婚調停
- 離婚裁判
以下、各段階について、詳細を解説します。
①夫婦の話し合い
まずは、夫婦間で離婚について話し合うことから始めます。
話し合いで合意できれば、離婚することは可能です。
しかし、モラハラが原因で離婚する場合は、モラハラをする相手から高圧的な態度を取られて、夫婦が対等に離婚の話を進めることができないことが多数です。
またモラハラする相手は、自覚なくモラハラ行為をしているケースが多く、なぜ離婚しようと言ってくるのか理解できず、頑なに受け入れない場合もあります。
さらに危害が及ぶ恐れもありますので、早い段階で弁護士に相談して、アドバイスを受けながら話し合うか、代わりに弁護士に相手と離婚について話し合いをしてもらうかなども検討してください。
協議離婚については、下記ページでも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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②離婚調停
話し合いで離婚について合意できなかった場合は、次に家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。
離婚調停は、裁判官や調停委員を交えて話し合いで離婚の成立を目指す方法です。
当事者が交互に調停室に入り、調停委員に事情を説明したり、意見を伝えたりするので、相手と直接顔を合わせることも話をすることもありません。
モラハラをする相手は、外では優しく振る舞い、周囲の評判は良い人が多い傾向にあります。
証拠もなく、ただ「相手のモラハラが理由で離婚したい」と伝えても、調停委員に理解してもらえない可能性があります。
有益なモラハラの証拠をもっていれば、調停委員もこちらの話に耳を傾け、意見も通りやすくなる可能性が高まりますので、事前にモラハラ行為を証明する証拠をしっかり揃えておきましょう。
離婚調停について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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③離婚裁判
離婚調停でも離婚について合意できず、調停不成立となると最終的には、家庭裁判所に離婚裁判を提起します。
離婚裁判は相手の同意がなくても、裁判所が一切の事情を考慮して離婚の可否や条件を判断します。
離婚裁判で離婚を認めてもらうためには、次の5つの法律に定められている法定離婚事由が必要となります。
- 不貞行為があったとき
- 悪意の遺棄をされたとき
- 生死が3年以上明らかでないとき
- 強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
モラハラを原因として離婚裁判で離婚が認められるには、モラハラ行為の事実を証拠で示しながら主張・立証をして、法定離婚事由のひとつである婚姻を継続し難い重大な事由にあてはまると認めてもらう必要があります。
離婚裁判の手続きは、法律知識や専門的テクニックが必要となるので、弁護士に依頼して進めるのが有用です。
離婚裁判について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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モラハラが離婚事由と認められないケース
被害者が受けたモラハラが婚姻を継続し難い重大な事由には該当せず、夫婦関係が破綻したとまではいえないと判断されれば、裁判で離婚を認めてもらうことはできません。
例えば、以下のようなケースでは、裁判で離婚を認めてもらえる可能性は低いでしょう。
- モラハラを受けたことやその内容などを証明する証拠がない
- 「年に1回大きな声で怒鳴られる」など、モラハラ行為の程度が軽かったり、頻度も低かったりする場合
- 相手のモラハラ行為に対し、被害者自身も同じように言い返したり、無視したりして応戦しており、一方的にモラハラを受けたとは言えない場合
後悔しない離婚のために必要な準備
モラハラをする相手と離婚したいと思っても、離婚後の生活が不安でなかなか踏み切れない方もいらっしゃるかと思います。
また、モラハラをする相手は、自覚がなかったり、世間体を気にしたりして離婚を拒否する方が多く、長期戦になる確率が高いのも特徴のひとつです。
後悔しない離婚のためにも事前に次のような準備をしておくのをお勧めします。
- 離婚後の生活の見通しを立てる
- スキルアップや就職活動の準備をする
- 離婚後に住む場所の確保をする
- 離婚する際にかかる費用(引っ越し費用、敷金、礼金、家賃、当面の生活費など)を貯めておく
- 希望の離婚条件(親権、慰謝料、財産分与、養育費など)を整理しておく
- モラハラの証拠を集めておく
- ひとり親家庭が利用できる手当や支援制度を調べておく
さらに詳しく、下記ページで離婚準備マニュアルを解説していますので、ぜひご覧ください。
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離婚時に決めるべきお金や子供の問題
離婚時にお金や子供の問題をしっかり取り決めておかないと、離婚後に経済的に困窮したり、後悔したりするおそれがあります。
離婚する時に取り決めておくべき主な条件は、次のとおりとなります。
モラハラをする相手と直接話し合って取り決めるのに不安や恐怖がある方は、早い段階で弁護士に相談して進めるのがいいでしょう。
●婚姻費用・・・夫婦と未成熟の子供が生活を維持するために必要な費用をいいます。
基本的に、別居後離婚が成立するまでの間、収入が低い夫婦の一方が、収入の高いもう一方の配偶者に請求できます。
婚姻費用については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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●財産分与・・・婚姻期間中に夫婦が協力して築き上げた財産を離婚する際に公平に分け合うことをいいます。相手の財産を把握していない場合は、事前に相手名義の通帳や保険証券などの財産資料をコピーしておくのが得策です。
財産分与については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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●離婚慰謝料・・・モラハラは相手に精神的苦痛を与える不法行為になり得ます。モラハラが原因で離婚する際に、モラハラ行為の存在を証明できれば慰謝料請求ができる可能性があります。
慰謝料の相場は、モラハラの内容、回数、悪質性の程度などによって左右されます。
離婚慰謝料については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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●親権・・・離婚する際は、父母どちらが子供の親権者となるか決めておかなければ、離婚届は受理されません。親権者を決める際は、父母どちらと暮らしたほうが「子供の福祉(幸せ)に適うか」を考えて決めなければいけません。
親権については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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●養育費・・・子供が経済的・社会的に自立するまで養育にかかる費用をいいます。
離婚後、子供と一緒に暮らす親が子供と離れて暮らす親に養育費を請求できます。
養育費については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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●面会交流・・・離婚後、子供と離れて暮らす親が子供と会って一緒に過ごしたり、電話をしたり、手紙をやりとりしたりして交流することをいいます。
ご自身にはモラハラをする相手でも、子供に対してモラハラをはじめ虐待行為がなく、面会交流をすることで子供の健全な成長を阻害することがなければ、面会交流は行うべきと考えられています。
面会交流については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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離婚のご相談受付
来所法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
弁護士が介入した結果、離婚を拒否するモラハラ夫と離婚を成立させ、財産分与も獲得した事例
【事案概要】
妻である依頼者は、夫からモラハラを数年受け続けたことが原因で離婚を決意し、別居を開始しました。
子供が3人いるので、養育費の話し合いをしたいが、相手の高圧的な態度に圧倒されてうまく話し合いができない可能性が高いと考え、弊所にご相談されました。
【弁護士方針・弁護士対応】
相手は離婚自体を拒否していました。
相手に拒否する理由を聞いたところ、「子供に会えなくなるのが嫌だから」とのことでした。
そこで、子供に会う機会をしっかり取り決める提案をしました。
すると、最終的に離婚自体には応じてもらうことができました。
また、依頼者は長年専業主婦で子供が3人いるので、今後の生活を考えて、しっかり適正な養育費の支払いと適正な財産分与を求める必要があると考え、養育費と財産分与の請求をしました。
【結果】
当初離婚を拒否していた相手と、無事に離婚について合意ができ、財産分与として約700万円、養育費として月約15万円を獲得できました。
モラハラ離婚に関するQ&A
モラハラを理由に離婚をしたい場合の相手への切り出し方を教えてください
離婚を切り出すときは、あらかじめ離婚したい理由、自分の気持ち、伝えておきたいことなどを整理しておき、相手にわかりやすく具体的に伝えるように心掛けましょう。
決して、感情的にならず、相手を非難するような発言は控えるようにしてください。
ただし、モラハラをする相手は、いきなり離婚を切り出されたら、怒鳴ってきたり、暴言を吐いたりして、まともな離婚話ができないかもしれません。
まともに相手と直接話せるか不安な方、もしくは相手と直接話すのに恐怖を感じる方は、手紙やメールなどで離婚を切り出しても構いません。
手紙やメールだと、感情的にならずに伝えたいことを整理してから冷静に伝えられる利点があります。
モラハラ夫(妻)と顔を合わせずに離婚を進めることは可能ですか?
モラハラをする相手と顔を合わさずに離婚を進めることは可能です。
まず、1つ目の方法として、離婚調停を申し立てて離婚を成立させる方法があります。
離婚調停は、調停室にそれぞれの当事者が交互に呼ばれて、裁判官と調停委員と話をして進めていきますので、相手と直接話をしたり、顔を合わせたりすることはありません。
あらかじめ裁判所にモラハラが原因で相手と顔を合わせたくない事情を相談しておくと、さらに配慮してくれるでしょう。
2つ目の方法は、弁護士に依頼して離婚を進める方法です。
弁護士であれば、離婚について相手とのすべての交渉を代理で行うことができますので、協議離婚も相手と顔を合わせずに成立させることが可能です。
細かな連絡や郵送物なども弁護士事務所経由で行いますので、相手に新しい連絡先や住まいを知られることもありません。
仮に調停や裁判などの裁判所手続きに移行した場合も、弁護士が代わりに出廷しますので、ご自身が裁判所に出向く回数は最小限に抑えることができます。
夫のモラハラから逃げるために一方的に別居した場合、離婚で不利になりますか?
基本的には、夫のモラハラから逃げるために一方的に家を出て別居を開始しても、そのことで調停や裁判で不利な立場になることはありません。
確かに、日本では、「夫婦は一緒に暮らさなければならない」ということが、法律で定められています(同居義務)。
しかし、モラハラは、ときに身体的な暴力にエスカレートしたり、被害者が精神疾患を発症したりする危険を含む行為です。
自分や子供の心身を守るために、モラハラ夫から逃れて別居し、物理的な距離を置くことに正当な理由があれば、法律で定めた夫婦の同居義務違反とはなりません。
何の落ち度もない被害者が調停や裁判で不利になることは基本的にはないので、安心して、心身の安全確保を第一に行動してください。
離婚後、モラハラ夫からしつこい嫌がらせを受けたときの対処法はありますか?
離婚後にモラハラ夫から嫌がらせを受けた場合は次のような対処法が考えられます。
- 相手にしない
- 証拠を残しておく
- 警察や弁護士に相談する
- 慰謝料請求する
まずは相手にせずに無視をしてモラハラ夫からの攻撃が収まるのを待ちましょう。
モラハラ夫は、ご自身の対応をみて楽しんでいたり、気を引こうとしていたりするからです。
ただし、モラハラ夫から受けた攻撃はすべて証拠に残しておくようにしてください。
攻撃が収まらない場合は、警察に相談するのが有効ですので、相談時に証拠はとても重要なものとなります。
警察に相談すれば、状況によって警察から警告や接近禁止命令を出してくれる場合もあります。
また、弁護士に相談し、モラハラ夫の迷惑行為が不法行為になると判断されれば、慰謝料請求をサポートしてもらえます。慰謝料請求する際も、証拠はとても重要となります。
父親や母親から子供へのモラハラは、離婚理由になりますか?
配偶者である父親や母親から子供へのモラハラは、それによって夫婦関係が破綻したのであれば、離婚理由になり得ます。
子供に対して次のような行為があれば、モラハラに該当する可能性があります。
- 子供が宿題をしない、ご飯を食べないなど、思うどおりの行動をとらないと大声で怒鳴ったり罵倒したりする
- 子供の些細な失敗を攻撃する
- 子供の自尊心を傷つける
- 子供の話を聞かない、無視をする など
子供が配偶者に恐怖心を抱き、怯えているようであれば、それらの行為は、子供に対するモラハラ、すなわち精神的虐待になります。子供に対するモラハラにより、夫婦関係が続けられない状態になってしまった場合、離婚理由になり得ます。
子供へのモラハラを理由に離婚を決意した場合は、何よりも子供の安全の確保を第一優先に考え、子供を連れて別居するのが得策です。
ただし、今後有利に離婚を進めるには、証拠の有無が大きく左右しますので、別居前にしっかり証拠を集めておくようにしてください。
証拠を確保し、別居して避難できてから、相手と離婚について話し合いをすることから始めましょう。
義父母からのモラハラを理由に離婚することは可能ですか?また、義父母に対して慰謝料請求はできますか?
夫婦間での話し合いや離婚調停で、離婚について合意しており、さらに慰謝料の支払いにも合意できていれば、義父母からのモラハラを理由に離婚を成立させて、慰謝料の支払いを受けるのは問題ありません。
ただし、離婚についても慰謝料についても合意ができなければ、最終的に離婚裁判をすることになります。
裁判では、義父母のモラハラ行為が配偶者の落ち度とみなされるわけではありませんので、離婚が認められるのは難しいでしょう。
ただし、配偶者が義父母のモラハラに加担したり、義父母からのモラハラ解消の努力をしてくれなかったりした場合には、離婚が認められる可能性があります。
また、離婚に関する慰謝料は、配偶者に請求するものなので、義父母のモラハラについての慰謝料を配偶者に請求して、認められるのは難しいでしょう。
義父母のモラハラが不法行為にあてはまれば、別途、義父母に対して、慰謝料請求することは可能です。
離婚後にモラハラの後遺症が出た場合、慰謝料を請求できますか?
慰謝料請求できる可能性があります。
ただし、慰謝料請求するには、モラハラを受けていた客観的な証拠が必要となります。
また、慰謝料請求には3年の時効があり、離婚後とのことなので、今回のケースでは「離婚してから3年」となります。
モラハラの証拠が揃っていても、時効が過ぎてしまっていると慰謝料請求できませんので、注意が必要です。
【まとめ】モラハラでの離婚の話し合いがなかなか進まない場合は、弁護士にご相談ください
モラハラは暴力とは違い、身体に物理的な怪我を負わされることはないかもしれません。しかし、モラハラは精神的暴力であり、離婚理由となり得る立派なDV行為です。
一方、家庭内という閉鎖的な空間で行われたモラハラという目に見えない精神的暴力の主張・立証は、とても難しいものです。いくら日々酷いモラハラを受けていても、十分な証拠を揃え、効果的な主張・立証をしなければ、裁判で負けてしまう可能性もあります。
弁護士法人ALGには、家事事件を専門に扱う経験豊富な弁護士が多数在籍しており、これまでに数多くのモラハラを原因とする離婚事件の解決実績を有しております。
モラハラの証拠集めや慰謝料請求に向けた有益なアドバイス、交渉・調停・裁判の代理人はもちろん、その他の些細なお悩みについても、ご相談者様やお子様の安全を第一に考え、親身になって対応いたします。 配偶者からのモラハラにお悩みの方は、ぜひ一度、弁護士法人ALGまでご相談ください。
離婚のご相談受付
来所法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。

保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)