交通事故で相手が過失を認めない場合の対処法【弁護士監修】

相手が過失を認めない場合の対処法とは?弁護士が詳しく解説!

一般的に交通事故が起きると過失割合を決めます。 事故の当事者双方にどのくらいの交通違反があったのか、どの程度不注意があったのかなど事故の原因を突き止めます。この責任の大きさが過失割合です。 加害者にとって過失割合が大きくなるとその分損害賠償を払うことで等級が下がったり、保険料が上がったりすることから、加害者が過失割合をすんなり認めてくれるとは限りません。 加害者側の対応が悪い場合、過失割合で揉めることで自分の過失を少なくしようとしたり、過失割合でもめることにより、示談交渉を有利に進めようとしたりします。 ここでは、過失割合で相手が納得しない場合にはどうしたらいいのか解説していきます。ご参考にしてください。

過失割合を0に修正し、約250万円の増額となった事例
  • 症状:肩の疼痛
  • 後遺障害等級:12級

弁護士依頼前

500万円

弁護士介入

弁護士依頼後

750万円

250万円の増加

交通事故の過失割合とは

過失割合とは交通事故が起きた時に自分の過失(責任)相手の過失(責任)を割合で表したものです。事故の形態は様々で過失割合も個別・具体的に決まるのが通常です。 過失を数字で表して損害賠償額の比率を分かりやすくしたものが過失割合です 割合は30:70、20:80など下限0で上限100です。 交通事故では場合、双方に何らかの過失があることがあります。追突や明らかに悪質な運転を加害者がしていない場合を除いて、被害者側にも過失責任が生じることがよくあります。 交通事故の過失割合について下記で詳しく解説していますので、ご参考にしてください。

過失割合は誰がどのように決めるのか?

過失割合はいったい誰が決めるのか知っていますか? 交通事故の過失割合は本来、事故の当事者によって、示談交渉の中で決まるのが一般的です。しかし、当事者同士が直接話し合いをして過失割合を決めることは難しいため、双方の保険会社の担当者同士の話し合いになることが多くなります。 過失割合は警察が決めると思われる方も少なくないでしょう。しかし、警察には民事不介入という原則があるため、過失割合を決めることはないのです。 実際の話し合いでは「別冊判例タイムズ38」を使用して該当する事故類型を探し、基本的な過失割合を確認します。この基本の過失割合に実際の事故の状況に応じた修正要素が加わり決定します。 修正要素には下記のような項目があります。

  • わき見運転
  • 酒気帯び運転
  • スピード違反
  • 居眠り運転
  • 右折禁止違反
  • など

過失割合は損害賠償額に大きく影響する!

損害賠償額は過失割合に応じて決定されます。例えば、過失割合が20:80の場合、被害者の過失が20%、加害者側の過失が80%ということです。 したがって、以下の計算式のように賠償額もその割合によって減額されます。(過失相殺)

過失割合20:80で、損害賠償額200万円のケース

  • 200万円×20%=40万円(過失相殺)
  • 200万円-40万円=160万円(受け取れる損害賠償額)

過失相殺について以下で詳しく解説していますので、参考にしてください。

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料金について、こちらもご確認ください。
  • ※諸経費20,000円( 税込22,000円 )がかかります。
  • ※死亡・後遺障害等級認定済みまたは認定が見込まれる場合
  • ※事案によっては対応できないこともあります。
  • ※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。
  • ※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

相手が過失を認めない場合の3つの対処法

明らかに相手が悪い場合であっても、相手が過失を認めないケースもあります。また、加害者が自分の過失を軽くするよう主張してくる場合もあります。 このような交渉はストレスがたまると思いますが、示談を早く終わらせたいからと、納得してしまえば被害者の損害賠償額に影響してきます。ストレスかもしれませんが、不当な要求は容認しないようにしましょう。 このような場合にどうしたらいいのか、次で解説していきます。

①加害者側の保険会社に証拠を提示する

加害者側が明らかに不当な過失割合を主張してきても、加害者側保険会社は加害者の味方であり、中立な立場としてアドバイスしてくれるわけではありません。加害者側保険会社は加害者の代理であるため加害者の意向に反することはできませんし、加害者側保険会社も営利企業なので、少しでも支払う損害賠償額を低額にしたいと考えるからです。 正しい過失割合を主張するためには、正しい事故状況の把握が必要不可欠です。 加害者側の主張する事故状況が間違っているような場合は、以下の証拠を示し、正しい事故状況を主張しましょう。

①事故車両の写真
②ドライブレコーダー
③警察官によって作成される実況見分証書
④事故現場周辺の防犯カメラの映像
⑤事故現場の写真
⑥目撃者の証言

これらの証拠を被害者の方が集めるのは非常に大変です。 お困りの際は弁護士に相談してみてください。

②内容証明郵便で請求書を送る

内容証明郵便とは、郵便局で利用できる郵便サービスです。 いつ、どのような内容を、誰が誰に送ったかについて郵便局が証明するもので、文書のやり取りを法的に証明することが可能となります。 形式が厳格な内容証明郵便を送ることで、加害者に被害者側が本気だなと心理的圧迫を与える効果があります。 また、加害者に送った文章の内容が残るため、裁判になった際に証拠として役立ちます。 内容証明郵便は、請求書とコピー・封筒を用意して郵便局で規定の金額を支払えば送ることができます。 内容証明を送りたいと考えている人で、さらに効果的に活用したいと考えている人は、弁護士に依頼することもおすすめです。

③弁護士に相談する

過失割合で揉めた場合には弁護士に相談することをおすすめします。 しかし、弁護士でも交通事故に精通した弁護士を選ぶことが大事です。 交通事故に詳しい弁護士であれば、過失割合に関して熟知しており、適切な過失割合を法的観点から主張することができます。 また、交通事故事件では、警察や検察から証拠資料を収集しなければならないケースがありますが、弁護士は職権で集めることもできます。 被害者は、示談交渉によるストレスから解放され、治療や仕事に専念したいと思いますが、過失割合でもめてしまうと、後の手続きが進みづらく非常にストレスになってしまいます。過失割合でお悩みの方は、まずは弁護士にご相談ください。

交通事故に強い弁護士の選び方

弁護士によって得意分野は様々です。交通事故について相談したい場合は交通事故に強い弁護士を選びましょう。 ネットで調べてすぐに依頼してしまうと、会ってみたら相性が悪く力になってもらえなかったということもよくあります。直接会って信頼できる弁護士を選びましょう。 以下の弁護士を選ぶポイントについて覚えておきましょう。

弁護士を選ぶ基準

  • 交通事故事案の経験が豊富
  • 説明がわかりやすい
  • 弁護士費用の料金体系が明確
  • 連絡をマメに行ってくれる
  • 依頼を無理に進めない
  • 医師との連携がしっかり取れる

保険会社と粘り強く交渉し、過失割合0で合意することができた事例

被害者が車で走行中、前方の車が停止したため、被害者も車を停止させたところ、前方の車がそのまま後ろに下がってきたため、衝突した事故です。 相手方保険会社は被害者が直近で止まったので、停止したとは判断できないと、被害者にも50%の過失があると主張してきました。 被害者は前方の車と間隔をあけ停止していたにも関わらずこのような主張をされ、納得がいかず弁護士に依頼することにしました。 当方の弁護士は被害者から事故の状況を詳細に聞き取り、事故当時、目撃者がいたことが判明しました。 当方弁護士が目撃者を探し、目撃者の話をもとに保険会社と粘り強く交渉をし、過失割合を0で合意をとることができました。

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  • ※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。
  • ※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

保険会社が提示する過失割合に納得できないとき

相手方保険会社が提示する過失割合が正しいとは限りません。相手方保険会社も営利企業なので、加害者側の過失割合を少なくすることで、被害者に支払う損害賠償を少なくすることができ、会社の損失を少しでも小さくしようと考えているからです。 相手方が納得しないと示談も長引き、被害者にも相当なストレスがかかることと思いますが、安易に合意してしまうと損害賠償額が低額になり、本来受け取るべき金額ではありません。 過失割合に納得できない場合は弁護士にご相談ください。 交通事故に詳しい弁護士であれば、過去の裁判例や専門知識をもとに正しい過失割合を算定できます。また、被害者に有利な修正要素を主張することができます。 相手が納得しないだけでなく、被害者の方が過失割合に納得できないこともあると思います。 過失割合の交渉は大変困難な作業でストレスもたまることと思います。 そんな時でも一度弁護士にご相談ください。

過失割合に納得いかないことについて以下で詳しく解説しています。ご参考ください。

示談交渉で解決できないときの対処法

相手が過失を認めず、示談が成立しないときの対処法には、次項のような方法があります。 示談交渉が遅れると、

  • 示談金の支払いが遅くなる
  • 損害賠償請求権の消滅時効が迫ってくる

といった点で困ってしまいます。 損をしないためにも、次項の方法に切り替えましょう。 また、示談が成立せず次の段階に進むときには弁護士に相談することをお勧めします。

ADRを利用する

ADRとはAlternative Dispute Resolution(裁判に代替する紛争解決手段)の略称で、解決手段にはあっせん、調停、仲裁があります。

ADRの特徴
①手続きが簡単
②解決までの期間が短い
③当事者による自律的解決
④経済的である
⑤非公開

この段階で弁護士を立てるメリットは、より有利に進めるためのアドバイスを受けられたり、ADRでの示談交渉を代行してもらえたりすることです。

民事訴訟(裁判)を起こす

どのような方法でも解決しない場合は裁判で決着をつけることになります。 交通事故の民事裁判では、加害者と被害者の間の損害賠償問題を解決するためのものです。 民事裁判ではまず、地方裁判所または簡易裁判所に訴訟提起をして、双方の主張とその根拠を出し合い、その内容を踏まえて裁判所が損害賠償金についての判断を下します。

民事裁判のメリット

  • 弁護士基準(裁判基準)での損害賠償金額を受け取れる
  • 相手の合意に関わらず紛争が解決される

裁判では法的な知識や証拠が必要です。弁護士に依頼することで、裁判で代理人として意見を主張することができ、より有利な主張をすることができます。 また、弁護士は被害者の代理人として動くため、基本的には手続きを弁護士に任せきることができます。

交通事故の裁判については以下の記事で詳しく解説しています。ご参考ください。

損害賠償額に影響を与えるのは過失割合だけではない

交通事故で損害賠償額を増額させることができるのは、有利な過失割合を主張するといったものだけではありません。 弁護士に依頼することにより、基準となる損害賠償額の算定方法が弁護士基準となり、より賠償額の増額を見込むことができます 損害賠償額を計算する際に使用する基準や、金額の差は以下の式のようになっています。

自賠責基準≦任意保険基準<弁護士基準

この中で、弁護士基準が一番高額な算定基準となります。また、弁護士基準は過去の裁判例から判断するので、被害者が受け取る適正額とも言えます。 一般的に示談交渉で相手方保険会社から提示される金額は自賠責基準か任意保険基準で、被害者の方が本来受け取るべき妥当な金額とは言えません。だからといって、弁護士基準で請求したくても、弁護士基準は誰でも勉強すれば使えるものではなく、弁護士に依頼しないと、基本的には相手方保険会社は認めてくれません。 また、損害賠償額を増額するためには、後遺障害認定も重要となります。 高額の賠償額を獲得するには、納得のいく後遺障害等級を獲得する必要があります。「非該当」や残った後遺症に見合わない低い等級になってしまうと後遺障害慰謝料や逸失利益の額に影響します。

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よくある質問

過失割合についてよくある質問に答えていきます。

過失割合が決まらないと車の修理代は受け取れませんか?

車の修理費は示談成立後の1~2週間後に振り込まれます。 過失割合が決まらない状況でもめてしまうと、示談が成立しないため、修理費が支払われません。修理工場との話し合い状況によっては、一度立て替えて支払いをしたのちに、示談交渉をする必要があります。 修理にかかった証明書は必ずとっておき、示談交渉の際に話し合う項目として忘れないようにしましょう。

相手が過失を認めず示談に応じてくれません。賠償金を早く受け取る方法はありますか?

示談金は基本的に示談成立後に支払われます。しかし、人身部分については、自賠責保険に対し「被害者請求」をすることで、損害賠償の一部を早めに受け取ることができます 「被害者請求」とは? 交通事故の被害者が加害者の自賠責保険に対し、損害賠償金を自分で直接請求する方法です。 必要書類を加害者側の自賠責保険に提出すれば示談成立前でも書類の内容をもとに損害額の計算が行われ、請求後1ヶ月ほどで支払われます。 ただし、自賠責保険から支払羅われる金額は自賠責基準に沿った低額の保障なので注意が必要です。 交通事故の被害者請求については以下で詳しく解説しています。ご参考ください。

過失割合が決定された後に、相手がごねてくる可能性はありますか?

過失割合が決定しても、示談が成立していなければ相手側から異議を唱えられる可能性はあるでしょう。 相手側がゴネて、こちらがそれで和解してしまうことを「ゴネ得」といいます。 また、物損担当者と人身担当者で提示される過失割合が異なる場合もあります。 示談終了までは相手から異議を唱えられることもあるかもしれませんが、こちらも納得出来ないことや、相手側に納得してもらえるような証拠を準備しておきましょう。あまりにも過失割合で揉めるようなら、弁護士に依頼することや、ADR、調停、裁判を考えるべきかもしれません。

相手が過失を認めずお困りの際は、交通事故に強い弁護士にご相談下さい。

相手に過失を認めさせるには、事故状況を明らかにして、自分の主張が正しいことを証明することが大切です。 そのためには専門的な知識と、客観的な証拠が必要です。 被害者の方一人でやろうとすると大変な労力がかかり、怪我の治療に集中できなかったり、仕事に集中できなかったりと、不安を感じることでしょう。 そんな時は弁護士に相談ください。弁護士は被害者の方に代わり、適切な証拠を集めることだけでなく、示談交渉も代わりに行います。 弁護士が示談交渉することで、損害賠償の算定基準は「弁護士基準」を使い、損害賠償を増額できる可能性もあります。 過失割合で揉めている方は、是非、私たちにご相談ください。

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弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。