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妊娠中だけど離婚…?子供の親権・養育費・慰謝料などはどうなる?

妊娠中だけど離婚?子供の親権・養育費・慰謝料

妊娠中はホルモンバランスが乱れ不安定になってしまい夫婦関係がうまくいかなくなることや、妊娠中に夫に浮気されたりなどで、「離婚したい」と思う方もいらっしゃると思います。

妊娠中だからといって、離婚が制限されることはありません。しかし、妊娠中の離婚では、子供が離婚後300日以内に産まれたのか、それともそれ以降に産まれたかで、戸籍や親権、養育費について変わってきます。

この記事では、妊娠中の離婚に着目し、様々な疑問に解説していきます。

妊娠中でも離婚はできる?

妊娠中だからといって離婚が制限されることはありません。しかし、妊娠中に離婚することはリスクもあるため、慎重に判断すべきでしょう。

【妊娠中に離婚をするリスク】

  • 調停や裁判に発展した場合、身体的・精神的に大きな負担となる

    夫婦の話し合いで離婚ができない場合は、調停や裁判に移行します。離婚の話が長引くことや、調停に移行し、家庭裁判所まで出向くことは、妊娠をしながらでは大きなストレスとなってしまう可能性が高まります。

  • 経済的に困窮してしまうおそれがある

    離婚後は1人で収入を得て、子供を育てていかなければなりません。子供を育てていくには子供1人につき1000万円を超えると言われています。また、子供を養育していく費用だけでなく、生活していくお金も必要です。

  • 離婚後の仕事探しと子供の預け先を見つけるのが難しい

    子供が生まれた時に、実家などを頼れるといいのですが、中には、頼る先がなく、保育園に預けて仕事をしようと考えている方もいらっしゃることでしょう。しかし、乳幼児はとくに0歳児の受け入れ人数は少なく、保育園が定員となってしまうことも考えられます。そのようなリスクを考えて早めに預け先の確保をし、仕事を探しましょう。

妊娠中に離婚したいと考える理由・原因とは?

妊娠中に離婚したいと考える理由として、以下のようなことが考えられます。

【ホルモンバランスの変化】

妊娠中はホルモンバランスが不安定になり、またこれから出産をするという不安もあり、精神的にふらついてしまう方も多いのです。夫のささいな一言にイライラしてしまう、無性に悲しくなってしまうといった症状が出てしまい、夫婦関係が冷えてしまうことから離婚に至るケースもあります。

【セックスレスで夫が浮気】

妊娠中はお腹に赤ちゃんがいることから、女性でも、男性でもセックスをすることが怖くなりセックスレスとなってしまう夫婦もいることでしょう。妊娠中の夫の浮気率は高く、実際にも、妊娠中の浮気で離婚したいという相談は多数あります。

【夫婦のすれ違い】

男性は妊娠することが無いので、妊娠中の女性が大変だということを身をもって実感することができません。妊娠中の女性はつわりがあったり、身体が重かったりして大変です。しかし、体調がすぐれず休んでいても「家事をサボっている」と思われるなど、夫が何も手助けをしてくれず夫に嫌気がさしてしまうこともあるでしょう。

妊娠中に離婚すると子供の戸籍はどうなる?

妊娠中に離婚すると、子供が離婚してから300日以内に産まれたかどうかで対応が変わります。以下では離婚後300日以内に産まれた場合とそうでない場合に分けて解説していきます。

①離婚後300日以内に出産した場合

この場合は、元夫の子供として推定されるとして(嫡出推定)結婚している夫婦同様に「嫡出子」として元夫の戸籍に記載されます。その後母親は、子供を自分の戸籍に移して母親の氏を名乗らせることができます。妊娠中の離婚では基本的にこのケースとなります。

②離婚後300日経過後に出産した場合

離婚から300日を経過して産まれた子供は「非嫡出子」として母親の戸籍に入ります。「非嫡出子」とは婚姻関係のない男女の間に産まれた子供のことをいいます。

子供を自分の戸籍に入れたい場合

子供を自分の戸籍に入れたい場合には以下のような手続きをします。

①離婚後役所で自分が筆頭者となる新しい戸籍を作る

②家庭裁判所に「子の氏の変更許可審判申立」を行う

【必要書類】

  • 申立書
  • 子供1人につき収入印紙800円、82円切手
  • 子供の戸籍謄本
  • これから入籍しようとする親の戸籍謄本
  • 印鑑

③市区町村へ「入籍届」を提出

【必要書類】

  • 子供1人につき入籍届1枚
  • 家庭裁判所が発行する「子の氏の変更許可審判申立」
  • 戸籍謄本(本籍地の場合は省略可)
  • 印鑑

妊娠中に離婚したら親権はどちらが持つのか?

妊娠中に離婚した場合、原則として産まれてくる子供の親権は母親となります。ただし、離婚後300日以内に産まれた場合には、協議や調停で双方が合意すれば父親を親権者とすることも可能です。

しかし、子供の年齢が小さいうちは「母性優先の原則」によって、母親に親権が認められやすくなるでしょう。

離婚の親権については以下のリンクでも詳しく解説しています。ご参考ください。

親権の獲得をしたい方は弁護士へご相談ください

生まれた子供との面会交流は必要?

面会交流とは、子供と離れて暮らしている方の親とその子供が直接会って親子の交流をする権利です。なお、面会交流権というのは親の権利であるだけでなく、子供の権利でもあります。

そもため、親権者でなくても子供に会う権利が保障されており、子供と面会させたくないと思っても、正当な理由なく拒否することはできません

ただし、面会交流が認められない例として以下のようなものが挙げられます。

  • 子供が自分の意見をしっかりと述べられる年齢で、面会交流を拒否している場合
  • 子供に虐待をする恐れがある場合
  • 子供に精神的負担が生じる場合

面会交流については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

子供のための面会交流を実現したい方へ

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妊娠中の離婚で請求できるお金

妊娠中の離婚でも養育費や慰謝料を請求することや、財産分与をすることができます。経済面でも困らないように請求できるものは確実に請求しましょう。以降では請求できる項目について解説していきます。

妊娠中に離婚しても養育費をもらえる?

子供が離婚後300日以内に産まれた場合は、元夫との子供と推定されるため、元夫に子供に対し扶養義務が発生します。そのため、養育費を請求することが可能です。

しかし、離婚後300日以降に産まれた場合は、元夫との子供と推定されず、実際に親子でも法的には子供は元夫の戸籍に入らないため、親子として認められないことになります。そのため、元夫には扶養義務は発生しないことになり、養育費は請求できません。

このケースで子供が元夫の子供であると仮定した場合に、養育費を請求するには元夫に認知してもらう必要があります。元夫が認知をすれば、「認知届」を提出し、法律的に父子関係を成立させることができます。しかし、元夫が認知しない場合には、調停や裁判によって認知を請求します。

離婚の養育費については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

養育費の請求は弁護士にお任せください

慰謝料を請求できるケースとは?

単に、妊娠中に離婚したというだけでは慰謝料は発生しません。慰謝料が発生するケースとして、不貞行為(浮気・不倫)やDV、モラハラなどが挙げられます。

このようなケースにおいて、相手方に慰謝料請求し、請求した金額に相手が応じればその金額をそのまま受け取れるでしょう。

しかし、慰謝料の金額で揉めてしまう場合は裁判所に判断してもらう事になります。どのくらいの慰謝料が認められるかは、個々の事情によります。目安として、一般的な慰謝料の相場が参考になるでしょう。

離婚の慰謝料については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

離婚慰謝料のお悩みは弁護士法人ALGへご相談ください

財産分与をすることも可能

妊娠中の離婚であっても財産分与することが可能です。財産分与とは、婚姻機期間中に夫婦が築いてきた財産を、離婚時に原則として2分の1ずつ分け合うことです。

離婚時に妊娠していても財産分与を受けられることに変わりはないで、忘れないようにしましょう。

離婚の財産分与については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

財産分与の交渉・早期解決は弁護士にお任せください

離婚後の生活費について

離婚後の生活で1番心配なことはやはり生活費ではないでしょうか?

離婚前の別居段階であれば婚姻費用として配偶者から生活費を請求できますが、離婚が成立すると婚姻費用は請求できません。そのため、なるべく財産分与や養育費で生活費を補填する必要があります。以降では公的支援も紹介していきますので、利用を検討してみましょう。

婚姻費用については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

出産費用を元夫に請求できるか?

出産費用を元夫に請求できるかについては、出産費用をいつ請求するかによって変わってきます。

夫婦間にはお互いを扶養する義務があります。この扶養義務を根拠に、離婚前の婚姻期間中であれば、妊娠中の通院費や入院費なども婚姻費用として請求できます。

しかし、離婚が成立すると婚姻費用の分担義務がなくなってしまうので、出産費用を元夫に請求するのは難しいでしょう。もっとも、相手が任意に出産費用を払ってくれる可能性もありますので、まずは一度請求してみるのも良いかもしれません。

シングルマザーが受けられる公的支援

シングルマザーが受けられる公的支援は以下のようなものがあります。

【児童扶養手当】

国が支給を行っている制度で、母子家庭及び父子家庭を対象としています。母子家庭や父子家庭になった原因は離婚でも死別でも理由は問われません。

  • 支給対象者…0~18歳に達して最初の3月31日までの間の年齢の子供
  • 支給金額…扶養人数や所得によって支給金額が異なります。支給区分は、「全額支給」「一部支給」「不支給」の3区分に分けられています。

【ひとり親の医療費助成制度】

母子(父子)家庭を対象に、世帯の保護者や子供が病院で診察を受けた際の自己負担分を居住する市区町村が助成する制度です。

  • 支給対象者…母子(父子)家庭で、0~18歳に到達して3月31日までの年齢の子供
  • 支給金額…保険医療費の自己負担額の一部を市区町村が負担してくれます。

【生活保護】

何らかの理由で困っている人に対し、国が必要な保護をして最低限度の生活を保障しながら、本人が自立することを目的とした制度です。

  • 支給対象者…生活保護を受けるには4つの条件があります。
    • 援助してくれる身内や肉親がいない
    • 資産を一切持っていない
    • やむを得ない理由で働けない
    • 月の収入が月の最低生活費を下回り、上記1~3を満たしている
  • 支給金額…厚生労働省が定めた計算式があります。

その他にも市区町村ごとに母子(父子)家庭が受けられる制度があります。ホームページなどで調べておきましょう。

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妊娠中に離婚する方法と流れ

妊娠中に離婚する方法と流れについて以下にまとめます。

まずは、話し合いによる離婚を目指すべきであり、離婚のための協議を行います。協議により離婚条件がまとまるのであれば、役所に離婚届を提出し離婚が成立します。

ただし、妊娠中に離婚協議がこじれると長期化することが多く、肉体的にも精神的にもつらいと思いますので、離婚協議が長引きそうであれば、実家など身を寄せることができる親族の家で別居するのが望ましいでしょう。

協議離婚ができそうでなければ、離婚調停を行い、調停の中で離婚を目指すことになります。

離婚の手続きについては以下のリンクでも詳しく解説しています。ご参考ください。

妊娠中の離婚に関するQ&A

妊娠中に夫から離婚したいと言われました。夫に慰謝料を請求できますか?

妊娠中であっても、ただ「離婚したい」と言われたことに対する慰謝料の請求は難しいでしょう。しかし、もし夫が不倫・DVなどの不貞行為があり、離婚を切り出された場合は慰謝料を請求できます

その場合には証拠が何より大事となります。不倫であれば、メールや写真、動画、浮気の自白の録音などが証拠になります。DVであれば、怪我の写真やDVのあった記録、診断書が有効でしょう。

不倫の慰謝料については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

現在2人目を妊娠中です。子供ごとに親権者を分けることはできますか?

父母が合意できていれば、兄弟姉妹をそれぞれ別の親権者に定めることは可能です。

しかし、裁判所の考えでは「兄弟(姉妹)不分離の原則」により、兄弟(姉妹)は離さず一緒に育てる方が子供にとって利益があり好ましいと考えています。兄弟(姉妹)で同じ環境で感情を共有し、喧嘩をしたり、仲直りしたりすることで社会性も育まれることでしょう。

そのため、一般的には子の利益を守るためには、「兄弟(姉妹)不分離の原則」が適用されることが多いでしょう。

離婚の親権については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

中絶を理由に離婚する場合、夫への慰謝料請求は可能ですか?

以下のような理由がある場合は夫へ慰謝料を請求できます。

  • 中絶を強要した場合
  • 避妊していると嘘をついた場合
  • 強姦された場合
  • 中絶の際に夫の協力がなかった場合

このような事情が合った場合の慰謝料の相場は100~200万円程度でしょう。その他にも不貞行為やDVがあり、証拠がある場合は慰謝料が増額される可能性もあります。

しかし、上記のような理由がなく、夫婦が合意の上で性交渉を行い妊娠した場合の中絶では、双方に責任があると言えるので不法行為になりません。そのため、慰謝料は発生しないと考えられます。

妊娠中の離婚は弁護士にご相談ください。あなたとお子様の未来のためにサポートします。

妊娠中に離婚をしたいと考えても、子供のこと、これからの生活のことを考えるとためらってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。離婚は体力や気力がいることで、妊娠されている体に余計な負担をかけてしまいます。離婚で迷われている方は一度弁護士に相談してみることはいかがでしょうか。

また、妊娠中でも離婚したいと強く思っている方は弁護士が相手との交渉や慰謝料や養育費、財産分与まで代理で手続きすることができ、妊婦である相談者様の負担を軽減することができます

配偶者が離婚を渋り、調停や裁判に移行する場合でも、弁護士はあなたの1番の味方です。離婚後もお子様と明るい人生を歩んでいけるよう、私たち弁護士法人ALGがお手伝いさせていただきます。

離婚問題を弁護士に依頼するメリット
 

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弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。