共同親権への変更申立ての方法|成功させるポイントなど詳しく解説
離婚後に共同親権へ変更するには、家庭裁判所に親権者変更の申立てを行う必要があります。
手続きでは、申立書や必要書類をそろえ、管轄の家庭裁判所へ提出します。
ただし、変更が認められるには、子供の利益にかなうことや父母が協力して養育できることなどを具体的に示すことが重要です。
本記事では、共同親権への変更申立ての方法、必要書類、認められるためのポイント、弁護士に依頼するメリットなどを詳しく解説します。
共同親権への変更申立ての方法
離婚後に共同親権へ変更するには、家庭裁判所へ「親権者変更調停」の申立てを行う必要があります。
父母が共同親権への変更に合意していても、当事者間の合意だけで親権を変更することはできません。
ここでは、共同親権へ変更する申立ての方法や手続きの流れについて解説します。
申立先
まず、家庭裁判所に親権者変更調停を申し立てます。
申立先は申立人の住所地ではなく、元配偶者(現在の親権者)の住所地を管轄する家庭裁判所です。
管轄の家庭裁判所は、裁判所のホームページなどで事前に確認できます。
申立ては、必要書類を家庭裁判所の窓口へ持参する方法のほか、郵送でも行えます。
元配偶者が遠方に住んでいる場合は、調停期日に出席するため、遠方への移動が必要になるでしょう。
申立ての流れ
親権者変更調停は、次の流れで進みます。
- 家庭裁判所へ申立て
必要書類を準備し、家庭裁判所へ親権者変更調停を申し立てます。 - 相手方(元配偶者)への通知
申立てが受理されると、元配偶者へ申立ての内容が通知されます。 - 調停期日の指定・呼出し
家庭裁判所が調停期日を決定し、父母双方へ通知します。 - 調停(父母双方の話し合い)
調停委員を介して、親権変更の理由や養育状況などについて父母双方が話し合います。 - 調停不成立の場合は審判へ移行
話し合いで合意に至らない場合は、審判手続きへ移行します。 - 審判による判断・確定
家庭裁判所が事情を総合的に考慮して判断し、審判が確定します。
申立てに必要な書類
共同親権への変更申立てを行う際は、申立書や戸籍謄本などの必要書類を家庭裁判所へ提出します。
主な必要書類は以下のとおりです。
| 必要書類 | 入手先 |
|---|---|
| 申立書、およびその写し | 裁判所 |
| 当事者目録 | |
| 事情説明書 | |
| 進行に関する照会回答書 | |
| 送達場所等届出書 | |
| 非開示の希望に関する申出書(該当する場合) | |
| 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書) | それぞれの本籍地を管轄する役所 ※取得後3ヶ月以内のもの |
| 相手方の戸籍謄本(全部事項証明書) | |
| 子(未成年者)の戸籍謄本(全部事項証明書) |
申立書などの書式は裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。
戸籍謄本は役所で取得し、取得から3か月以内のものが必要です。
さらに、事案によっては裁判所から追加の書類提出を求められる場合があります。
申立書はどう書けばいい?
家庭裁判所は申立書の内容をもとに判断するため、記載内容が重要です。
特に申立て理由には、単なる不満や元配偶者への批判ではなく、共同親権へ変更する必要性を具体的に記載するようにしましょう。
たとえば、「現在も送迎や学校行事への対応など、子供の生活に継続的に関わっている」「子供の成長に応じ、教育や生活に関する重要な判断を父母で協力して行える環境を整えたい」など、子供の利益につながる事情を具体的に示すことが大切です。
また、離婚後の養育状況や父母それぞれの関わり方、共同親権に変更することで子供にどのような利点があるのかを整理して記載することも重要です。
感情的な主張に偏らず、客観的な事実に基づいて説明することで、家庭裁判所に事情が伝わりやすくなります。
申立てにかかる費用
調停を申し立てる際は、主に次の費用がかかります。
- 収入印紙:子供1人につき1200円分(子供2人なら2400円、3人なら3600円)
- 連絡用の郵便切手:約1000円~2000円分 ※家庭裁判所により異なる
- 戸籍謄本の取得費用:1通につき450円程度
申立てに必要な費用はそれほど高額ではありませんが、郵便切手代の金額や提出書類は家庭裁判所ごとに異なる場合があります。
手続きをスムーズに進めるためにも、事前に申立先の家庭裁判所で必要な費用や書類を確認しておくと安心です。
共同親権への変更申立てを成功させるポイント
共同親権への変更申立てを成功させるためには、父母が共同で親権を行使できる状況などを具体的に示すことが重要です。
家庭裁判所で適切に判断してもらうためにも、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 父母間のコミュニケーションをとっておく
- 子供への影響や生活環境への配慮を具体的に説明する
- 子供の利益や父母の協力関係を示す証拠を提示する
父母間のコミュニケーションをとっておく
共同親権では、父母が協力して子供に関する重要な事項を決めていく必要があります。
そのため、変更申立てを行う前から、日頃のコミュニケーションを大切にし、子供の生活や教育に関する情報を共有できる関係を築いておくことが重要です。
進学や医療、生活上の判断などについて、父母が継続的に話し合い、協力できることは、共同親権への変更を検討するうえで重要な要素となります。
また、話し合いの際は感情的な対立を避け、子供の利益を第一に考えて冷静に協議することが大切です。
子供への影響や生活環境への配慮を具体的に説明する
単に「共同親権にしたい」と主張するだけではなく、その理由を具体的に説明することが大切です。
たとえば、父母が協力して教育や医療などの重要事項を決定できることや、父母双方が子供の養育に継続して関われることなど、子供にとってのメリットを明確に示しましょう。
また、変更後も住居や学校、交友関係など現在の生活環境に大きな変化が生じず、安定した生活を続けられることを具体的な事情とともに説明することで、申立ての説得力が高まります。
子供の利益や父母の協力関係を示す証拠を提示する
共同親権を得るには、これまでの監護実績や養育への関与を客観的な証拠で示すことが重要です。
また、父母が子供に関する事項について継続的に話し合い、協力していることも重要な判断材料となります。
早い段階から証拠を収集・整理しておくことで、共同親権の必要性や父母の協力関係をより具体的に立証しやすくなります。
証拠の具体例
- 子供の送り迎えや通院、学校行事に参加したことが分かる写真や記録
- 養育費の支払い履歴や子供のための支出が分かる資料
- 子供の教育や生活について話し合ったメール・LINEなどのやり取り
- 学校や保育園との連絡帳、面談記録など養育への関与が分かる資料
共同親権の変更申立てを弁護士に依頼するメリット
共同親権の変更申立ては、法的な知識に加え、適切な証拠の準備や元配偶者との対応が求められます。
弁護士に依頼すると、手続きの負担を軽減しながら、申立てを有利に進められる可能性があります。
主なメリットは次のとおりです。
- 元配偶者と事前交渉をしてもらえる
- 申立書の作成を任せられる
- 効果的な資料・証拠の選別ができる
元配偶者と事前交渉をしてもらえる
申立て前に弁護士が元配偶者と直接話し合い、共同親権への変更について協議を進めることができます。
弁護士が間に入ることで、共同親権へ変更したい理由や具体的な条件を、法的な観点から整理しながら協議できます。
元配偶者との話し合いは、離婚時の感情や過去の対立が影響し、当事者同士では冷静に進めにくいことも少なくありません。
しかし、弁護士が第三者として客観的に対応することで、感情的な衝突を避けながら条件を調整しやすくなります。
また、事前に双方の合意が得られれば、家庭裁判所の手続きでも共同親権への変更が認められやすくなるでしょう。
申立書の作成を任せられる
家庭裁判所へ提出する申立書の作成を任せることができます。
申立書は、単に共同親権を希望する理由を書くものではなく、変更の必要性や父母の協力関係などを法的な観点から整理して記載することが重要です。
弁護士であれば、これまでの事情や養育状況を丁寧に確認したうえで、家庭裁判所に伝えるべき内容を適切にまとめることができます。
また、子供の利益を踏まえた説得力のある理由付けを行うことで、申立ての主張をより明確に伝えやすくなるでしょう。
書類作成の負担を軽減できる点も、弁護士に依頼する大きなメリットです。
効果的な資料・証拠の選別ができる
裁判所で重視される資料や証拠を適切に選別できます。
共同親権への変更は、主張だけでなく、それを裏付ける客観的な証拠が重要です。
弁護士であれば、養育実績や生活状況を示す資料の中から有効なものを判断し、説得力のある形で提出できます。
十分な証拠を準備できれば、変更申立てを有利に進められる可能性が高まるでしょう。
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共同親権への変更申立てに関するQ&A
共同親権への変更申立てはいつからできますか?
共同親権への変更申立ては、法律上いつでも行うことができます。
ただし、申立てをしたからといって必ず認められるわけではありません。
家庭裁判所は、共同親権への変更が子供の最善の利益につながるかどうかを慎重に判断します。
その際には、離婚時に親権者を定めた経緯に加え、離婚後の監護状況や生活環境、親子関係の状況、その後の事情の変化などが総合的に考慮されます。
元配偶者が共同親権への変更を拒否している場合でも申立てはできますか?
元配偶者が共同親権への変更に反対している場合でも、家庭裁判所に変更の申立てを行うことは可能です。
元配偶者の同意がないことを理由に、申立てが認められなくなるわけではありません。
申立て後は、まず調停で話し合いが行われ、共同親権の必要性や子供にとっての利益、父母の協力体制などについて検討されます。
調停で合意に至らない場合は審判手続に移行し、裁判所が子供の最善の利益を基準に変更の可否を判断します。
共同親権への変更申立てが認められないケースはありますか?
共同親権への変更申立ては、「子供の利益」に反すると判断される場合は認められません。
たとえば、次のようなケースでは、共同親権への変更が認められにくい傾向があります。
- 父母の対立が激しく、子供に関する重要事項について協力して意思決定を行うことが難しい場合
- 一方の親だけが主に監護・養育を担っており、もう一方の親の養育への関与が乏しい場合
- DV・モラハラ・虐待などがあり、共同親権とすることで、子供の安全や利益が損なわれるおそれがある場合
また、現在の単独親権の状態を維持することが子供にとって適切と判断される場合や、変更の必要性を裏付ける十分な証拠がない場合も、申立てが認められない可能性があります。
共同親権への変更申立てにはどのくらいの期間がかかりますか?
共同親権への変更申立てに要する期間は、事案の内容や父母の状況によって異なります。
一般的な目安として、父母双方が共同親権への変更に同意している場合は、2〜3か月程度で手続きが終了することがあります。
一方、双方の意見が対立している場合は、調停や家庭裁判所調査官による調査が行われるため、半年から1年程度かかることも少なくありません。
また、父母の対立が強く、審判手続に移行した場合には、解決までに1年以上を要するケースもあります。
共同親権の変更申立てを行う場合は弁護士へご相談ください
共同親権の変更申し立ては、子供の利益を踏まえ、個別の事情に応じた主張や証拠の準備が重要です。
父母の関係性や、これまでの養育状況、子供の生活環境など、考慮される事情は事案ごとに異なります。
そのため、共同親権に関する専門的な知識を持つ弁護士に相談し、適切な対応を検討することが有効です。
弁護士法人ALGでは、親権問題に関する豊富な知識や経験を持つ弁護士が、共同親権への変更申立てについてご相談をお受けしています。
申立ての見通しや必要な証拠、手続きの進め方などを個別に検討し、ご依頼者様の状況に応じた適切なサポートを行っています。
共同親権への変更を検討されている方は、まずはお気軽に弁護士法人ALGへご相談ください。
離婚のご相談受付
来所・オンライン法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)





















