熟年離婚の末路は悲惨?その後の生活で後悔しないための7つのポイント
長い結婚生活の中ですれ違いや問題が生じて、離婚を選択される夫婦も少なくありません。
一般的に結婚生活20年以上の夫婦が離婚することを熟年離婚と呼びますが、離婚前の準備が不十分なままだと悲惨な末路をたどりかねないため注意が必要です。
この記事では“熟年離婚”に着目して、なぜ熟年離婚の末路が悲惨と言われるのか、熟年離婚を悲惨な結果にしないためにはどうすればよいのかを解説していきます。
「長年連れ添った配偶者と離婚したいけど・・・」とお悩みの方の参考になれば幸いです。
目次
熟年離婚の末路が悲惨と言われる理由
熟年離婚の末路が悲惨と言われる理由として、経済的な問題をはじめとした次のようなデメリットがあることが挙げられます。
- 経済的に困窮してしまう
- 一人暮らしを寂しいと感じる
- 将来介護する人がいなくなる
- 家事の分担ができなくなる
経済的に困窮してしまう
熟年離婚した後、経済的な困窮を理由に離婚を後悔するケースが少なくありません。
熟年離婚を検討されている方の中には「年金分割してもらえば離婚しても安定した老後が送れる」と思われている方も多いかと思いますが、実際は年金分割や自分の年金だけでは生活できないことがほとんどです。
とくに、妻が長年働いておらず専業主婦だったケースでは、離婚後の生活費の目途が立たないことも多く、離婚後や老後の生活の見通しがあまいと、夫婦そろって“離婚貧乏”になるおそれもあるので注意しなければなりません。
一人暮らしを寂しいと感じる
熟年離婚後、一人暮らしになることで孤独感にさいなまれ、離婚を後悔される方もいます。
熟年離婚では子どもが独立していると、離婚後は一人暮らしになるケースが多いです。
離婚直後は「自由になれてうれしい」と思っていても、家に話し相手がいない状況は思いのほか寂しいものです。
とくに熟年世代の男性の場合、定年を迎えて社会的なつながりが薄れていたり、これまでは妻が担っていた家事や日常生活の管理を自分で行わなければならなかったりして、孤独感や喪失感から離婚を後悔することが少なくありません。
将来介護する人がいなくなる
熟年離婚をすると、本来であれば介護や看護をしてくれるはずの配偶者がいなくなるため、将来の介護にまつわる不安を抱えやすくなります。
結婚していれば夫婦で老後の介護や看護ができますが、離婚後は配偶者に代わって介護や看護をしてくれる人を自分で探したり、子どもに頼ったりしなければなりません。
子どもに迷惑をかけたくない・頼れる親族が近くにいない場合には、デイサービスや老人ホームを利用するという方法もありますが、そのための費用をどう工面するかも考えておく必要があります。
家事の分担ができなくなる
熟年離婚によって家事の分担ができず、お互いに負担が大きくなることも、離婚を後悔する理由のひとつです。
妻に家事を任せきりにしていた男性にあてはまりますが、離婚後の慣れない家事や日常生活の管理に困って離婚を後悔するケースがあります。
一方で、長年専業主婦だった女性の場合は、離婚後に仕事をはじめることによって思うように家事がこなせなくなり、生活の質が落ちてしまう可能性もあります。
熟年離婚で得られるメリットもある
熟年離婚のデメリットによって悲惨な末路をたどる人もいれば、熟年離婚のメリットにより自分の人生を謳歌している人もいます。
以下、熟年離婚で得られるメリットをいくつか紹介します。
- 自分のやりたいこと、好きなことに費やせる自由な時間が手に入る
- 新たな恋愛ができる
- 長年の我慢やストレスから解放される
- 相手や義理の親の世話・介護をしなくて済む
- 折り合いの悪い相手の親族との関係を断ち切れる
熟年離婚のメリット・デメリットについては、以下ページもご参考ください。
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熟年離婚を悲惨な結果にしないための7つのポイント
熟年離婚を悲惨な結果にしないための7つのポイントを紹介します。
- 財産分与・慰謝料は最大限受け取る
- 年金分割で将来の受け取り金額を増やす
- 離婚前から仕事を見つけておく
- 離婚後の生活の見通しを立てておく
- 出会いや趣味、目標を見つける
- 健康を維持する
- 介護や看護などのことを考えておく
これらは、熟年離婚を考えている女性にも男性にも知っておいてほしい重要なポイントなので、次項で詳しくみていきましょう。
①財産分与・慰謝料は最大限受け取る
熟年離婚後や老後の経済的な不安を減らすためにも、財産分与や慰謝料は最大限受け取りましょう。
財産分与で注意すべきこと
熟年離婚は結婚生活が長い分、財産分与の対象範囲で揉めることがあります。
そのため、離婚を切り出す前に、財産分与の対象となる夫婦の共有財産を洗い出すことが重要です。
相手が財産を隠す・処分するおそれがある場合は早めに弁護士へ相談しましょう。
慰謝料で注意すべきこと
相手の不貞行為やDV・モラハラといった有責行為が原因で熟年離婚する場合は、慰謝料を請求することができます。
離婚を切り出す前に、相手の有責行為を客観的に証明できる証拠をいくつか集めておきましょう。
財産分与や慰謝料がいくらくらいになるのか、相手とどのように交渉すればよいのか、不安や疑問がある場合は早めに弁護士へ相談してみましょう。
以下ページでは、熟年離婚の慰謝料について請求できるケースや相場について解説していますので、ぜひ参考になさってください。
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②年金分割で将来の受け取り金額を増やす
熟年離婚後に安定した老後を送るためにも、年金分割を忘れずに行って将来の受取金額を増やしましょう。
年金分割とは、夫婦が婚姻期間中に納めた厚生年金や共済年金の記録を離婚時に分け合う制度です。
専業主婦の方や、配偶者より収入が低い方は、年金分割の手続きを行うことで将来受け取る年金額を増やすことができます。忘れないようにしましょう。
年金分割の仕組みや手続きの流れについては、以下ページをご参考ください。
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③離婚前から仕事を見つけておく
離婚する前から仕事を見つけておき、離婚後や老後の経済的な不安を解消しておくことも重要です。
財産分与や年金分割について事前に調べておくことも大切ですが、それと同時に自分で収入を得て生活を安定させることも考えておく必要があります。
熟年離婚の場合、新たに仕事を見つけることが難しいケースも多いので、できる限り離婚する前に仕事に就いておくことをおすすめします。
④離婚後の生活の見通しを立てておく
事前に離婚後の生活の見通しを立てておくことも大切です。
離婚後の生活費は月いくら必要か、年金分割でいくら受け取れるのか計算してみましょう。
熟年離婚における老後の生活費シミュレーション
老後の生活費としてひと月あたり約15万円程度が必要と考えられています。
年金分割で受け取る金額は、配偶者が一般的な会社員のケースでひと月3~5万円程度なので、自身の年金と合わせても生活費は不足する可能性が高いです。
※1世帯あたり1ヶ月間の平均支出(2024年総務省統計局の家計調査より)
| 65歳以上の単身世帯(男女) | 15万4601円 |
|---|---|
| 65歳以上の単身世帯(男性) | 15万1946円 |
| 65歳以上の単身世帯(女性) | 15万5923円 |
財産分与・年金分割・自分の収入では生活していけない場合は、離婚以外の選択肢も検討する必要があります。
⑤出会いや趣味、目標を見つける
熟年離婚後は孤独を感じることも多いので、新しい出会いや趣味、目標を見つけることも大切です。
望んで離婚したとしても、離婚後はどうしても寂しさや孤独を感じてしまいます。
そのため、離婚後の人生をどう送るのかにも目を向け、これまでの趣味や交友関係を充実させるのはもちろん、新たな出会いや趣味、生きがいや目標を見つけるのもおすすめです。
⑥健康を維持する
熟年離婚の末路を悲惨なものにしないためにも、健康を維持しましょう。
離婚をして自由な時間が手に入っても、健康でなければ楽しむことができません。
体調を崩せばその分医療費がかかりますし、看護や介護で費用がかさむことになります。
そうならないためにも、日ごろから健康管理をしっかり行い、体調に異常を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。
⑦介護や看護などのことを考えておく
離婚後に病気やケガをした場合は誰に看護を頼めるのか、老後はデイサービスや老人ホームを利用するのかといったことを、事前に考えておく必要があります。
熟年離婚の場合、孤独死となるケースも珍しいことではないので、介護や看護のことを考えるのは当然ながら、日ごろから家族とこまめに連絡を取り合ったり、知人や地域と交流を図ったりして、社会とのつながりを持つことも重要になります。
熟年離婚のその後に後悔しないためにも弁護士法人ALGへご相談ください
熟年離婚では、経済的な自立ができれば後悔せずに、離婚後に自由な人生を送っている方も多くいらっしゃいます。
その一方で、経済面・生活面で問題を抱えてしまい、熟年離婚したことを後悔している方も少なくありません。
弁護士であれば、熟年離婚後に後悔しないために、事前に考えておくべきこと・準備すべきことのアドバイスや、相手の財産の調査や相手との交渉をサポートすることができます。
また、熟年離婚以外の選択肢がないか一緒に検討してアドバイスすることも可能です。
熟年離婚すべきか悩まれている方にとって、最善の選択ができるように尽力いたします。
まずはお気軽に、私たち弁護士法人ALGまでご相談ください。
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保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)






















