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借金を理由に離婚したい!返済義務や慰謝料請求、財産分与について

借金を理由に離婚

相手に借金のあることが発覚した場合、離婚したいと考えるのは当然のことでしょう。
しかし、「借金」を理由に離婚はできるのでしょうか?また、相手に借金があり離婚した場合、その「借金」の返済はどうなるのでしょうか?

この記事では離婚時の借金に着目し、借金を理由に離婚ができるのか、慰謝料や養育費を請求できるのか詳しく解説していきます。離婚の際に借金があった場合などでお困りの方は、ぜひご覧ください。

借金を理由に離婚することはできるのか

方法によって借金を理由とした離婚は可能です。

離婚は以下3種類の方法があります。

  • 協議離婚
  • 離婚調停
  • 離婚裁判

協議離婚は相手の同意があれば離婚できます。
しかし、裁判離婚は「法定離婚事由」が必要です。この法定離婚事由に借金は含まれず、借金のみで離婚することは難しいでしょう。

離婚裁判で借金を理由に離婚が認められるには

離婚裁判で借金を理由に離婚が認められるには、借金に付随して以下のような事情があるために、「悪意の遺棄」や「婚姻を継続し難い重大な事由」があると判断される必要があります。

  • 借金をしているうえに生活費を入れない
  • 働かず、ギャンブルのために借金重ねている
  • 結婚後にあまりにも高額な借金の事実を知った
  • 不倫相手にお金をつぎ込んでしまい、借金を作った
  • 借金をしている上に、DVもしている

離婚時に借金があった場合の財産分与

財産分与」とは、婚姻中に夫婦で築き上げてきた財産を離婚時に分配することをいいます。
財産分与の対象には、以下のようなものが挙げられます。

  • 土地・建物などの不動産
  • 預貯金
  • 株式
  • 保険
  • 家財道具

しかし財産分与するものは必ずしもプラスになるものだけではありません。
負債についても財産分与の対象となることがあります。

次項では、「財産分与の対象となる借金」と「財産分与の対象とならない借金」について解説していきます。

財産分与の対象となる借金

財産分与の対象となる借金は以下のとおりです。

  • 不足した生活費を補うために借り入れた借金
  • 子供の学費等のための教育ローン
  • 家族で居住するために購入した住宅ローン

貯金などのプラスの財産から借金などのマイナスの財産を引いた金額が実際に財産分与として分配されることとなります。借金の方が多い場合、財産分与する対象財産がないことになり、残った借金を折半するわけではありません。

また、住宅については、住宅の現在価値からローン残額を引いてプラスになる場合(アンダーローン)の場合のみ、財産分与の対象となります。

財産分与の対象とならない借金

財産分与の対象とならない借金は以下のとおりです。

  • 結婚前からの借金
  • ギャンブルのためなど個人的な借金

これらの借金は借金を作った本人が全額返済する必要があります。

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離婚時に借金がある相手から慰謝料や養育費を請求できるのか

配偶者に借金がある場合、慰謝料や養育費を支払ってもらえるか、心配になる気持ちはよくわかります。
たとえ配偶者が借金を抱えていても、慰謝料や養育費を請求することは可能です。

そもそも、離婚慰謝料は相手方の有責のために婚姻関係が破綻した「精神的苦痛に対する補償」、養育費は「子供の監護や養育に必要なお金」です。これらの請求には借金は一切関係なく、配偶者の支払い能力を問わず請求が可能です。

次項では、慰謝料と養育費の請求について解説していきます。

慰謝料

離婚慰謝料とは、相手方の有責のために婚姻関係が破綻したことによって被った精神的苦痛に対する補償です。
すでに述べたとおり、原則として借金のみでは婚姻関係破綻が認められず、離婚慰謝料も発生しないと考えられます。
しかし、以下のようなケースでは、離婚慰謝料が発生する可能性があります。

  • 配偶者からのDVがあった場合
  • 配偶者に不貞行為があった場合
  • 健康なのに働かない場合
  • 生活費を渡さない場合

ただし、借金の問題がある相手に多額の慰謝料を請求するのは現実的に無理なケースもあり、離婚慰謝料の額は少額となってしまう可能性もあります。

離婚の慰謝料については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

離婚慰謝料のお悩みは弁護士法人ALGへご相談ください

相手が自己破産した場合、慰謝料は請求不可能

「自己破産」とは、財産、収入が不足し借金の返済ができないことを裁判所に認めてもらい、法律上借金の支払い義務が免除される手続です。
自己破産すると、税金などの一部を除いてすべての債務が「免責」されます。

離婚の際、配偶者が不貞行為やDVなど「有責配偶者」の場合、通常は慰謝料を請求することができます。
しかし、配偶者が離婚の際や離婚後に自己破産してしまうと慰謝料も基本的に免責されてしまうため、慰謝料を払ってもらえないことになってしまいます。

ただし、慰謝料が「免責」にならないケースもあります。借金の原因が「浪費やギャンブル」であった場合は免責が認められないことが多くあります。
また、自己破産するときには「非免責債権」も重要なポイントです。
「非免責債権」とは、破産者が免責を受けても、なお支払い義務が残る債権のことです。

非免責債権の中には以下のようなものがあり、当てはまる場合は、たとえ相手が自己破産していても慰謝料の支払い義務は残ります。

  • 悪意を持って行われた不法行為に基づく損害賠償請求権
    ※「悪意」とは、単なる故意ではなく、積極的な害意を要すると考えられています。
  • 故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権

養育費

養育費とは、社会的・経済的に自立していない子供が健やかに成長するための生活費で、非親権者(非監護権者)が親権者(監護権者)に支払います。
養育費の金額は、裁判所が定める「養育費算定表」を参考に、養育費を払う側、受け取る側の収入、子供の人数、年齢などの事情を考慮して決められます。

通常「借金がある」というだけでは養育費の支払いは免除されず、自己破産しても未払養育費は「非免責債権」のため、免責されません。
しかし、養育費を支払う側が生活も成り立たないような場合では「養育費減額調停」を申し立てられる可能性があります。

養育費については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

養育費の請求は弁護士にお任せください

離婚後の元配偶者の借金の返済義務

元配偶者の借金について、離婚後の他方配偶者に返済義務は基本的にはありませんが、以下のような場合には返済義務が生じます。

  • 夫婦の生活のための借金
  • 連帯保証人や連帯債務者になっている場合

次項ではそれぞれについて解説していきます。

夫婦の生活のための借金

配偶者が借金をした理由が、以下の夫婦の生活のための費用である「日常家事債務」の場合には、配偶者のみならずご自身にも連帯責任があるとして、返済義務が生じます。

  • 電気水道光熱費などの公共料金
  • 携帯電話・スマートフォンなどの通信費
  • 家賃
  • 生活必需品などの購入費用
  • 家族の医療費
  • 子供の教育ローン

反対に、一方配偶者の趣味のための高額な支出などは、日常家事債務とはいえないでしょう。

連帯保証人や連帯債務者になっている場合

例えば住宅ローンの保証人になっている場合は、配偶者がローンを支払えなくなれば、連帯保証人であるご自身に返済義務が生じます。
一度保証人になってしまうと、離婚したからといって保証から外れることはできません。

連帯保証人から外れる方法

離婚を機に「連帯保証人から外れたい」と思うのは当然の気持ちでしょう。しかし、連帯保証人を外れることは容易ではありません。
主な手段は以下のとおりです。

①連帯保証人の差し替え
一般的に銀行などの金融機関は、夫(妻)だけの収入では不安があるため、収入のある妻(夫)を連帯保証人としています。
妻(夫)が連帯保証人を外れるには妻(夫)と同じかそれ以上に信頼できる別の人を連帯保証人にする必要があります。
②住宅ローンの借り換え
夫(妻)が別の金融機関でローンを組み直すことにより、現在のローンを完済します。
そして、別の金融機関で夫(妻)単独でローンを組む際、妻(夫)が連帯保証人にならなければ、現在の住宅ローンを完済した時点で連帯保証人から外れることができます。

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離婚時の借金に関するよくある質問

離婚時の借金についてよくある質問にお答えしていきます。

借金を繰り返す相手と離婚することはできますか?

借金を繰り返す相手と離婚したいという気持ちは当然のことだと思います。
離婚には、以下の3つの方法があります。

  • 協議離婚
  • 離婚調停
  • 離婚裁判

このうち、①②は話し合いです。①の協議離婚では夫婦で離婚について話し合い、合意ができれば離婚することができます。まずは、なぜ離婚したいのかをきちんと相手方に伝えてみてはいかがでしょうか?
①協議離婚ができない場合、②の離婚調停へと移行します。離婚調停では調停委員を間に入れ、自分の気持ちや相手の気持ちなどを冷静に判断することができます。
調停が不成立の場合は裁判に移行しますが、裁判では「法定離婚事由」がなければ離婚を認めてもらう事は難しいでしょう。

借金のほかにDVや不貞行為、また借金により生活が成り立たないなどの事情がある場合は、離婚が認められることもあるでしょう。
一度弁護士にご相談ください。

偽装離婚で借金を免れることは違法になりますか?

偽装離婚とは、実施的な夫婦関係を終了させる意図はないのに、離婚届を出して、法律上の夫婦関係を終了させることをいいます。借金を負った夫婦の中には、離婚時の財産分与を利用し、財産を債務者でない配偶者に移して、自己破産したり、強制執行を免れたり、借金逃れのために偽装離婚を考える方もいらっしゃるようです。

しかし、偽装離婚で借金を免れようとすると、次のようなリスクがあります。

  • 債権者から詐害行為として財産分与を取り消される
  • 自己破産申立てをしても免責が認められない
  • 詐欺破産罪などの破産犯罪に問われる
  • 強制執行妨害罪などに問われる

死後離婚した場合の借金の返済義務はどうなりますか?

死後離婚したとしても、夫に生前借金があった場合は、夫の借金も相続してしまいます。
そのため、借金を相続したくない場合は「相続放棄」という手続きが必要となります。

相続放棄とは、亡くなった方の財産について相続を放棄することです。
亡くなった方が多額の借金を抱えていた場合には相続放棄が有効ですが、ミスなく手続きを済ませるためには相続に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

離婚の際に借金があった場合などは弁護士にご相談ください

「借金があるから離婚したい」という方もいれば、「離婚の際に借金が発覚した」といった方もいらっしゃることでしょう。離婚はただでさえ体力や気力をつかうことなのに、借金問題まで抱え込むことになるとご自身の負担は大きくなってしまいます。

その負担は弁護士に相談し、減らしてしまいましょう。
弁護士ならば離婚によりあなたに起こっている問題を、専門知識を使って的確に分析し、借金問題についても適切なアドバイスをしていきます。
また、借金が理由の離婚でもしっかりと慰謝料や養育費を獲得できるよう法的な観点から主張していきます。

私たち弁護士法人ALGは離婚問題や夫婦問題に詳しい弁護士が多数在籍しています。
離婚の借金問題は私たちにご相談ください。

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弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。