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交通事故で脳になんらかの外傷を受けると「高次脳機能障害」となり、社会生活に支障をきたすおそれがあります。具体的には、物忘れが激しくなる、見慣れたものが認識できなくなる、集中力がなくなる、などの症状が現れます。 交通事故に遭ってしまった後に、性格が変わった、以前より怒りっぽくなった、当たり前にできたことがうまくできない等、ご自身で感じたり、周囲の家族から指摘されたりしたことはありませんか? 高次脳機能障害は、身体の怪我は良くなっているにもかかわらず、見た目では分からない脳の機能に障害が生じるというところが難点です。 この記事では「高次脳機能障害」に着目し、症状や後遺障害等級認定について詳しく解説していきます。
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目次
「高次脳機能障害」とは、病気やけがなどが原因で脳に損傷を負うと言語・思考・学習・注意などの認知機能全般に障害が生じ、損傷部位によって様々な症状が現れます。 高次脳機能障害は、交通事故による脳外傷や、心肺停止による低酸素症などで、脳を損傷したことで起こります。 しかし、こうした症状は目に見えて現れないため、症状が発見されにくく、家族や知人にも気づかれないことがあるでしょう。また、後遺障害の証明がしにくく、後遺障害等級申請が認定されにくいという欠点があります。 高次脳機能障害は、後遺障害等級認定を受け、適切な損害賠償を受け取り十分な補償を受けるべき疾患です。
高次脳機能障害の主な症状は以下の7つです。
症状の程度はさまざまであり、外見上は普通に日常生活を送れているように見えることもあります。 では具体的にどのような症状があるのか、以降でそれぞれについて詳しく見ていきます。
「記憶障害」とは、見聞きしたことが覚えられなかったり、覚えていたことが思い出せなくなったりします。 記憶障害の症状例に以下のようなものがあります。
記憶障害になると、日常生活の中で「いつ、どんなことをしたかわからない」といった症状が出てきます。
「注意障害」とは、長時間一つのことに集中できなくなったり、気が散りやすくなったりします。また、注意を向ける対象の切り替えがうまくいかないことがあります。 注意障害の症状例は以下のようなものがあります。
「遂行機能障害」とは、目標の達成まで「どうしたら達成できるか」といった計画ができなかったり、計画に沿って効果的に行動したりすることが難しくなる障害です。 遂行機能障害の症状例は以下のようなものがあります。
「社会的行動障害」とは、感情のコントロールが難しい、状況に応じた行動がとれないなどの理由から、対人関係に支障をきたす症状です。 社会的行動障害の症状例は以下のようなものがあります。
「言語障害」とは、言語によって考える力や、発生や発音に差しつかえが生じる障害です。 言語障害には「失語症」があり、会話のキャッチボールが成立しないことをいいます。 言語障害の症状例は以下のようなものがあります。
「行動障害」とは、日常の何気ない動作や、以前は当たり前のようにできていた動作ができなくなる障害です。 「行動障害の症状例は以下のようなものがあります。
「失認症」とは、ものごとを認識したり、理解したりすることができなくなる障害です。 失認症の症状例は以下のようなものがあります。
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高次脳機能障害と診断されたら、リハビリを受けるようにしましょう。 リハビリを受けることで改善が見られたり、症状を遅らせたりすることが可能と言われています。 また、後遺障害等級認定にもリハビリを受けておくことで有利になるでしょう。 高次脳機能障害には確立した治療法はありません。 そのため、高次脳機能障害に対する治療は、日常生活に適応するためのリハビリによる治療が中心となります。リハビリの期間は症状によって様々ですが、大体半年ほどかかることが多いようです。
高次脳機能障害と診断された場合には、後遺障害等級認定の申請をしましょう。
後遺障害とは
交通事故が原因で残った後遺症がそれ以上治療しても症状が良くも悪くもならない段階に達し(症状固定)、労働する力が程度により失われた状態のことです。
後遺障害等級認定とは
後遺障害が自賠責保険の後遺障害等級に認定されることをいい、怪我の重さによって1級から14級までの等級を定めています。 また、後遺障害に認定されるには等級の認定申請をしなければならず、申請したからといっても必ず等級が認定されるわけはありません。
後遺障害の認定基準と申請方法は以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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後遺障害等級が認定され、等級が付くと、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できます。 後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益については以下の表で詳しく解説します。
後遺障害慰謝料 | 交通事故で後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する補償 |
---|---|
後遺障害遺失利益 | 交通事故が原因で得られなくなった将来分にわたる減収の補償 |
なお、治療費、通院費用、入通院慰謝料は後遺障害の認定がされなくても請求できます。 交通事故でもらえる賠償金の詳細は以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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高次脳機能障害で認定される等級の認定基準と後遺障害慰謝料の相場を以下の表でまとめます。
等級 | 認定基準 | 自賠責基準 | 護士基準 |
---|---|---|---|
1級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの | 1600万円 | 2800万円 |
2級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの | 1203万円 | 2370万円 |
3級3号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの | 861万円 | 1990万円 |
5級2号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの | 618万円 | 1400万円 |
7級4号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの | 419万円 | 1000万円 |
9級10号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの | 249万円 | 690万円 |
症状が軽度なものは、ある程度自立して生活の動作が可能な状態を表します。等級としては、第5級、第7級、第9級に該当します。 症状として、「思い出せない」「物事に集中できない」といった症状です。 【入通院慰謝料】 入院3ヶ月、通院6ヶ月、実通院日数40日の場合の入通院慰謝料の金額です。
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
入院3か月+通院6か月 | 73万1000円 | 211万円 |
慰謝料の算定基準の詳細は以下になります。
弁護士基準は弁護士が介入したときに使える基準です。そのため、交通事故に遭われた方は弁護士に相談することをおすすめします。
交通事故の慰謝料については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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高次脳機能障害が認定されるポイントを以下にまとめます。
①脳損傷が確認できること 脳損傷の存在はCTやMRI画像検査により脳が傷ついているということを証明します ②事故後に、意識障害が継続していた 高次脳機能障害は意識障害が生じるほどの頭部外傷を負った場合に発症しやすいと言われています。 そのため、事故直後に意識状態や、搬送中・救急搬送先でどのように症状が変わったのかが重要となります。意識障害は、事故直後、意識が完全に失っているものだけではなく、1週間程度昏睡状態が続くものも含みます。 ③認知障害、行動障害、人格変化の症状があること 自賠責保険に後遺障害診断書を提出する際には、日常生活状況報告書の提出が求められます。日常生活状況報告書には、「起床・就寝時間を守れるか」「金銭管理ができるか」など、受傷前と受傷後を比較するものや、問題行動の頻度がどの程度あるかなどを家族や近親者が記載します。 後遺障害診断書や日常生活状況報告書の内容等から、本人の日常生活や仕事・学校、地域での活動、交友関係などの社会生活の状況が、事故に遭う前と遭った後でどのように変化したかを比較し、認知障害や人格の変性があるのか、後遺障害の程度が判断されます。
高次脳機能障害の等級認定は記載内容のわずかな違いで、現実の症状に比べて軽い等級が認定されてしまうこともあるので、できる限り弁護士にご相談ください。 後遺障害診断書の正しい書き方や基礎知識については以下で詳しく解説しています。ご参考ください。
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後遺障害認定は認定されない、希望する等級よりも低い等級が認定されることもあります。 そのような時には以下の対処法があります。
どの方法であっても、必ず希望する等級が認定されるわけではありません。 ただやみくもに同じ方法でやり直しをするのではなく、新たに証拠となる書類やCT、MRIの画像などを添付したり、医師の意見書を取り付ける必要があり、医学的知識も必要となります。 後遺障害が非該当となった場合の対処法については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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高次脳機能障害は人により、症状はさまざまですが、「怒りっぽくなった」「物忘れが激しくなった」など、生活に支障をきたす症状が出現します。そのため、誰かのサポートがないと一人で生活することが難しくなります。ご家族や友人ができるサポートを下記にまとめます。ぜひ実践して、高次脳機能障害の方が豊かに生活できると幸いです。
問題点 | 対処法 | |
---|---|---|
記憶障害 | すぐに同じことを尋ねる | 簡単なメモにして渡す |
注意力障害 | テレビなどで気が散って食事が進まない | テレビのない部屋で食事する |
遂行機能障害 | 時間通りに行動できない | 起きてからの予定表を作成する、タイマーなども利用する |
社会的行動障害 | すぐに怒り出す | イライラするような事柄から遠ざける |
失語症 | 質問が通じない 単語が出てこない |
イライラする場面から遠ざける 絵や図で示す |
失行症 | はさみや箸の使い方が分からなくなる | 責めずに正しい使い方を繰り返し教える |
失認症 | 顔形だけではだれか分からなくなる | 声かけをして気づきやすくする |
高次脳機能障害は、本人はとてもつらい思いをされていることでしょう。しかし、目に見える障害ではないため、後遺障害等級申請で認定されないことも多くあります。 後遺障害が認められないと、適切な後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を受け取れなくなってしまいます。 後遺障害の申請は交通事故に詳しくないと、準備が十分であるのか分からないといったことが難点です。 そそこで、後遺障害等級の申請は弁護士に相談することをおすすめしています。 交通事故に詳しい弁護士でしたら、申請書類が十分であるかアドバイスすることができます。また、申請が通らなかった場合でも、証拠となる書類が足りないなど理由に気付き、追加書類の準備がスムーズです。 高次脳機能障害は、本人だけでなく周りの家族の生活も一変してしまう可能性がある深刻な障害であるため、しっかりと損害賠償などの補償を受けるべき障害です。 納得のいかない損害賠償額で我慢せず、私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
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