交通事故で車椅子生活となってしまった場合の慰謝料や後遺障害など

交通事故で車椅子生活となってしまった場合の慰謝料や後遺障害など

交通事故の怪我により後遺障害が残ってしまった場合、リハビリを続けていても歩行障害などで車椅子生活となってしまうことがあります。 事故以前の生活と一変し、今後の生活について、仕事ができるのか、収入は得られるのか不安や心配が募ることでしょう。

この記事では、交通事故の怪我で車椅子生活になってしまった方に向けて、相手方に請求できる費用や後遺障害等級認定申請などについて解説していきます。

後遺障害等級別表第一1級1号が認定された依頼者について、素因減額を受けながらも、将来介護費や自宅改造費用等の交渉により約1700万円の増額を引き出した事例
  • 症状:脊髄損傷
  • 後遺障害等級:別表第一1級1号

弁護士依頼前

約7800万円

弁護士介入

弁護士依頼後

9500万円

1700万円アップ

交通事故で車椅子が必要になる可能性のある怪我

交通事故で負った怪我により、車椅子生活を余儀なくされる場合があります。どのような怪我が車椅子生活になる可能性があるのか、見ていきましょう。

脳挫傷

  • 脳挫傷、びまん性軸索損傷などで脳を損傷したことにより、両足に麻痺が残ってしまった場合

脊髄損傷

  • 頚部、胸椎、腰椎等の脊髄の損傷により、両足に麻痺が残ってしまった場合

両足の切断・変形

  • 両足の切断による欠損、骨折などにより変形してしまった場合

両足の関節の用を全廃した場合

  • ①関節が強直したもの
  • ②関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態にあるもの
  • ③人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されているもの
  •  ※強直=関節が完全に動かない、あるいは健康な関節と比較して可動域が10%以下に制限されてしまった状態

両足骨折

  • 両足を骨折して治療中の場合

このような怪我を負い、治療しても完治せず症状固定と診断されたら、後遺障害等級認定申請を行いましょう。
交通事故で車椅子生活となった場合には、どのような後遺障害等級が認められるでしょうか。詳しく見ていきましょう。

交通事故で車椅子となった場合に考えられる後遺障害等級

交通事故の怪我により、車椅子生活となった場合は、以下の等級が認定される可能性があります。 後遺障害等級は1~14級に分かれており、後遺症の部位や程度によって該当する等級が決められます。
後遺障害慰謝料の相場は認定された等級ごとに定められており、重い等級が認定されるとその分精神的苦痛も大きくなるため、慰謝料の相場も高額になります。

後遺障害の分類は、「要介護」で1級と2級、それ以外で1~14級の等級に分かれています。介護を要する後遺障害等級1級と2級には、どのような違いがあるでしょうか。

  • 後遺障害等級1級・要介護…常時介護が必要なケース。自律呼吸が難しいレベル
  • 後遺障害等級2級・要介護…食事や用便など生理現象のサポートに介護が必要なケース。被害者本人の意識があり、自律呼吸が可能なレベル
等級 後遺障害
1級・要介護
  • 1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  • 2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級・要介護
  • 1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
  • 2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
1級
  • 5号 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
  • 6号 両下肢の用を全廃したもの
2級 4号 両下肢を足関節以上で失つたもの
3級 3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
4級
  • 5号 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
  • 7号 両足をリスフラン関節以上で失つたもの

後遺障害等級認定を申請する流れ

後遺障害等級認定申請の大まかな流れは、以下のとおりです。

  • ①担当医に症状固定と診断される
  • ②担当医に後遺障害診断書を書いてもらい、相手方任意保険会社に送付する
  • ③相手方任意保険会社から「損害保険料率算出機構」へ書類が渡される
  • ④「損害保険料率算出機構」で等級審査が行われる
  • ⑤後遺障害等級認定申請の結果が通知される

交通事故で車椅子生活になった場合に請求できる損害賠償

交通事故の怪我によって車椅子生活となった場合、車椅子の費用や自宅でも車椅子で生活できるよう自宅を修繕するための費用など、莫大なお金がかかることが予想されます。
また、今後の生活についても、精神的・肉体的な苦痛や不安が大きくなるでしょう。

このような費用や精神的・肉体的苦痛などに対して相手方にどこまで請求することができるのでしょうか。
相手方に請求できる主な損害賠償項目について詳しく見ていきましょう。

車椅子生活に関する費用

交通事故の怪我により、車椅子生活が余儀なくされた場合、車椅子生活で必要な費用が損害賠償として補償されます。
では、具体的にどのような車椅子に関する費用を請求できるのか、表で詳しく見ていきましょう。

車椅子購入費用
  • 怪我や後遺障害の状態などを考慮し、車椅子の費用や機能が必要かつ相当な範囲であることが前提となる
  • 室内用と屋外用の車椅子2台分についての購入費用が認められる場合がある
  • 車椅子には機能や価格に様々な種類があるため、必要性と相当性が争点となることがある
自宅改造費(住宅リフォーム)
  • 改造に係る費用は、後遺障害の程度や内容を具体的に検討して、必要な範囲で認められる
  • 被害者に同居人がいる場合は、あくまで被害者の不便を解消し、生活を補助するという目的の範囲内の改造費用に限られる
  • バリアフリー化に伴い転居を余儀なくされた場合には、転居に関連した費用等も認められる
車椅子買替費用
  • 車椅子には耐用年数があるため、将来の買替費用についても原則として交通事故の損害として認められる
  • 将来分として請求する買替費用については、一般的に中間利息を控除される
  •  ※中間利息…将来の利息による増額分
介護費用
  • 介護費用の計算方法は、「日額×介護費用が認められる期間の年数に対応するライプニッツ係数」となる
  • 介護士等の職業付添人に介護を依頼した場合には、原則として報酬等の実費全額が認められる
車両改造費
  • 住宅だけでなく、車両のバリアフリー化の改造費用を請求できる場合もある
  • 改造費用は交通事故の損害として改造にかかった実費相当額が対象となる

車椅子費用の注意点

車椅子の購入費用は、通常1台50万円程度までなら判例で認められているケースが多くあります。
車椅子には様々な機能を備えているものも多くあり、値段も幅広く高額なものもありますが、高額な車椅子は購入の必要性や費用の相当性が争点となりやすく、購入の必要性がない、または費用の相当性を欠くと判断された場合、車椅子の購入費用全額が認められない場合もあります。

そのため、車椅子を購入する際は、どんな車椅子にすべきかまずは一度弁護士に相談することをおすすめします。

治療関係費

治療にかかった費用は必要かつ相当な実費全額について認められます。そのため、先進医療や自由診療などは治療の必要性や相当性が認められなければ減額されることもあります。

また、治療関係費の中には、治療費以外にも以下の費用を請求できます。

  • 入院費
  • 入院雑費
  • 入通院交通費
  • 付添看護費
  • 器具・装具購入費

慰謝料

交通事故の怪我で車椅子生活となった場合は、以下の慰謝料を請求できます。

入通院慰謝料

  • 交通事故の怪我により、入院・通院しなければならなくなった精神的苦痛に対する補償です。入通院期間や実際の通院日数により慰謝料の金額が決まります。

後遺障害慰謝料

  • 事故によって負った怪我が後遺障害として残ったことによる精神的苦痛に対する補償です。認定された後遺障害等級によって慰謝料の相場が定められています。

つまり、交通事故で負った怪我が後遺障害として認定された場合には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の両方を請求できます。

交通事故の慰謝料については、以下のリンクでも詳しく解説しています。ご参考ください。

休業損害

休業損害とは、交通事故の怪我の治療や療養のために仕事を休んだことで減ってしまった収入の補償のことをいい、有給休暇を使用した分も請求が可能です。

休業損害は、「1日当たりの基礎収入×休業日数」で求められます。
収入を得ていない専業主婦(夫)や学生などは請求できないと思われるかもしれませんが、厚生労働省が発表している各年齢別の統計データ(賃金センサス)を使用し、休業損害を請求することができます。

後遺障害逸失利益

逸失利益とは、交通事故により被害者が後遺障害を負ったり死亡しなければ、将来得られるはずであった収入・利益への補償です。

後遺障害等級に認定されると「後遺障害逸失利益」が請求できるようになります。
逸失利益の相場は、認定された等級や職業、年齢、事故以前の収入などによって変動します。 また、専業主婦(夫)や学生など、収入を得ていない被害者でも請求することが可能です。

交通事故で車椅子生活となった場合に弁護士へ依頼するメリット

交通事故により、突然車椅子生活を余儀なくされた場合、今後の生活に必要なことについて、想像が付かないことも多いと思います。 また、車椅子生活を余儀なくされた場合には、どのような損害賠償を請求できるのか、不安に思うことでしょう。

交通事故に遭われて不安な思いをされている場合は、弁護士にご相談ください。交通事故に強い弁護士であれば、事故の様態や被害者の怪我の状態から、必要な損害賠償金を漏れなく請求することができます。 また、事故全体をサポートしていくことで、後遺障害等級に認定されるためのアドバイスや弁護士基準で算出した金額で、相手方保険会社と交渉していくことができるため、適切な損害賠償金を受け取れる可能性が高まるでしょう。

交通事故を弁護士に相談・依頼する8つのメリットについては、以下のリンクでも詳しく解説しています。ご参考ください。

交通事故で車椅子生活を余儀なくされた場合は弁護士法人ALGにご相談ください

交通事故で負った怪我のために車椅子生活を余儀なくされた場合、加害者に憤りを感じたり、今後の生活について不安に思うのは当然のことでしょう。
さらに、交通事故に詳しくなければ「車椅子の費用は請求できるの?」「後遺障害等級ってなに?」と分からないことも多く、被害者の精神的負担が大きくなってしまいます。

交通事故で不安なことがあれば、私たち弁護士法人ALGにご相談ください。私たちは交通事故専門のチームを設置しており、交通事故に精通した弁護士が多数在籍しております。
弁護士に依頼すれば、交通事故全体をサポートしていくため、適切な通院頻度や後遺障害等級認定申請のアドバイス、相手方保険会社との交渉を任せることができます。その結果、ご相談者様の精神的負担が軽減されるだけでなく、当初よりも増額した損害賠償金を受け取れる可能性が期待できます。

少しでも交通事故に不安な気持ちをお持ちの方は、まずは一度私たちにご相談ください。

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※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください
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  • ※諸経費20,000円( 税込22,000円 )がかかります。
  • ※死亡・後遺障害等級認定済みまたは認定が見込まれる場合
  • ※事案によっては対応できないこともあります。
  • ※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。
弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治
監修 :福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

福岡県弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名を擁し()、東京、を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。