物損事故でも念のため病院に行くべき?治療費の請求や示談のポイント

物損事故でも念のため病院に行くべき?治療費の請求や示談のポイント

物損事故とは物だけが被害を受け(物的損害)、誰も怪我を負っていない=人的損害がない交通事故を指します。

人的損害がない物損事故であれば、わざわざ病院に行く必要はないと考える方が多いでしょう。
ですが、物損事故だからといって適切な対応をしていないと、後々、ご自身にとって大きな不利益となってしまうおそれがあります。

本記事では、物損事故時の対応について着目し、詳しく解説していきます。

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物損事故でも念のために病院に行ったほうが良い?

物損事故でも後から痛みが出てくる場合もあり、念のため病院に行きましょう。
実際は事故により怪我をしているのに、事故直後は興奮状態のため、痛みやしびれの症状に気づけなかったが、しばらくしてから痛みやしびれが出てきたという人は多くいます。

しかし、事故後、時間がたってから病院を受診すると、事故との因果関係を疑われてしまい、治療費や慰謝料を支払ってもらえないおそれがあります。そのため、物損事故でもなるべく早めに病院を受診し、診察・検査を受けて、異常がないか確認してもらうようにしましょう。

特に以下のような場合は、事故後なるべく早めに病院へ行くことをおすすめします。

  • 事故による衝撃が大きかった場合
  • ひどい痛みがある場合
  • 乳幼児が事故にあった場合

上記のような場合、どうして病院を受診した方が良いのか、次項にて詳しく解説していきます。

事故による衝撃が大きかった場合

事故による衝撃が大きい場合、身体の内部にダメージを受けている可能性があります。
車の損傷が激しい場合、歩行中や自転車、バイクに乗車中に車にひかれた場合などには、一見して目立った怪我がなかったとしても、内臓の損傷や骨にひびが入っている場合もありますし、「むちうち」となって事故の数時間後から痛みが生じる場合もあります。
そのため、事故による衝撃が大きかった場合には、病院の受診を怠らないようにしましょう。

ひどい痛みがある場合

ひどい痛みがある場合は、当然ですがすぐに病院を受診するようにしてください。
事故による衝撃は一瞬のことで、思わぬ場所が怪我をしている場合があります。

常に痛みがあるわけではなく、歩くと足首に違和感がある上を向くと首に強い痛みがあるというように、動かしたときに初めて違和感や痛みを感じることもあります。
事故後は身体を動かしてみて、特定の動作でご自身の身体に違和感や痛みが生じていないかチェックするようにしましょう。

乳幼児が事故にあった場合

乳幼児は怪我を負っていても、それを言葉でうまく表現できないため、目立った傷のない場合は、怪我の有無を判断することが非常に難しいです。

そのため、乳幼児の様子をよく観察し、少しでも普段と異なる点があれば念のため病院を受診するようにしましょう。
乳幼児でも、むちうちや打撲などを受傷していることがありますので、少なくとも事故から1週間は乳幼児に異変がないか気にするようにしてください。

物損事故で念のため病院を受診した場合の治療費は請求できる?

物損事故でも、念のため病院に行った場合の診察費や検査費は、怪我の有無に関わらず請求できます。
また、怪我を負っていれば、治療費や慰謝料も請求できます。

ただし、物損事故だと保険会社に治療費や慰謝料を認めてもらえないケースも少なくありません。
そのため、治療費や慰謝料の請求をしっかり行うためにも、交通事故による怪我をしたと診断を受けたら診断書を発行してもらいましょう。
そして、診断書を警察署に提出し、物損事故から人身事故への切り替え手続きを行ってください。

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料金について、こちらもご確認ください。
  • ※諸経費20,000円( 税込22,000円 )がかかります。
  • ※死亡・後遺障害等級認定済みまたは認定が見込まれる場合
  • ※事案によっては対応できないこともあります。
  • ※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。
  • ※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

物損事故後の受診・示談のポイント

物損事故後の受診・示談には、いくつか重要なポイントがあります。
次項で重要なポイントについて解説していきますので、しっかりと押さえておきましょう。

加害者の保険会社に病院へ行くことを連絡する

物損事故の場合、加害者側の任意保険会社は被害者に怪我はないと思っています。
そのため、治療費を払ってもらうために、事前に加害者側の任意保険会社へ病院を受診する旨を伝えましょう。
病院を受診し事故による怪我だと診断されたら、診断結果の報告とあわせて今後の治療費の支払いについても加害者側の任意保険会社と打ち合わせを行うと、その後安心して通院することができます。

事故後すぐに病院へ行く

事故後すぐに病院へ行くことは、非常に重要なポイントの一つです。

事故から時間が経ってから病院を受診すると、怪我と事故との因果関係を疑われてしまうおそれがあります。因果関係の証明ができないと、加害者側の任意保険会社に治療費や慰謝料の支払いを認めてもらえない可能性が高くなります。

そのため、事故後2~3日以内には病院を受診するようにしてください。
また、受診する際は整骨院や接骨院ではなく、医師免許を持つ医師がいる病院(整形外科)を受診しましょう。医師免許を持つ医師でないと診断書の発行はできません。

人身事故への切り替えも考える

【物損事故】の扱いでも、事故による怪我だと証明できれば治療費や慰謝料を加害者側の任意保険会社へ請求することができます。
ですが、物損事故扱いのままでいると生じてしまうデメリットもあります。

具体的には以下のようなデメリットがありますので、人身事故へ切り替えておいて損はないでしょう。

●裁判になった場合に、事故状況を証明する有効な証拠がなくなる
事故状況を証明するもっとも有効な証拠として実況見分調書があります。
実況見分調書とは、事故の当事者や参考人立ち会いのもと警察官が行う現場検証の詳細を記したものです。
物損事故の場合は原則、実況見分調書が作成されませんので、過失割合が大きく争われているケースでは、話しあいがなかなかまとまらない場合があります。

●後遺障害等級認定で不利になる可能性がある
物損事故の扱いとなっていると、怪我がなかった、または軽かったと判断されてしまうおそれがあります。
そのため、後遺障害等級認定の審査においても不利に影響する可能性があります。

●治療費が途中で打ち切られる可能性がある
物損事故の場合、怪我が軽かったと判断され、相手方保険会社から治療費の支払いを早々に打ち切られる可能性があります。

交通事故で請求できる費目について詳しく知りたい方は、以下リンクをご覧ください。


人身事故への切り替え方法

物損事故から人身事故へ切り替える流れは以下のとおりです。

  • ①整形外科を受診して診断書を発行してもらう
  • ②事故処理を行った警察署の交通課を訪問し、診断書などの必要書類を警察署に提出して、人身事故への切り替え手続きを行う
  • ③物損事故から人身事故へ切り替えられるかどうかの判断は、警察がする

もし切り替えることができなかった場合は、人身事故証明書入手不能理由書を加害者側の任意保険会社へ提出することで、人身事故として扱われ、賠償金などを支払ってもらえる可能性があります。
※人身事故証明書入手不能理由書の用紙は、保険会社のHPなどから入手可能です。

そのため、切り替えることができなかったとしても、放置することだけはやめましょう。

示談書に条件をつける

示談後に、示談時に予期していなかった後遺障害などの新たな損害が発生した場合にそなえて、示談書に「ただし、将来、本件事故を原因とする後遺障害が新たに認定された場合は、その損害の支払いについては別途協議する。」というような留保事項(留保条項)を入れましょう。
示談後であっても、新たに発生した損害について加害者側の任意保険会社と協議できるようになります。
示談書に条件をつけることにより、より安心して示談することができるでしょう。

示談成立前に弁護士に相談・依頼する

一度示談してしまえば、後から何かあったとしても、原則、示談した内容を覆すことはできません。
適切な内容で示談するためには、示談成立前に今後の対応について弁護士に相談・依頼した方が良いでしょう。

示談成立前に弁護士に依頼することで、以下のようなメリットを得られます。

  • 適切な通院回数や通院方法のアドバイスを受けられる
  • 加害者側の任意保険会社との交渉を任せられる
  • 必要な手続きをすべて代わりに行ってもらえる など

【まとめ】物損事故でも念のために病院にいくことをおすすめします。分からないことは弁護士にご相談ください

物損事故だからといって気を抜くと、取り返しのつかなくなるおそれがあります。
加害者側の任意保険会社の言うことを鵜吞みにせず、慎重に進めていくことが重要です。
特に、以下のことに注意して慎重に進めていくと良いでしょう。

  • 物損事故でも念のため病院へ行くこと
  • 怪我がある場合は人身事故への切り替えも検討すること
  • 自己判断で治療を行うのではなく医師の指示に従うこと
  • 後遺症が残ってしまった場合は後遺障害等級認定の申請をすること
  • 怪我がない場合の示談は慎重に行うこと

とはいえ、交通事故に遭うことは決して多くありません。誰もが初めてのことで不安に感じるはずです。
自身の判断に困る場合やこの先どうすれば良いのか分からない方は、お気軽に弁護士へご相談ください。

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  • ※諸経費20,000円( 税込22,000円 )がかかります。
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  • ※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。
  • ※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。