ニューズレター


2016.Feb Vol.15

賃借人が急死したらどうすればいい?


不動産業界:2016.2.vol.15掲載

先生、私が経営しているアパートの賃借人が交通事故で突然亡くなってしまいました。今朝、連帯保証人から連絡があったんです。連帯保証人は、賃借人に親族はいないから、荷物は勝手に処分してくださいと言っています。
私が、賃借人の荷物を処分しても大丈夫でしょうか。


事情はわかりました。まず、賃借人が亡くなったからといって、勝手に賃借人の部屋の荷物を処分してはいけません。仮に、賃借人に相続人がいなかったとしても、賃借権及び賃借人の荷物等は「相続財産法人」という特殊な法人の所有物となります。
本件では、戸籍を調査し、相続人がいないことが確定したら、家庭裁判所に「相続財産管理人」の選任を申し立て、相続財産管理人と賃貸借契約及び荷物等の処理について話合う必要があります。勝手に、荷物等を処分すると窃盗罪や器物損壊罪が成立する可能性があるので気を付けてください。

さらに詳しく

賃借人が急死した場合、まず、戸籍を取得するなどして、賃借人の相続人の有無を確認する必要があります。賃借人に相続人がいる場合、賃借権及び荷物等は相続人に相続されます。そして、貸主と相続人との間で、賃借権及び荷物等の処理について協議することになります。

仮に、相続人がいない場合又は相続人全員が相続放棄をした場合には、特別な手続きを行う必要があります。

相続人がいない場合、又は相続人全員が相続放棄をして相続人がいなくなった場合、被相続人の遺産は、全て相続財産法人という特殊な法人の所有物となります。つまり、被相続人の遺産は、被相続人の物ではなく、「被相続人の財産を管理する法人の物」となります。

そして、利害関係人の申し立てがあった場合、家庭裁判所は、個別具体的事情を考慮の上、相続財産管理人を選任します。相続財産管理人が選任された場合、相続財産管理人は、相続財産法人が引き継いだ契約関係を処理し、また被相続人の債権者に対し、二ヶ月以上の期間を定めて、債権届け出の公告を行います。

その後、現金、預貯金、動産、不動産などのプラスの財産と借金などのマイナスの財産を調査し、プラスの財産をもってマイナスの財産を清算することとなります。

本件についてみると、相続財産管理人は、大家さんと相続財産法人との間の賃貸借契約を解約し、賃借人の荷物等を売却し、大家さんに部屋を明け渡すと考えられます。
かかる手続きを経て、部屋の明渡しが実現されることになります。

相続財産管理人の選任申立てや、相続財産管理人の手続きには手間や時間がかかります。そのため、相続財産管理人が部屋を明渡すまでの一定額の賃料が発生することが通常です。かかる賃料については、大家さんが回収できないことが多いです。もっとも、連帯保証人がいる場合であれば、賃貸人は連帯保証人に対して、部屋の明渡しまでに生じる損害を請求できる可能性があります。
よって、連帯保証人の居場所を把握しておくことも重要ですのでご留意いただければと思います。

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