親子交流(面会交流)とは?取り決めるルールや方法、拒否について
2026年4月1日施行の改正民法により、面会交流の名称が親子交流に変更されました。
離婚後の親子交流(面会交流)は、子供と父母にとって重要なものなので、実施することが望ましいです。
この記事では、親子交流(面会交流)とはなにか、ルールなどをどのように決めるのか、拒否できるのか、拒否されたらどうするのかなどについて詳しく解説していきます。
親子交流(面会交流)とは
親子交流(面会交流)とは、離婚や別居などで子供と離れて暮らす親が、子供と定期的に交流を持つことをいいます。
交流の方法は面会といった直接的な方法に限らず、手紙のやり取りなど間接的な方法もあります。
親子交流(面会交流)は、子供が両親のどちらからも愛されていると実感ができ、健やかな成長のために必要な機会です。
離れて暮らす親のためではなく、あくまでも子供の利益のために行われるべきものだとされています。
改正民法でも、離婚時には子供との面会についても協議するよう文言が追加されています(改正民法766条)。
このことからも、親子交流(面会交流)が子供や離れて暮らす親にとってどれほど重要かが分かります。
親子交流(面会交流)は何歳まで行う?
親子交流(面会交流)には、「子供が〇歳になるまで」という決まりはありません。
一般的には、成人するまで続ける場合が多いです。
ただし、思春期に入ると子供の意思が尊重されるようになります。
会う頻度や方法などについて、子供の判断に委ねるケースも増えていきます。
夫婦間で合意すれば、子供が成人した後についても、無理のない範囲で交流を続けることも可能です。
家庭ごとに事情は異なるため、子供の気持ちを大切にしながら柔軟に考えましょう。
親子交流(面会交流)の頻度や平均時間は?
親子交流(面会交流)の平均時間は、子供が乳児の場合は30分~2時間程度、幼児の場合は2~3時間程度、小学生の場合は半日~1日が多いようですが、いずれにしても明確な基準があるわけではありません。
月に何回会うか、何曜日の何時から何時まで会うかなど、親子交流(面会交流)の頻度や時間は、子供の事情を優先しながら当事者で決めます。
親子交流(面会交流)の頻度が多すぎる、少なすぎることで揉めないよう、お互いが納得できる頻度を取り決めるようにしましょう。
親子交流(面会交流)のルール・取り決め例
親子交流(面会交流)を実施するときに揉めないように、以下のようなルールを取り決めておくと良いでしょう。
- 親子交流(面会交流)の場所
- 子供の受け渡し方法
- 夫婦間の連絡方法
- 学校行事への参加
- プレゼントやお小遣い
- 宿泊の有無
ルールを曖昧にすると、思いもよらない場所に連れて行かれるなど、不安や心配の原因となりかねません。
どこまでルールを作り込むかは状況によりますが、後悔しないように、必要だと考えられる点についてはあらかじめ取り決めましょう。
親子交流(面会交流)の場所
面会日当日に子供と過ごす場所については、当事者間で自由に取り決めることができます。
取り決め例
- あらかじめ指定の場所(自宅や公園)だけに限定しておく
- 面会する親子で自由に決める
- 面会日までに別居親が決め、同居親の了承を得る など
なお、父母双方の合意により、「●●には連れて行かないでほしい」など、面会の場所を制限することも可能です。
子供の受け渡し方法
面会日当日は、子供の受け渡し方法についても事前に決めておくようにしましょう。
取り決め例
- どこで、何時に待ち合わせるのか
- 交通手段はどうするのか
- 誰が子供を連れていくのか
- 誰が迎えに行くのか など
約束の場所や時間、送迎方法を守らなければ、お互いに不信感が募り、今後の親子交流(面会交流)が上手くいかなくなることもありますので、取り決めた内容はきちんと守るようにしましょう。
また、夫婦が遠方に住んでおり、待ち合わせ場所まで新幹線や飛行機を使用し、交通費が発生する場合は、どちらが交通費を負担するのかについてもあらかじめ話し合っておきましょう。
夫婦間の連絡方法
普段や緊急時の連絡方法についても、夫婦であらかじめ決めておいた方が良いでしょう。お互いが了承すれば、電話、メール、LINEなど手段は何でも構いません。
しかし、ある程度子供が大きくなったからといって、同居の親の了承なく、勝手に子供と電話やメール、LINEなどで直接連絡を取り合ったり、SNSでつながったり、勝手に携帯電話を買い与えたりする行為は、同居の親からの不信感を買いトラブルになりかねないため、控えましょう。
学校行事への参加
入学式、卒業式、運動会などの学校行事や習い事の発表会への参加の可否などについても、当日いきなり参加して揉めるといったことのないよう、事前に決めておきましょう。
同居の親が行事予定を通知して、参加する場合には同居の親に連絡する、などのルールを決めておく必要があります。
参加できなかった場合の写真などの共有や、行事のときに子供に声をかけないなどのルールについても、併せて決めておきましょう。
行事を1回の親子交流(面会交流)とするかについても、事前に決めておくことが望ましいです。
プレゼントやお小遣い
プレゼントやお小遣いについても、あらかじめルールを決めておくと安心です。
取り決め例
- お小遣いを渡す場合は、一度にいくらまで、月にいくらまで
- プレゼントを渡す場合は、誕生日やクリスマスなどのイベントのときのみ
- プレゼントの予算はいくらまで
- お年玉を渡す場合はいくらまで など
親子交流(面会交流)が行われるたびに高価なプレゼントを与えたり、高額なお小遣いを渡したりすると、子供は「父(母)に会うとなんでも買ってもらえてお小遣いがもらえる」と考えるようになり、トラブルに発展しかねません。
子供の健全な成長のためにも、親同士で事前にルールを決めておくことが大切です。
宿泊の有無
親子交流(面会交流)で宿泊する場合のルールも決めておかなければなりません。
子供の年齢や生活リズムに配慮して、何歳から宿泊を伴う親子交流(面会交流)を開始するか、宿泊日数は何日にするか、宿泊場所は別居の親の家に限定するかなどを具体的に決めておくと安心できるでしょう。
小学生になったら夏休みなどの長期休みに2泊するなど、無理のない範囲で段階的に取り入れることで、子供にとって安定した交流につながります。
親子交流(面会交流)の決め方
親子交流(面会交流)について決めるときには、主に以下のような方法が用いられます。
- 夫婦間の協議
- 親子交流(面会交流)調停・審判
夫婦間の協議
親子交流(面会交流)のルールなどについては、夫婦が話し合って決めます。
基本的には、離婚するときに親子交流(面会交流)についての取り決めも行うようにしましょう。
夫婦関係が悪化したまま離婚した場合には、後で親子交流(面会交流)を希望しても、話し合いがうまく進められないおそれがあります。
離婚する前に、親子交流(面会交流)について取り決めておけば、離婚して子供と離れて暮らすようになってからスムーズに親子交流(面会交流)を実現できる可能性が高いでしょう。
親子交流(面会交流)のルールなどを含む協議離婚での取り決めは、なるべく公正証書として書面化しておく必要があります。
協議離婚については、以下のリンク先で詳しく解説しています。
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親子交流(面会交流)調停・審判
調停では、調停委員に仲介してもらいながら話し合いをして合意を目指します。
家庭裁判所調査官が、幅広い専門的知識を活用しながら、夫婦や子供について調査する場合もあります。
合意できなかった場合は、調停は不成立となり、審判手続きに移行します。
審判では、これまでの一切の事情を考慮して、裁判官が親子交流(面会交流)の実施の可否や内容などを判断します。
判断にあたって参考とするために、試行的親子交流(面会交流)として、調査官が立ち会って親子交流(面会交流)が行われるケースもあります。
親子交流(面会交流)調停についてお知りになりたい方は、以下のリンク先で詳しく解説していますので、ぜひご参考になさってください。
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親子交流(面会交流)は拒否できる?
親子交流(面会交流)は、子供と一緒に暮らす親の一方的な感情や都合だけでは、基本的には拒否することはできません。
しかし、親子交流(面会交流)を拒否することについて正当な理由がある場合は、例外的に、親子交流(面会交流)を控えるべきだと判断されるケースもあります。
拒否できる正当な理由・しない方がいいケース
親子交流(面会交流)を拒否できるケースやしない方が良いケースとして、主に以下のようなものが挙げられます。
- 子供が本心から会いたくないと言っている
- 子供に虐待を加えるおそれがある
- アルコール依存症や精神疾患などがある
- ギャンブルを行う場所や居酒屋など、適切ではない場所に子供を連れていくおそれがある
- 子供を連れ去る危険性がある
- 子供と暮らす親の悪口を吹き込むなど、子供を洗脳しようとするおそれがある
子供の年齢が10歳程度になっていれば、親子交流(面会交流)について子供自身が意思をしっかりと表明できる年齢だといえるため、本人が面会を拒絶するのであれば実施しない可能性が高いです。
子供が未就学児であるなど幼い場合であっても、その真意を慎重に分析したうえで、親子交流(面会交流)の可否について判断されることになります。
再婚を理由とする拒否は原則認められない
再婚を理由とする、元配偶者と子供の親子交流(面会交流)の打ち切りは基本的に認められません。
親子交流(面会交流)は、子供の幸せのために行われるものであり、親や再婚相手などの感情などによって打ち切るべきものではないからです。
たとえ以下のようなケースでも、元配偶者が子供の実親であることに変わりはなく、親子交流(面会交流)の権利がなくなることもありません。
- 親権者が再婚した
- 親権者の再婚相手と子供が養子縁組をした
親子交流(面会交流)を拒否されたらどうする?
調停や審判によって親子交流(面会交流)の内容が決められたにもかかわらず、親子交流(面会交流)を拒否されて実施されないときに使える手段として、主に以下の2つが考えられます。
- 履行勧告の申立て
- 間接強制の申立て
①履行勧告の申立て
裁判所から、子供と同居の親に対し、書面や電話で「約束通り親子交流(面会交流)をさせなさい」と勧告してもらうことができます。
しかし、あくまでも勧告に過ぎず、法的な強制力まではありません。
②間接強制の申立て
同居の親が約束通りに親子交流(面会交流)を行わせない場合に、数万円の制裁金を支払わせることによって、自発的に約束を守らせ、親子交流(面会交流)を実現させる手段を、間接強制といいます。
ただし、間接強制が認められるかどうかは、親子交流(面会交流)のルールの内容や法的な判断によるところが大きく、いかなる場合でも認められるわけではありません。
直接強制(同居親の元から子供を強制的に連れ出し、別居の親と会わせる方法)は、子供の福祉の観点から、認められていません。
親子交流(面会交流)の禁止事項
親子交流(面会交流)では、子供の福祉(心身の安全と利益)を害する行為は禁止されています。
一般的に禁止されているのは、以下のような行為です。
- 子供の前でもう一方の親の悪口を言う
- 子供を危険な場所に連れて行く
- 子供への暴力・暴言
- 正当な理由なく子供を連れ去る
- 無断で高額なプレゼントをする、合意なく第三者を同席させる、など面会のルール違反
特に、親からもう一方の親の悪口を聞かされることは、子供にとって非常に大きなストレスとなります。とても有害な行為なので、お互いに控えなければなりません。
相手が親子交流(面会交流)の約束を守らなかったときに備えて、ルール違反をしたときの取り決めも可能です。
例えば、一定期間について親子交流(面会交流)を中止することや、回数を減らすことなどが考えられます。
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親子交流(面会交流)について弁護士に相談・依頼するメリット
親子交流(面会交流)について弁護士に相談・依頼するメリットとして、主に次のようなものが挙げられます。
- 親子交流(面会交流)について、相手方とのやり取りや交渉を任せられる
- 感情的にならず、冷静に話し合うことができる
- 親子交流(面会交流)の条件や進め方などを適切に決められる
- 子供との接し方などについてアドバイスがもらえる
- 不利になってしまう言動などに気をつけることができる
- 今後の見通しについて、ある程度の予想をしてもらえる
親子交流(面会交流)の取り決めについて弁護士に依頼するメリットをお知りになりたい方は、以下のリンク先で詳しく解説していますので、ぜひご参考になさってください。
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親子交流(面会交流)に関するよくある質問
養育費を支払わない相手との親子交流(面会交流)は拒否できますか?
相手が養育費を支払わなくても、親子交流(面会交流)を拒否することはできません。
親子交流(面会交流)と養育費は全く別の制度であり、「養育費を払わないなら子供に会わせない」という交換条件にすることは、基本的には認められません。
また、親子交流(面会交流)は子供の利益のために行われるものなので、たとえ養育費を払わない親であっても子供にとって有害でなければ、親子交流(面会交流)は実施すべきだと判断される可能性が高いです。
養育費を支払わない相手に対しては、養育費請求調停(審判)の申し立てや強制執行の申し立てなどの手段によって解決を図りましょう。
未払いの養育費を回収する方法については、以下のリンク先で詳しく解説しています。
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再婚相手が子供と元配偶者の親子交流(面会交流)を嫌がる場合、拒否できますか?
再婚相手が親子交流(面会交流)を嫌がっていても、それを理由として親子交流(面会交流)を拒否することはできません。
再婚相手が、子供と元配偶者の親子交流(面会交流)を嫌がるケースも見受けられます。
しかし、重視されるのは再婚相手の意思ではなく子供の幸せです。子供自身が望んでいるのであれば、親子交流(面会交流)を継続する必要があります。
たとえ再婚相手と子供が養子縁組しても、実親との親子交流(面会交流)は継続する必要があります。
祖父母との親子交流(面会交流)はできますか?
祖父母との親子交流(面会交流)は、令和8年に施行された民法改正により、家庭裁判所が、子供の利益のため特に必要があると判断したときに、認められるようになりました。
ただし、親子交流(面会交流)の申立てを行うのは、基本的に父母です。祖父母が自分で親子交流(面会交流)の申立てを行うことができるのは、他に適当な方法がないときに限定されます。
父親または母親の親子交流(面会交流)に同席するなどの方法によって会うことは、今までと同じように可能です。
親子交流(面会交流)に母親が同伴できるのは何歳までですか?
法律上、母親(親権者)の同伴は○歳までといった明確な年齢の決まりはありません。
そもそも、母親の同伴に関するルールは設けられていません。
親子交流(面会交流)の内容やルールは、基本的に父母間で自由に取り決めることができます。
子供が乳幼児である場合や、母親と離れることを不安がっている場合などでは、母親が同伴する傾向があります。
父親が母親の親子交流(面会交流)への同伴を拒否したい場合には、父母間で話し合うか、親子交流(面会交流)調停を申し立てる方法があります。
優先して考えるべきなのは子供の幸せなので、母親が同伴した方が子供のためだと考えられる状況であれば、無理に拒むべきではないでしょう。
親子交流(面会交流)の第三者機関とは何ですか?
親子交流(面会交流)の第三者機関とは、離れて暮らす親子が安心して会えるようにサポートしてくれる団体です。
自治体や民間団体が運営しており、日程調整や子供との待ち合わせへの付き添い、面会中の見守りなどを行ってもらえます。
第三者機関からの支援を利用すれば、相手方と直接顔を合わせたり、連絡を取り合ったりする必要がありません。
親同士の関係があまり良くない場合でも、気持ちの負担を減らしながら親子交流(面会交流)を続けることができます。
親が助かるだけでなく、子供にとって大切な時間を確保しやすくなる点が大きなメリットです。
親子交流(面会交流)についてお困りの場合は弁護士にご相談ください
親子交流(面会交流)のルールの決め方は、さじ加減が難しく、ルールの決め方によっては後々のトラブルに発展しかねません。
また、親子交流(面会交流)は、子供に会わせたくない親と、会いたい親の感情がぶつかり合う非常にデリケートな問題です。
親子交流(面会交流)についてお困りのときには、法律の専門家である弁護士への相談をおすすめします。
弁護士法人ALGでは、離婚事案の経験が豊富な弁護士が多数所属しており、親子交流(面会交流)をしたい親からの依頼も、させたくない親からの依頼も対応してまいりました。
何よりも大切なのは、子供が幸せを感じながら成長していけることです。
問題解決へ向け、全力でサポートいたします。
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保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

























