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子供の認知とは?必要なケースや効果・手続き・戸籍などを解説

子供の認知とは?必要なケースや効果・手続き・戸籍などを解説

婚姻関係にない男女の間に生まれた子供は、父親が認知することではじめて、法律上の父子関係が成立します。

認知は、子供の養育費を請求するときに必要となる重要な手続きです。
ただし、子供にとってメリットだけでなくデメリットもあるので注意しましょう。

この記事では、認知の影響や手続き、期限、注意点などについて解説していきます。

養育費の請求は弁護士にお任せください

子供の認知とは?

子供の認知とは、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子供を、父親が自分の子供であると認めることです。

法的に婚姻関係を結んでいない男女の間に生まれた子供は非嫡出子(ひちゃくしゅつし)と呼ばれます。

非嫡出子は、出産の事実だけでは法律上の父子関係が生じません。

そのため、父親に対して養育費を請求する権利もなければ、父親が亡くなった場合の相続権もありません。

そこで、認知制度を利用し、非嫡出子と父親の間に法律上の父子関係を生じさせることが重要です。

認知が必要になるケース

  • 不倫関係にある男女間に子供ができた
  • 内縁関係にある男女間に子供ができた など

婚姻していない男女の間に生まれた子供は、出産の事実だけでは、父親との間に法律上の親子関係は成立しません。そのため、父親に対する認知請求が必要になります。

不倫で妊娠した場合は以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

「嫡出推定制度」について

嫡出推定とは、妻が婚姻中に出産した子供は嫡出子として扱う制度です。

生まれた子供の父が誰であるかを早く確定して子供の利益を図るために、民法772条により設けられています。

2024年4月1日施行の改正民法により、民法の規定は以下のように変更されました。

婚姻成立の日から200日以内に生まれた子供について

  • 改正前
    婚姻中に懐胎したことが推定されないため、嫡出推定もされない
  • 改正後
    婚姻成立後200日以内に生まれた子供は、婚姻前に懐胎したものと推定した上で(民法772条2項)、婚姻後に生まれたことをもって、婚姻中の夫の子と推定される(民法772条1項後段)

離婚成立後300日以内に生まれた子供について

  • 改正前
    前夫の子と推定される
  • 改正後
    ①再婚していなければ前夫の子供と推定される、②前夫と離婚後に後夫と再婚していれば後夫の子供と推定される、③再婚して離婚していれば、直近婚姻の夫の子と推定される(民法772条3項)

子供を認知しないとどうなる?

子供の認知が行われないと、母親にも父親にもデメリットが生じます。

母親のデメリット

  • 母親が父親に対して養育費を請求できない
  • 父親が亡くなっても、子供が遺された財産を相続できない
  • 父親が戸籍に記載されないなど、社会的なプレッシャーを受けるおそれがある

父親のデメリット

  • 親権を得られない
  • 子供から恨まれるおそれがある
  • 子供と親子交流(面会交流)する権利を得られない
  • 自分の介護などが必要なときになっても助けてもらえない

子供が認知されるとどうなる?

子供が父親によって認知されると、双方にとって、主に以下のような権利や義務が生じることになります。

  • 戸籍に記載される
  • 子供に相続権が発生する
  • 養育費を請求できる・支払い義務が生じる
  • 父親を親権者に定めることができる

戸籍に記載される

父親の戸籍

父親の戸籍に認知した事実が記載されます。
記載される内容は、認知日、認知した子の名前、認知した子の戸籍です。

父親が認知したからといって、子供が父親の戸籍に入るわけではありません。

母親・子供の戸籍

父親に認知されると、今まで「父親」の欄が空欄だったのが、父親の氏名が記載されるようになります。

また、身分事項欄には認知日、認知者氏名、認知者本籍地などが記載されます。

子供に相続権が発生する

認知することで、父子の間に法律上の親子関係が発生するため、子供は父親の相続権を得ることになります。

父親が亡くなれば子供は父親の相続人になりますし、子供が先に亡くなれば父親は直系尊属として子供の相続人となる可能性もあります。

父親に実子がいた場合、認知された子供は実子と同じ割合で遺産を受け取ることができます。たとえ父親に一度も会ったことがなくても相続分は実子とまったく同じです。

ただし、相続はプラスの財産だけ受け継ぐわけではありません。借金などのマイナス財産も受け継ぐことになるので注意しましょう。

借金などマイナスの財産があった場合は「相続放棄」を検討する必要もあります。

養育費を請求できる・支払い義務が生じる

父親が子供を認知することで、法律上の父子関係が成立し、父親は子供を扶養する義務を負います。

そのため、父親には養育費の支払い義務が発生し、母親は養育費を請求できるようになります。

養育費の金額や支払い期間は、父母の話し合いによって自由に取り決めることができます。

話し合いがまとまらない場合は、裁判所が公開している養育費算定表を用いて相場を求めると良いでしょう。

養育費の金額や支払い期間について、話し合いで合意できたら、取り決めた内容を公正証書に残しておくと安心です。

その際、「強制執行認諾文言付き公正証書」にすることで、養育費が未払いになった場合に、強制執行の申立てをすることで、相手の財産を差し押さえることが可能です。

養育費の相場については、以下のリンクで詳しく解説しています。ぜひご参考ください。

父親を親権者に定めることができる

非嫡出子は母親が単独で親権を持ちます。
父親が認知をしても、自動的には親権者になりません。

父母が合意した場合には、単独親権者を父親に変更することができます。
また、2026年4月の法改正により、共同親権も選べるようになりました。

父母の協議が整わない場合には、家庭裁判所に親権者変更調停を申し立てます。認知した父親が親権を獲得するためのポイントとして、次のようなものが挙げられます。

  • 子育てに積極的に関わっておく
    監護実績を積んでおきます。子育てに積極的に関与すれば子供との信頼関係が構築され、親権の獲得で有利に働きます。
  • 相手が親権者として適任でない証拠を確保する
    子供から、虐待や育児放棄などのSOSのサインを受け取った場合には日記や音声、動画に残しておきましょう。
  • 共同親権にする
    母親による虐待などがなければ、共同親権にすることを検討しましょう。

父親の親権獲得については、以下のリンク先で詳しく解説しています。

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子供を認知する3つの手続き

認知する方法には以下の種類があります。

  • 任意認知
  • 遺言認知
  • 強制認知

次項ではそれぞれについて解説していきます。

①任意認知:父親が自分の意思で子供を認知する方法

任意認知とは、父親が自らの意思で子供を認知することをいい、父親が市区町村役場に認知届を提出します。

任意認知には、以下の2つの方法があります。

  • 出生前に認知する方法
    出生前に認知する場合は、母親の許可が必要です。
    ただし、母親が他の男性と婚姻関係にある場合は、認知が認められないため注意が必要です。
  • 子供が出生してから認知する方法
    子供が出生してから認知する場合、母親の同意は不要です。
    しかし、子供が成人している場合は、子供の同意が必要です。

認知届の手続き

届出人認知する父親

届出先父親もしくは子の本籍地、または父の所在地の市区町村役場

必要書類

  • 認知届
  • 子が成人している場合には、子の承諾書
  • 認知届をする者(父親)の印鑑
  • 認知届をする者(父親)の身分証明書

②遺言認知:遺言で認知する方法

父親が生存中に認知できない事情がある場合には、遺言によっても認知することができます。

遺言認知をするときは、遺言書で遺言執行者を定めておく必要があります。

そして、遺言執行者が次のいずれかの市区町村役場に認知届を提出してはじめて遺言認知の効力が生じます。

  • 遺言者又は子供の本籍地
  • 遺言執行者の住所地

なお、子供が成人している場合は子供の承諾が必要です。遺言認知が行われると、認知された子供はその父親の相続権を取得することになります。

③強制認知:裁判所に申立てをして認知してもらう方法

強制認知とは、父親から任意に認知してもらえない場合に、裁判所によって認知を認めてもらう方法です。

父親の住所地を管轄する家庭裁判所に、まずは認知調停を申し立てます。

認知調停が不成立に終わった場合は、主張を裏付ける証拠書類を添えて、認知の訴えを提起します。

裁判では、裁判官が双方の主張や証拠に基づいて、認知するかどうかを判断します。

子供の認知はいつまでできる?

認知の請求には、基本的に期限がありません。
ただし、まだ生まれていない胎児の認知は、母親の同意が必要です。

また、子供が成人した後の認知は、子供本人の承諾がないとできません。

なお、子供から認知を請求する場合には、父親が死亡した日から3年以内に認知請求しなければなりません。父親の死後の認知であっても、相続する権利が生じます。

相続手続きが終わっていても、金銭の分配を受けられます。

子供の認知に関する注意点やポイント

子供を認知するときには、いくつかの点に注意する必要があります。

主な注意点は以下のとおりです。

  • 認知は基本的に取り消すことができない
  • 父親の配偶者から不倫慰謝料を請求される可能性がある
  • 認知の手続きは弁護士に相談する

認知は基本的に取り消すことができない

子供の認知は取り消すことができません。

一度生じた法律上の父子関係が、父親の意思のみで取り消すことができると、子供の身分関係は非常に不安定なものとなるため、子供の幸せを守るために取り消しは禁じられています。

しかし、以下のような例外的な場合には、認知を無効にできるケースもあります。

  • 認知した子供が実の子供ではなかった
  • 子供または母親の承諾なく認知がなされた

これらのケースでは、認知の無効の訴え(民法786条1項)を提起することにより、認知の無効を求めることができます。

認知の無効を求めるには母親の居住地を管轄する家庭裁判所、あるいは父親と母親の合意によって定められた家庭裁判所に対して、申立てが必要です。

父親の配偶者から不倫慰謝料を請求される可能性がある

非嫡出子の誕生が、父親との不倫関係の結果であった場合には、認知によって父親の配偶者から慰謝料を請求されるおそれがあります。

子供を認知した父親の戸籍には、認知したという事実が記載されます。
そのため、父親の配偶者に、自分が不倫相手だと知られるリスクは高いです。

父親が未婚だと偽っていた場合には、騙されていたと証明できれば、慰謝料請求は認められない可能性が高いです。

騙されていたと気づいた時点で、メールやLINEのやり取りなどは保存しておくようにしましょう。

認知の手続きは弁護士に相談する

認知の手続きでは、事前に弁護士へ相談しておくことをおすすめします。

認知は子供の人生に大きな影響を与える重要な手続きであり、一度行うと取り消すのは困難なので、確実に成功させなければなりません。

手続きも複雑なため、弁護士に相談をしておくと安心できるでしょう。

弁護士に依頼するメリットとして、父親に強いプレッシャーをかけられることが挙げられます。多くの場合、弁護士が現れた時点で認知するしかないと覚悟してくれます。

父親が逃げてしまう懸念を抱いているようなケースでは、なるべく早く弁護士に依頼して、対応を検討することが重要です。

離婚問題を弁護士に依頼するメリット

子供の認知に関する弁護士法人ALGの解決事例

弁護士法人ALGによる、子供の認知に関する解決事例をご紹介します。

なお、これは法改正の前の事例です。

事案の概要

A(依頼者母)はC(外国人夫)と結婚しましたが、Cとの関係が悪化して別居し、日本に帰国していました。

日本でB(相手方)と交際を開始して妊娠が発覚したため、AはCとの離婚を成立させ、Bと婚姻した後、子である依頼者を出産しました。

しかし、改正前の民法によって依頼者はCの嫡出子とされてしまうため、Bへの認知請求について当事務所に依頼されました。

担当弁護士の活動

担当弁護士は認知訴訟を提起しました。訴訟では、Cが外国にいたことなどを主張・立証し、Bとの父子関係を証明しました。

結果

出入国記録により、AとCが別の国で生活していたことが立証できたため、認知を認める判決を得ることができました。

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※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。

子供の認知に関するQ&A

子供の認知でDNA鑑定は必要ですか?

DNA鑑定は、父親が認知を拒否する場合に、強制認知を求めるときに必要となります。

DNA鑑定による親子関係の証明は、調停や裁判で有力な証拠として扱われます。

状況証拠や、メールや陳述書といった他の証拠でも強制認知は認められる可能性があるので、DNA鑑定が必ず必要なわけではありません。

しかし、認知請求を受けた父親が正当な理由なくDNA鑑定を拒否すると裁判所の心証が悪くなる可能性があります。

なお、無断でDNAを採取する方法で鑑定すると、慰謝料などを請求されるおそれがあるため注意しましょう。

子供の認知はいつからできますか?

父親は、子供が生まれる前に、胎児であるときから認知することができます。

ただし、生まれていない子供を認知するためには、母親の承諾が必要です。これは、母親の気持ちや立場への配慮だと考えられます。

また、子供が成人してから認知するケースでは、子供自身の承諾が必要となります。子供に戸籍上の父親がいるケースについては、認知することができません。

認知後の養育費はいつから請求できますか?

養育費は、基本的に過去にさかのぼって請求できないとされています。

しかし、認知された子供の場合、生まれたときにさかのぼって養育費を請求できる可能性があります。

過去の裁判例ですが、母親が出産後すぐに認知の申し立てを行い、認知が認められた後速やかに養育費の請求を行った事案において、生まれたときからの養育費が認められたケースがあります。

出産後速やかに認知の申し立て、養育費の請求をすれば、生まれた時からの養育費が認められる可能性は高まります。

養育費は子供の権利でもあるため、あきらめずに請求しましょう。

不倫相手との子供を認知すると妻にバレますか?

認知をすると男性の戸籍にも認知をした事実が記載されます。何らかの機会に妻が戸籍を取得すれば、認知の事実が発覚してしまうでしょう。

認知した子供の母親である不倫相手の氏名や本籍地も記載されるため、妻から慰謝料を請求されてしまうおそれもあります。

母親側に認知の請求を放棄してもらうことはできますか?

子供の認知請求権は、母親には放棄できません。

認知してもらうことは、子供の人生に大きく関わる大切な権利であるため、親であっても放棄する権利はありません。

例えば、合意書に認知請求権を放棄する旨を記載してサインなどを行い、父親と母親が認知請求権を放棄したとしても、法律上は無効です。

そのため、子供が父親に対して認知請求を行うことができます。

合意書を作成したときに示談金を受け取るなどしていても、子供が請求権を放棄したとは認められない点に注意しましょう。

子供の認知で不安なことがあればお気軽に弁護士にご相談ください。

父親に認知してもらうことは、子供の健やかな成長に大切ですが、父親が任意で認知してくれるとは限りません。

その場合に強制的に認知させるには裁判上の手続きが必要です。

認知で揉めてしまうと精神的、経済的にも負担が大きくなってしまうため、子供の認知については弁護士にご相談ください。

弁護士であれば相手方とのやり取りや家庭裁判所の手続きについて代理できるため、負担が軽くなるでしょう。

また、相手が認知してくれない、自分の子ではないと無効を主張してきた際、ご自身で対処するのは至難の業です。

弁護士に依頼することで、法的に主張・立証できます。
子供の認知にお困りの方は私たち弁護士法人ALGにご相談ください。

 

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弁護士法人ALG 弁護士 谷川 聖治
監修 :福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

福岡県弁護士会所属。私たちは、弁護士131名、スタッフ240名を擁し(※2026年4月1日時点)、東京、札幌、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、大阪、神戸、姫路、広島、福岡、タイの国内外13拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。