弁護士依頼前
なし
交通事故でケガを負って、治療のために4ヶ月通院した場合、慰謝料はどのくらいもらえるのでしょうか?
4ヶ月(120日間)通院した場合の入通院慰謝料の相場は、むちうちなどの軽傷の場合は67万円、骨折など重傷の場合は90万円です。
この相場は、弁護士が弁護士基準で算定した金額で、相手方保険会社から提示される金額は、これより低額である可能性があります。
この記事では、4ヶ月通院した場合に加害者側に請求できる慰謝料について、慰謝料の相場と計算方法を中心に詳しく解説してきます。
適正な慰謝料を獲得するために、ぜひご参考ください。
弁護士依頼前
なし
弁護士依頼後
約290万円
適正な賠償額を獲得
弁護士依頼前
なし
弁護士依頼後
併合14級
認定をサポート
目次
交通事故慰謝料の算定方法には、次の3つの基準があります。
《交通事故慰謝料の算定基準》
自賠責基準 | 自賠責保険会社が算定に用いる基準 被害者救済を目的とした、最低限の補償基準 3つの基準の中で、最も低額になる |
---|---|
任意保険基準 | 任意保険会社が算定に用いる独自の基準 ※具体的な基準は非公開 |
弁護士基準 | 弁護士や裁判所が算定に用いる基準 過去の裁判例をもとに設定された、被害者が受け取るべき補償基準 3つの基準の中で、最も高額になる |
3つのうち、どの基準を用いるかによって慰謝料の相場に大きく差が生じます。
基本的に、自賠責基準≦任意保険基準<弁護士基準の順で、慰謝料が高額になります。交通事故慰謝料の算定基準について、以下ページもご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
交通事故の慰謝料のうち、入院・通院した場合に請求できる「入通院慰謝料」を例に、通院期間4ヶ月(120日)の相場を、自賠責基準と弁護士基準で比較してみましょう。
※具体的な計算方法については後述します
《通院期間4ヶ月(120日)の入通院慰謝料の相場》
通院日数 | 自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|---|
軽傷 | 重傷 | ||
20日 | 17万2000円 | 67万円 ※減額の可能性あり |
90万円 ※減額の可能性あり |
30日 | 25万8000円 | 67万円 ※減額の可能性あり |
90万円 ※減額の可能性あり |
40日 | 34万4000円 | 67万円 | 90万円 |
50日 | 43万円 | 67万円 | 90万円 |
60日 | 51万6000円 | 67万円 | 90万円 |
70日 | 51万6000円 | 67万円 | 90万円 |
80日 | 51万6000円 | 67万円 | 90万円 |
90日 | 51万6000円 | 67万円 | 90万円 |
100日 | 51万6000円 | 67万円 | 90万円 |
このように、基準ごとに相場額に差が生じるのは、基準ごとに慰謝料の対象期間の考え方が異なるのがひとつの要因です。
自賠責基準では対象期間を通院日数とするのに対し、弁護士基準では基本的に通院期間とするため、慰謝料額が大きく変わることになります。
なお、上記表は個別事情を考慮しておらず、あくまで目安としてご参考ください。
もう少し詳しく交通事故の慰謝料額をお知りになりたい方は、以下ページもご参照ください。
合わせて読みたい関連記事
自賠責基準では、次の2つの計算式のうち、金額が少ない方を採用します。
①慰謝料日額4300円×入通院期間(治療開始日~治療終了日または症状固定日までの期間)
②慰謝料日額4300円×実際の入通院日数(実際に病院にかかった日数)×2倍
このように、自賠責基準では1日当たりの慰謝料が4300円と、一律で定められています。 そのため、入通院期間や、実際の入通院日数が、直接的に慰謝料額に影響します。
任意保険基準は、保険会社ごとに独自の内部基準が設定されています。 公開されていませんが、一般的に自賠責基準と同等か、やや上回る低度だと考えられます。 保険会社は自社の利益を優先する傾向にあることから、弁護士基準よりも低額な基準となっています。
弁護士基準では、損害賠償額算定基準(赤い本)の算定表に基づいて、入通院期間(月数)に応じた慰謝料を算定します。
算定表には、他覚所見のないむちうちや打撲などの「軽傷用(別表Ⅱ)」と、骨折や腹部損傷などの「重傷用(別表Ⅰ)」の2種類があります。
それぞれの表から、入院期間(ヨコ軸)と通院期間(タテ軸)の交差するところが、入通院慰謝料の相場になります。
軽傷用(別表II)
入院期間 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
0ヶ月 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | ||
通院期間 | 3ヶ月 | 53万円 | 83万円 | 109万円 | 128万円 | 146万円 |
4ヶ月 | 67万円 | 95万円 | 119万円 | 136万円 | 152万円 | |
5ヶ月 | 79万円 | 105万円 | 127万円 | 142万円 | 158万円 |
重傷用(別表I)
入院期間 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
0ヶ月 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | ||
通院期間 | 3ヶ月 | 73万円 | 115万円 | 154万円 | 188万円 | 218万円 |
4ヶ月 | 90万円 | 130万円 | 165万円 | 196万円 | 226万円 | |
5ヶ月 | 105万円 | 141万円 | 173万円 | 204万円 | 233万円 |
このように、弁護士基準では入通院期間を基礎とするため、通院日数はあまり影響しませんが、入通院期間に比べて極端に通院日数が少なすぎると、慰謝料額が減額される可能性があります。
増額しなければ成功報酬はいただきません
24時間予約受付・年中無休・通話無料
交通事故で4ヶ月通院した場合、入通院慰謝料が請求できます。
また、治療を続けたものの、後遺障害が残ってしまった場合は、あわせて後遺障害慰謝料も請求できます。
入通院慰謝料 | 交通事故のケガが原因で入院や通院を強いられたことで生じた 精神的苦痛に対して支払われる慰謝料のこと |
---|---|
後遺障害慰謝料 | 交通事故によって後遺障害が残ったことにより 今後も受け続ける精神的苦痛に対して支払われる慰謝料のこと |
後遺障害とは、交通事故が原因で残ってしまった後遺症のうち、一定の要件を満たしたものをさします。
残存した後遺症に対して、後遺障害等級が認定されなければ、後遺障害慰謝料の請求はできません。
もっとも、後遺症があるからと後遺障害等級認定の申請をしても、必ず認定されるものではありません。
特に、通院4ヶ月の場合は、治療期間が短いと判断されやすく、後遺障害の認定が受けられない可能性があります。
受傷部位を切断したなどのケースを除いて、通院4ヶ月の時点で後遺症が残りそうな場合は、少なくとも6ヶ月までは治療を継続した方が、後遺障害の認定がされやすくなります。
通院を4ヶ月した場合の交通事故慰謝料について、一般に公開されていない任意保険を除いて、自賠責基準と弁護士基準で、どれくらい差があるのか、具体的な計算例を用いて比較してみましょう。
《自賠責基準の計算式》
①慰謝料日額4300円×入通院期間(治療開始日~治療終了日または症状固定日までの期間)
②慰謝料日額4300円×実際の入通院日数(実際に病院にかかった日数)×2倍
この計算式に、通院期間4ヶ月、通院日数50日をあてはめてみると
①日額4300円×120日(通院期間4ヶ月×30日)=51万6000円
②日額4300円×100日(通院日数50日×2倍)=43万円
①より②の方が慰謝料は低額となるため、②を採用します。 したがって、自賠責基準での入通院慰謝料は、43万円となります。
弁護士基準の場合、ケガの程度によって用いる算定表が異なり、軽傷の場合は別表Ⅱを、重傷の場合は別表Ⅰを使用します。 それぞれの表で、入院期間(ヨコ軸)の「0月」と、通院期間(タテ軸)の「4月」が交差するところが、入通院慰謝料の相場です。
《軽傷用(別表II)》
入院期間 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
0ヶ月 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | ||
通院期間 | 3ヶ月 | 53万円 | 83万円 | 109万円 | 128万円 | 146万円 |
4ヶ月 | 67万円 | 95万円 | 119万円 | 136万円 | 152万円 | |
5ヶ月 | 79万円 | 105万円 | 127万円 | 142万円 | 158万円 |
《重傷用(別表I)》
入院期間 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
0ヶ月 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | ||
通院期間 | 3ヶ月 | 73万円 | 115万円 | 154万円 | 188万円 | 218万円 |
4ヶ月 | 90万円 | 130万円 | 165万円 | 196万円 | 226万円 | |
5ヶ月 | 105万円 | 141万円 | 173万円 | 204万円 | 233万円 |
したがって、弁護士基準での入通院慰謝料は、軽傷の場合は67万円、重傷の場合は90万円となります。
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
他覚所見のない軽傷の場合 | 43万円 | 67万円 |
そのほか重傷の場合 | 43万円 | 90万円 |
こうしてみると、自賠責基準に比べて、弁護士基準の方が1.5~2倍近く高額であることがわかります。
《自賠責基準の計算式》
①慰謝料日額4300円×入通院期間(治療開始日~治療終了日または症状固定日までの期間)
②慰謝料日額4300円×実際の入通院日数(実際に病院にかかった日数)×2倍
この計算式に、入院20日、通院期間4ヶ月、通院日数40日をあてはめてみると
①日額4300円×140日(入院20日+通院期間4ヶ月×30日)=60万2000円
②日額4300円×120日{(入院期間20日+通院日数40日)×2倍)=51万6000円
②の方が①よりも低額となるので、自賠責基準での入通院慰謝料は、②の51万6000円となります。
弁護士基準の算定表では、入院期間20日のように、ぴったり1ヶ月で終了しない場合、1ヶ月=30日として日割り計算する必要があります。
軽傷の場合(別表Ⅱ)に、入院期間20日・通院期間4ヵ月(通院日数40日)の、入通院慰謝料を計算してみましょう。
《軽傷用(別表II)》
入院期間 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
0ヶ月 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | ||
通院期間 | 4ヶ月 | 67万円 | 95万円 | 119万円 | 136万円 | 152万円 |
同様に、重傷の場合(別表Ⅰ)の入通院慰謝料を計算してみましょう。
《重傷用(別表I)》
入院期間 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
0ヶ月 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | ||
通院期間 | 4ヶ月 | 90万円 | 130万円 | 165万円 | 196万円 | 226万円 |
したがって、弁護士基準での入通院慰謝料は、軽傷の場合は85万6700円、重傷の場合は116万6700円となります。
《自賠責基準と弁護士基準の比較》
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
他覚所見のない軽傷の場合 | 51万6000円 | 85万6700円 |
そのほか重傷の場合 | 51万6000円 | 116万6700円 |
入院期間がある場合も、自賠責基準に比べて、弁護士基準の方が1.5~2倍以上高額になります。
増額しなければ成功報酬はいただきません
24時間予約受付・年中無休・通話無料
慰謝料が減額されないよう、適正な通院頻度を守りましょう。
通院期間(治療開始日~治療終了日または症状固定日までの期間全日)に比べて、通院日数(実際に通院した日数)が少なくても多くても、慰謝料が減額されるおそれがあるため、注意が必要です。
適正な通院頻度は、ケガの程度にもよりますが、一般的には、月10日程度が目安だと考えられています。
なお、通院日数については、いくつか注意点があるので確認しておきましょう。
弁護士基準では、基本的に通院期間をもとに慰謝料を算定するため、通院日数の影響を受けにくいとはいえ、通院期間と比べて、極端に通院日数が少ないと慰謝料が減額される可能性があります。
通院日数が極端に少ないと、治療に対する姿勢が消極的であったから後遺症が残ったとみなされたり、通院する必要がない程度の軽い症状しかなかった、後遺障害等級に該当するほどの症状ではないと判断されて、後遺障害等級が認定されない可能性が高くなります。
だからといって、やみくもに通院日数を増やしてしまうと、過剰診療を疑われ、慰謝料が減額されるおそれがあります。
月に10日程度のペースを目安に、医師の指示に従って通院することが大切です。
それでも通院日数が少なくて不安な場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。
適正な慰謝料を受け取るためには、ケガが完治するか、医師から症状固定と診断されるまで治療を続けることが大切です。
症状固定とは、ケガの治療をこれ以上続けても、症状の改善が見込めない状態のことをさします。
症状が軽くなったから、治療の効果が感じられないからと、自己判断で治療を中断したり、通院頻度を減らしてしまうと、慰謝料の対象となる通院期間が短くなって、本来受け取れる慰謝料から減額されるばかりか、治療に対する積極性を疑われ、保険会社から治療費の打ち切りを打診されるおそれがあります。
治療終了のタイミングは自己判断せず、また、保険会社から打診があったとしても、症状が続き、医師が治療の必要性を認めるかぎり、治療を継続しましょう。
ケガの治療中に、相手方保険会社から医療費の打ち切りを打診されたら、まずは医師に、治療の必要性について確認しましょう。
症状が続き、医師が治療の必要性を認めているのであれば、治療は継続すべきです。
保険会社に、治療費支払いの延長を交渉しましょう。
もし、治療費支払いの延長が認められなかったとしても、適正な慰謝料を受け取るために、健康保険を利用するなど、治療費を一旦自己負担して、治療を継続しましょう。
自己負担した治療費は、示談交渉の中で相手方に請求することができます。
ただし、保険会社が自己負担した治療費を全額補償してくれるとも限らないため、治療費の打ち切りを打診されたら、一度弁護士に相談してみましょう。
4ヶ月通院して、後遺症が残りそうな場合でも、次のようなケースでは、すぐに症状固定しない方がいいと考えられます。
これらの症状で、4ヶ月治療やリハビリを続けても、症状が改善しないからといって、4ヶ月時点で症状固定としてしまうと、後遺障害等級の認定を受けるのが困難になります。
なぜなら、4ヶ月では「もう少し治療やリハビリを継続すれば症状が改善したのでは?」と治療の積極性を疑われやすいからです。
後遺障害等級の認定を受けるためには、積極的に治療・リハビリを尽くしたといえる目安として、最低でも6ヶ月、継続して定期的な治療を受ける必要があります。
慰謝料など、交通事故の損害賠償についての示談交渉は、治療が終了して、損害が確定してから行いましょう。
基本的に一度成立した示談は、示談内容を変更したり、追加で損賠賠償請求することができなくなります。
治療終了の目途が立たず、後遺障害が残るかどうかもはっきりしないうちは、示談交渉しないようにしましょう。
4ヶ月通院した場合に相手方に請求できるのは、入通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する慰謝料だけではありません。
交通事故によって実際に生じた、財産的損害に対して、賠償金の請求ができます。
具体的な例を一部紹介します。
《4ヶ月の通院で請求できる損害賠償の一例》
治療費 | ケガの治療費や入院費用など |
---|---|
通院交通費 | 治療で通院する際の費用 |
休業損害 | 仕事を休んだことで減ってしまった収入 |
付添看護費 | 被害者の付添をするために必要な費用 |
車の修理費 | 事故で破損した車の修理費用 |
《後遺障害等級が認定された場合に請求できる損害賠償》
4ヶ月の通院期間では、後遺障害等級は認定されない可能性もありますが
後遺障害等級が獲得できた場合
交通事故の後遺障害によって減少した収入=後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料の請求ができます
交通事故で4ヶ月通院をした場合に、弁護士に依頼するメリットを紹介します。
交通事故で4ヶ月通院すると、適正な慰謝料が受け取れるのか?後遺障害等級の認定が得られるのか? こうした不安や悩みが生じてきます。
交通事故の慰謝料は、弁護士に依頼することで増額する可能性が高まります。
弁護士基準で算定した慰謝料額で交渉するには、弁護士の介入が欠かせません。
また、通院期間4ヶ月では、後遺障害等級認定が受けられないおそれもあります。
後遺障害等級が認定されなければ、後遺障害慰謝料・逸失利益が受け取れなくなってしまいます。
慰謝料をはじめとした損害賠償を、適正な金額で受け取るためには、交通事故事案の経験が豊富な弁護士のサポートを受けることが大切です。
弁護士法人ALGには、交通事故に詳しい弁護士が多数在籍しています。
抱えていらっしゃるお悩みが解決するよう、不安なお気持ちに寄り添って、力を尽くしてサポートいたしまので、まずはお気軽にご相談ください。
増額しなければ成功報酬はいただきません
24時間予約受付・年中無休・通話無料