エネ夫を理由に離婚はできる?主な特徴や対策などを弁護士が解説
エネ夫とは、妻の味方をせず、敵のように苦しめる夫のことです。
自分の夫がエネ夫だと気づいたら、離婚したいと考える妻は少なくありません。
しかし、夫がエネ夫だと判明しても、それを理由として離婚できるのかと不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、エネ夫の特徴や離婚が認められるケース、慰謝料を請求できるのかなどについて分かりやすく解説します。
エネ夫とは
エネ夫とは、本来であれば妻を守るべき立場なのに、義両親の肩を持ったり、妻の訴えを軽視したりして、結果的に妻を精神的につらい状況に追い込む夫を指す言葉です。
インターネット掲示板などで生まれた言葉で、「enemy(エネミー=敵)」と「夫」を組み合わせた造語です。
妻にとって、いちばんの味方であってほしい存在が敵のように振る舞うため、精神的なダメージは大きくなり、一緒にいるのが辛いと感じる方も少なくありません。
【チェックリスト】エネ夫の主な特徴
エネ夫には、いくつか共通した言動が見られます。
特徴として挙げられることの多い言動は、主に以下のようなものです。
- 人前で妻の悪口を言う
- 妻の悪口を言われたときに同調する
- 妻よりも、自分の母親から言われたことを優先する
- 妻の両親を尊重しない
- 注意しても逆ギレする
- 必要な金額よりも少ない生活費しか渡してくれない
- 妻の悪口を子供に吹き込む
夫がこれらの言動をしている場合には、精神的な負担が積み重なりやすいため注意が必要となります。
エネ夫を理由に離婚はできる?
エネ夫と離婚することは可能です。
夫婦双方が話し合いで合意できれば、理由に関係なく離婚できるからです。
夫婦だけで話し合うのが難しい場合には、家庭裁判所に申し立てて離婚調停を利用できます。それでも折り合わなければ離婚裁判を起こすことが必要です。
ただし、離婚裁判では、法定離婚事由(離婚の請求が法律上認められる理由)が必要となります。
話し合いで合意できれば離婚可能
エネ夫の言動に強い不満や苦痛を感じている場合には、夫婦が話し合って離婚に合意できれば、どのような理由であっても協議離婚できます。
協議離婚とは、夫婦が話し合いによって離婚の条件を決めて、市区町村に離婚届を提出する方法です。
最も一般的な離婚方法であり、話し合いが比較的スムーズに進めば、時間や費用の負担を抑えられます。
当事者が冷静に話し合うのが難しい場合には、家庭裁判所の離婚調停を利用します。
離婚調停では、中立的な立場の調停委員に仲介してもらいながら話し合いを進めるため、直接対面する精神的負担を軽減できます。
なお、話し合いによる離婚では、慰謝料や財産分与、養育費などの離婚条件をあいまいにしないことが大切です。
トラブルを防ぐために、合意内容は離婚協議書として書面に残し、金銭の支払いを伴う場合は公正証書を作成しましょう。
協議離婚や離婚調停については、以下の各リンク先で詳しく解説しています。
裁判では法定離婚事由が必要
裁判で離婚が認められるためには、民法で定められた法定離婚事由が必要です。
法定離婚事由は次のとおりです。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 配偶者の生死が三年以上明らかでない
- その他婚姻を継続し難い重大な事由がある
エネ夫の言動が、生活費を渡さない、妻を精神的に追い詰める、家庭を顧みないといったものがあれば、悪意の遺棄や、婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性があります。
ただし、エネ夫から酷いことをされた旨の主張をするだけでは、離婚が認められる可能性は低いです。
録音や動画、メールまたはLINEなどの客観的な証拠によって、エネ夫による法定離婚事由に該当するような言動があったと立証することが重要になります。
離婚をする理由や離婚裁判については、以下のリンク先の解説をご覧ください。
エネ夫からDVやモラハラがある場合は別居も検討を
エネ夫の言動がエスカレートして、DVやモラハラに該当するものになったときには、別居を検討しましょう。
暴言や無視、行動の制限といった精神的な支配はモラハラに該当する可能性があります。また、身体的な暴力などはDVに該当する可能性が高いです。
一定期間の別居が続くと、裁判において、婚姻を継続し難い重大な事由を補強する事情として評価される場合があります。
ただし、正当な理由のない別居をすると、かえって離婚しにくくなるおそれや、慰謝料請求を受けるおそれもあります。
DVやモラハラがある場合には、別居をする正当な理由になり得ます。
DVやモラハラをする配偶者との別居については、以下の各リンク先の解説をご参照ください。
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別居中の生活費は「婚姻費用」として請求できる
別居中であっても、法律上は婚姻関係が続いているため、自分よりも夫の収入が高いケースでは婚姻費用の支払いを求めることができます。
婚姻費用とは、住居費や食費、子供の養育費など、社会生活を維持するために必要な費用です。別居したら、まずは話し合いで金額を決めます。
金額で合意できない場合でも、裁判所が公開している婚姻費用算定表や、婚姻費用分担請求調停などを利用して、適正な額を受け取れる可能性が高いです。
婚姻費用については、以下のリンク先の解説と計算ツールをご確認ください。
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エネ夫との離婚で慰謝料は請求できる?
エネ夫との離婚で必ず慰謝料がもらえるわけではありませんが、DVやモラハラ、生活費を渡さないなど、夫に責任のある行為があった場合には請求できる可能性があります。
慰謝料請求で重要なのは、辛かったという気持ちだけでなく、具体的な言動や被害を示す証拠があることです。
状況によっては、エネ夫だけでなく、妻を苦しめる言動を繰り返していた姑や舅に対しても慰謝料請求が認められるケースがあります。
自分のケースで請求できるかについては、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
離婚慰謝料については、以下のリンク先で詳しく解説しています。
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エネ夫との離婚を考えたときにすべき対策
エネ夫との離婚を考え始めたら、感情だけで動かず、次のような準備を進めて対策しましょう。
- 証拠を集める
- 離婚後の生活や条件について検討する
- 弁護士に相談する
離婚前に準備するべきことを詳しく知りたい方は、以下のリンク先の解説をご確認ください。
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証拠を集める
エネ夫を理由として離婚や慰謝料を請求するためには、状況を裏付ける客観的な証拠が重要になります。
集めるべき証拠として、主に以下のようなものが挙げられます。
- エネ夫の言動の録音や録画
- エネ夫の言動の日時や場所、内容などを記載した日記やメモ
- エネ夫や義実家からの電話の録音やメールの記録
- 生活費を渡さない場合には、家計簿や通帳のコピー(悪意の遺棄の証拠になる)
- エネ夫の悪口を聞いていた友人などの証言
- 精神科に通院した場合には、医師の診断書
決定的な証拠が少なくても、様々な証拠を揃えれば認められる可能性が高まります。
ただし、証拠集めは心身の負担になるケースがあるため、自分の身の安全を第一に考えましょう。
離婚後の生活や条件について検討する
離婚を決断する前に、離婚後の生活を具体的にイメージしながら、離婚条件を検討してまとめましょう。
住まいや収入、仕事の状況などを踏まえて生活設計を考えることで、不安を軽くすることができます。
経済的な不安については、財産分与や年金分割によって軽減できる可能性があります。
エネ夫が生活費を渡さず使い込んでいた場合などでは、使い込まれた金額を考慮して、適正な計算をしなければなりません。
子供がいる場合には、親権や養育費、親子交流(面会交流)などについても、子供の利益を第一に検討することが重要です。
夫がエネ夫であるという事実だけで、親権の獲得について有利になるとはいえないため、証拠の獲得と併せて子供の監護実績を作っていきましょう。
弁護士に相談する
エネ夫との離婚については、弁護士に相談することをおすすめします。
当事者だけで話し合おうとしても、感情的な対立が深まるなど、スムーズに進めるのが難しいケースは少なくありません。
弁護士に相談・依頼すれば、代理人として交渉を任せられるので、エネ夫と直接やり取りする精神的な負担を軽減できます。
弁護士は、集めるべき証拠の整理や、慰謝料・財産分与・養育費といった離婚条件の見通しについてアドバイスできます。
エネ夫が離婚に応じなければ、離婚調停や離婚裁判にも一貫して対応できます。
早い段階で弁護士に相談しておくことで、証拠不足などの不利な状況を避けつつ、より納得のいく形で離婚を進められる可能性が高まるでしょう。
離婚に強い弁護士に依頼したい方は、以下のリンク先で詳しく解説しています。
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エネ夫との離婚についてよくある質問
エネ夫と離婚する際、仕返しをしてもよいですか?
エネ夫への仕返しを考える方は少なくありませんが、控えましょう。
感情に任せた行動は、自分に不利な結果を招くおそれがあるからです。
夫に対して暴言を吐いたり、嫌がらせをしたりすると、自分にとって不利な証拠として使われてしまうケースがあります。
離婚を有利に進めるためには、冷静に事実と証拠を積み重ね、正当な手続きを取ることが大切です。
辛い気持ちは一人で抱え込まず、専門家に相談しながら解消していく必要があるでしょう。
エネ夫を理由に親権や養育費などを有利に決めることはできますか?
相手がエネ夫であるという事情だけで、親権や養育費について有利になるわけではありません。
親権の獲得については、これまで夫婦のどちらが主に子供を監護してきたか、今後も安定した養育環境を整えられるかといった点が重視されます。
ただし、エネ夫のモラハラやDVが子供に悪影響を及ぼしている場合には、その事実を証明することによって有利な判断材料にしてもらえる可能性が高いです。
養育費は、双方の収入や、子供の人数・年齢に加えて、特別にかかる費用などを基に算定されるため、具体的に主張しましょう。
エネ夫からの被害でお悩みのかたは離婚問題に詳しい弁護士法人ALGにご相談ください
エネ夫の問題は、精神的な苦しさが大きく、自分だけで抱え込んでしまう方も少なくありません。
しかし、我慢を続けることで状況が改善するケースは少ないため、離婚や別居といった選択が必要になる場合もあります。
弁護士法人ALGでは、夫からのDVやモラハラを受けていた妻からの依頼により、離婚を成立させた解決実績が豊富にあります。
依頼人が重視する離婚条件は事例によって異なるため、離婚問題に精通した弁護士が一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、最適な解決策をご提案します。
気持ちを整理して今後について考えるためにも、まずはお気軽にご相談ください。
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保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)
































