交通事故で1ヶ月通院した場合の慰謝料はいくら?

交通事故で1ヶ月通院した場合の慰謝料はいくら?

「1ヶ月しか通院していない軽い事故だけど慰謝料の請求は弁護士に依頼した方がいいの?」
軽微な事故の場合にはこのような思いがあるかもしれません。しかし、事故により怪我を負ったのであればその精神的苦痛に対してしっかりと補償を受けるべきでしょう。
では実際に、1ヶ月(30日)治療を行った場合、慰謝料はいくらもらえるのでしょうか。
この記事では、1ヶ月の通院であっても適正な慰謝料を獲得できるよう、通院1ヶ月の慰謝料相場について解説していきます。

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  • 症状:頚椎捻挫
  • 後遺障害等級:14級9号

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通院1ヶ月の交通事故の慰謝料とは

交通事故の慰謝料とは、交通事故によって怪我や後遺障害を負ったり、死亡に至ったことによる精神的苦痛に対する補償です。よく、交通事故の損害賠償=慰謝料とお考えの方もいらっしゃいますが、慰謝料は損害賠償金の一部であり、慰謝料のほかにも損害賠償として請求できる項目がたくさんあります。
慰謝料は擦り傷など1日の通院でも怪我をしたのならば請求することができます。通院1ヶ月で済んだ場合は、捻挫や軽度のむちうちなど軽症であることが多いでしょう。

全治1ヶ月の慰謝料との違い

通院1ヶ月の慰謝料と全治1ヶ月の慰謝料は異なります。「全治」とは一般的に治療に必要な期間のことをいい、実際に怪我が治るまでの期間ではありません。医師に診断される「全治1ヶ月」とは骨折などの重傷なケースを意味します。軽症の場合は「全治2週間以内」と診断されることが多いです。
したがって、全治1ヶ月と医師に診断された場合は、通常の通院1ヶ月よりも慰謝料が高額となることが多いでしょう。

通院1ヶ月(30日)の慰謝料相場

1ヶ月(30日)通院した場合の慰謝料相場は弁護士基準で重症時28万円、軽症時で19万円です。
弁護士基準は一般的に裁判所、または交渉時において弁護士が使用するものですが、通院期間により慰謝料の相場が変動します。損害賠償額算定基準(いわゆる「赤い本」)に掲載された入通院慰謝料算定表 別表Ⅰ・Ⅱを用いて算定します。

一方、自賠責基準は通院日数により慰謝料の相場が変動し、弁護士基準より低額となります。
以下の表では、通院日数ごとの自賠責基準と弁護士基準の慰謝料相場を算出しています。なお、弁護士基準の慰謝料を入通院慰謝料算定表通りに受け取るためには1ヶ月(30日)につき最低でも10日程度の通院が望ましいでしょう。

通院日数 自賠責基準 弁護士基準
軽傷 重傷
5日 4万3000円 19万円
※通院日数が少ないため減額の可能性あり
28万円
※通院日数が少ないため減額の可能性あり
10日 8万6000円 19万円 28万円
15日 12万9000円 19万円 28万円
20日 12万9000円 19万円 28万円
25日 12万9000円 19万円 28万円
30日 12万9000円 19万円 28万円

入院した場合の慰謝料相場

入院の場合、それだけ怪我が「重症であった」とみなされるため、慰謝料の金額も増額する傾向にあります。
ここでは、通院期間1ヶ月に加えて、入院があった場合の自賠責基準と弁護士基準の違いについて見ていきましょう。

●自賠責基準
以下の式のどちらか少ない方が採用されます。
①4300円×入通院期間
②4300円×(実通院日数+入院日数)×2

詳しい金額を以下の表で見ましょう。

【自賠責基準】

通院日数
5日 10日 15日 20日 25日 30日
入院日数 0日 4万3000円 8万6000円 12万9000円 12万9000円 12万9000円 12万9000円
5日 8万6000円 12万9000円 12万9000円 12万9000円 12万9000円 12万9000円
10日 12万9000円 17万2000円 17万2000円 17万2000円 17万2000円 17万2000円
15日 17万2000円 19万3500円 19万3500円 19万3500円 19万3500円 19万3500円
20日 21万5000円 21万5000円 21万5000円 21万5000円 21万5000円 21万5000円
25日 23万6500円 23万6500円 23万6500円 23万6500円 23万6500円 23万6500円
30日 25万8000円 25万8000円 25万8000円 25万8000円 25万8000円 25万8000円

●弁護士基準
弁護士基準では慰謝料算定表を用いて算出します。下表のとおり、自賠責基準より金額が大きくなります。

【弁護士基準】

入院日数+通院期間30日 軽傷 重傷
入院0日 19万円 28万円
入院5日 24万5000円 36万1700円
入院10日 30万円 44万3000円
入院15日 35万5000円 52万5000円
入院20日 41万円 60万6700円
入院25日 46万5000円 68万8300円
入院30日 52万円 77万円

通院期間が1ヶ月前後(20日、45日、2ヶ月)の場合の慰謝料相場

通院期間が1ヶ月前後のように、通院日数を月数に直すと端数が出る場合には、弁護士基準では、慰謝料算定表の別表Ⅰ・Ⅱを用いて、以下の通り、日割り計算をします。

●通院期間20日の場合
①通院1ヶ月の場合の慰謝料:別表Ⅱの場合:19万円/別表Ⅰの場合:28万円
②19万円÷30日(1ヶ月)×20日=約12万6700円
または
28万円÷30日(1ヶ月)×20日=約18万6700円
●通院期間45日の場合
① 通院2ヶ月の場合の慰謝料:別表Ⅱの場合:36万円/別表Ⅰの場合:52万円
② 通院1ヶ月の場合の慰謝料:別表Ⅱの場合:19万円/別表Ⅰの場合:28万円
③ ②+(①-②)÷30日×15日
④ 19万円+(36万円-19万円)÷30日×15日=約27万5000円
または
28万円+(52万円-28万円)÷30日×15日=40万円
通院期間 弁護士基準
20日 軽症12万6700円、重症18万6700円
45日 軽症27万5000円、重症40万円
2ヶ月(60日) 軽症36万円、重症52万円

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料金について、こちらもご確認ください。
  • ※諸経費20,000円( 税込22,000円 )がかかります。
  • ※死亡・後遺障害等級認定済みまたは認定が見込まれる場合
  • ※事案によっては対応できないこともあります。
  • ※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。
  • ※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

交通事故慰謝料の計算方法

自賠責基準と弁護士基準では、慰謝料の計算方法が異なります。なお、任意保険基準は各保険会社が独自に算定基準を設けていて非公開のため、割愛させていただきます。 次項からは自賠責基準と弁護士基準の入通院慰謝料の計算方法について解説していきます。

自賠責保険の場合

自賠責基準で支払われる入通院慰謝料は1日につき4300円と定められています。
自賠責基準では以下の式に当てはめ、少ない方を採用します。

①4300円×入通院期間(初診から治癒または症状固定日まで)

②4300円×実通院日数×2

例えば通院1ヶ月で実通院日数が20日だった場合、式に当てはめると、

  • ①4300円×30日=12万9000円
  • ②4300円×20日×2=17万2000円

となり、①の12万9000円が採用されます。

弁護士基準の場合

弁護士基準では損害賠償額算定基準(赤い本)に記載されている算定表に基づき計算されます。
算定表には骨折、腹部損傷などの重症用(別表Ⅰ)と他覚所見のないむちうちや打撲、捻挫などの軽傷用(別表Ⅱ)があります。しかし、通院1ヶ月の場合は一般的に軽症と考えられるため、軽症用を用いることが多いでしょう。
以下の表は軽症用の慰謝料算定表を表しています。通院期間と入院期間の交差するところが慰謝料の相場です。

軽傷用(別表II)

入院期間
0ヶ月 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月
通院期間 0ヶ月 35万円 66万円 92万円 116万円 135万円 152万円
1ヶ月 19万円 52万円 83万円 106万円 128万円 145万円 160万円
2ヶ月 36万円 69万円 97万円 118万円 138万円 153万円 166万円
3ヶ月 53万円 83万円 109万円 128万円 146万円 159万円 172万円
4ヶ月 67万円 95万円 119万円 136万円 152万円 165万円 176万円
5ヶ月 79万円 105万円 127万円 142万円 158万円 169万円 180万円
6ヶ月 89万円 113万円 133万円 148万円 162万円 173万円 182万円
7ヶ月 97万円 119万円 139万円 152万円 166万円 175万円 183万円
8ヶ月 103万円 125万円 143万円 156万円 168万円 176万円 184万円
9ヶ月 109万円 129万円 147万円 158万円 169万円 177万円 185万円
10ヶ月 113万円 133万円 149万円 159万円 170万円 178万円 186万円
11ヶ月 117万円 135万円 150万円 160万円 171万円 179万円 187万円
12ヶ月 119万円 136万円 151万円 161万円 172万円 180万円 188万円
13ヶ月 120万円 137万円 152万円 162万円 173万円 181万円 189万円
14ヶ月 121万円 138万円 153万円 163万円 174万円 182万円 190万円
15ヶ月 122万円 139万円 154万円 164万円 175万円 183万円

通院1ヶ月(30日)の交通事故慰謝料の計算例

では実際に、例を用いて自賠責基準と弁護士基準でどのくらいの差が出るのか見ていきましょう。

通院日数13日(通院期間30日)の場合

自賠責基準

自賠責基準では以下の式に当てはめ、少ない方が採用されます。

●4300円×通院期間

●4300円×実通院日数×2

今回の場合では通院期間30日、実通院日数13日であるため、以下の式に当てはめると、

  • ①4300円×30日=12万9000円
  • ②4300円×13日×2=11万1800円

この場合、②の11万1800円の方が少額であるため、②金額が採用されます。

弁護士基準

弁護士基準では赤い本の慰謝料算定表を基に算出します。通院期間30日・実通院日数13日・軽症の場合、通院軸の1ヶ月、入院軸の0ヶ月が交わる部分が弁護士基準の通院慰謝料です。
今回の場合、19万円となり、自賠責基準と比べると、8万円ほど差があります。

入院10日、通院日数15日(通院期間30日)の場合

自賠責基準

自賠責基準では以下の式に当てはめ、少ない方が採用されます。

●4300円×通院期間

●4300円×(実通院日数+入院日数)×2

今回の場合では通院期間30日、入院日数10日、実通院日数15日であるため、以下の式に当てはめると、

  • ①4300円×(通院期間30日+入院日数10日)=17万2000円
  • ②4300円(10日+15日)×2=21万5000円

この場合、①の17万2000円の方が少額であるため、①の金額が採用されます。

弁護士基準

入院日数が1ヶ月未満の場合は、赤い本の入通院慰謝料算定表の別表Ⅱを用いて、以下の通り計算します。

●入院日数10日の場合
① 入院1ヶ月・通院1ヶ月の場合の慰謝料:52万円
③ 入院0ヶ月・通院1ヶ月の場合の慰謝料:19万円
④ ②+(①-②)÷30日×15日=35万5000円

軽傷であっても自賠責基準の金額とでは、約18万円の金額の差があります。
弁護士基準は裁判で用いられるため、被害者が本来受け取るべき金額といえます。

自動計算機で慰謝料を計算してみよう

ここまで計算方法を解説してきましたが、実際には交通事故に詳しくなければ慰謝料の金額がどのくらいになるのかは分からないことだと思います。そこで、弁護士基準で慰謝料額がいくらになるか、簡単に計算できる【慰謝料計算ツール】をご用意しました。
しかし、このツールで算出される慰謝料の金額はあくまでも相場であり、個別の事情は考慮されておりません、あくまでも参考程度にご利用ください。
具体的な賠償金額についてはぜひ弁護士にご相談ください。


交通事故の慰謝料が増額するポイント

交通事故の慰謝料が増額するポイントは以下のとおりです。

●事故直後に病院を受診する
事故直後は痛みの症状が出なくても、むちうちなどの怪我をしている可能性もあります。まずは病院に行き、検査を受けましょう。事故から時間が経過して病院を受診すると、「事故と怪我の因果関係はない」と判断され、慰謝料が支払われなくなおそれもあります。

●整形外科で治療を受ける
接骨院のみの通院は要注意です。接骨院は病院でなく、医師はいません。そのため、医師の許可なく整骨院のみ通っていると通院とみなされず、慰謝料が支払われなかったり、減額される可能性があります。まずは、整形外科を受診し、医師の診察を受けましょう。

●痛みや症状が1ヶ月以上経っても継続する場合は医師と相談し治療を継続する
痛みが続く場合に途中で治療をやめてしまうと、痛みはあるのに適切な賠償をしてもらえない事態になってしまいます。残存する症状については医師にきちんと伝え、必要ならば治療を続けましょう。

通院期間1ヶ月の通院でも弁護士に依頼するメリット

弁護士基準は通院期間を基に慰謝料を算定するため、期間中の通院日数が少なくても慰謝料額には基本的に影響しにくく、相手方保険会社が提示する金額よりも高額となる可能性が高まります。
また、損害賠償として請求できるのは慰謝料だけではありません。交通事故に詳しくなければ事故によって負った損害を漏れなく請求することは難しいです。交通事故に詳しい弁護士に依頼すれば、交通事故の損害賠償費目を漏れなく請求することができます。

通院1ヶ月の場合は、受け取れる損害賠償額(利益)がそれほど高額にならないため、弁護士費用の方が高くなってしまうおそれもありますが(費用倒れ)、弁護士費用特約が使えれば、弁護士費用がかからず利益のみを受け取ることができます。
弁護士費用特約とは、ご自身やご家族の保険に付帯するもので、弁護士相談料10万円、弁護士費用300万円まで保険会社が負担してくれるというものです。
金額や補償範囲については保険会社ごとに異なるため、まずは保険会社に確認してみましょう。

弁護士費用特約については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。


交通事故の怪我が原因で1ヶ月通院した場合の慰謝料に関するQ&A

自宅療養期間は通院期間に含まれますか?

怪我の症状や治療内容を考慮し、適切な通院日数だと判断される場合に自宅療養期間も通院期間に含まれます。
例えば以下のような例です。

●骨折の場合 患部を固定し、安静にすることで折れた部分がくっつくのを待つだけの、積極的な治療を行わない場合もあります。このような場合はギプスで固定し自宅療養を行っていた期間は治療期間だといえます。

●入院施設に空きがない場合 入院施設に空きがないため、自宅で安静にしている場合も入院期間とみなして慰謝料を計算できるケースもあります。

交通事故で1ヶ月しか通院していなくても慰謝料を請求できます。ぜひ弁護士にご相談ください。

「1ヶ月しか通院していないのに弁護士に依頼するのは大袈裟ではないか」
そう思われていた方もいらっしゃるでしょう。しかし、今回解説してきた内容をご覧になっていかがでしょうか。
通院1ヶ月では、相手方保険会社が提示する金額は低額になることが多く、被害者の方が本来受け取るべき金額ではありません。

弁護士であれば、弁護士基準で慰謝料の金額を算出することができ、相手方保険会社が提示する金額よりも高額となる可能性が高まります。
また、弁護士に示談交渉を任せることができ、損害賠償項目について漏れなく相手方に請求することができます。
通院1ヶ月で慰謝料請求をお考えの方は弁護士法人ALGへぜひ一度ご相談ください。

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弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。