弁護士依頼前
提示前
事故後、手首の痛みや可動域制限が残り、「TFCC損傷」と診断されることがあります。この症状は捻挫と間違われやすいですが、症状によっては手術も必要です。
また、後遺障害等級に認定される可能性もあります。
そこで、本記事では
詳しく解説していきます。
弁護士依頼前
提示前
弁護士依頼後
約1800万円
適正な賠償金を獲得
弁護士依頼前
認定前
弁護士依頼後
併合12級
認定をサポート
目次
TFCCとは、正式にはTriangular Fibrocartilage Complexといい、日本語では三角線維軟骨複合体を意味しています。
TFCCは肘の靭帯や膝の半月板といったものと同じで、骨ではありません。いくつかの靭帯や軟骨が組み合わさった軟部組織の総称となります。
TFCCには、以下のような役割があります。
このような働きから、人間はTFCCがあることで手首が安定的に保持され、複雑に動かすことができるのです。
交通事故によってこれらを損傷したものをTFCC損傷といいます。
TFCC損傷で発生する主な症状について解説していきます。
これらの症状は、事故に遭ってからすぐには発生しない場合もあります。しかし、適切な治療をするためにも、少しでも症状が出た場合や気になる場合は、整形外科で診察を受けるようにしましょう。
TFCC損傷は、軽症のものと難治性のものに分けられます。
軽症の場合は、安静やサポーターの着用などの一般的な治療で改善することが多いです。しかし、難治性の場合では、一般的な治療のみでは改善が難しくなります。
TFCC損傷の症状が改善しない場合は、関節鏡を使った手術療法が用いられることもありますが、1度の手術では改善しないことも多く、2回、3回と手術を繰り返す場合もあります。
手術以外の方法としては、運動カテーテル治療という治療法があります。これは、痛みの部位にできた異常な血管を減らすための方法です。
交通事故では、どのようにTFCC損傷となるのでしょうか。考えられる事故状況を挙げてみましょう。
また、交通事故だけでなく、転倒や作業中の外傷に伴う靭帯の損傷やテニスやゴルフなどのスポーツでも発症する場合があります。
その他にも、加齢によって手首の関節が劣化して発症するケースもあります。
TFCC損傷は軟部組織であるためレントゲン検査のみでは診断できません。そのため、以下のような方法を用いて診断を行います。
交通事故後に病院を受診しても手首の捻挫と診断されてしまうことも多くあります。慢性的に痛みが続いている場合はTFCC損傷の可能性もあるため、早めに手首の専門家に相談し、MRI検査などを受けるようにしましょう。
TFCC損傷は手首の動きに後遺症が残る場合があります。医師から症状固定(これ以上治療を継続しても良くも悪くもならない状態)と診断されたら、後遺障害等級認定申請の手続きをしましょう。
TFCC損傷を負った場合に残存する後遺障害としては、機能障害、神経障害が考えられ、その程度によって認定される後遺障害等級が異なります。
次項で詳しく見ていきましょう。
TFCC損傷による機能障害は、主に手関節の動きに支障が生じた障害のことをいいます。
可動域制限の程度によって以下の後遺障害等級に認定される可能性があります。
【TFCC損傷における機能障害の後遺障害等級と障害の程度】
等級 | 後遺障害の内容 |
---|---|
8級6号 |
1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
|
10級10号 |
1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
|
12級6号 |
1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
|
これらの認定には、検査画像による他覚的所見が必要となります。TFCC損傷の有無はレントゲンではわかりにくいため、MRI検査や関節造影検査などを受けるようにしましょう。
TFCC損傷により、手首の痛みが残存する場合には、神経障害として以下の後遺障害に認定される可能性があります。
等級 | 後遺障害の内容 |
---|---|
12級13号 |
局部に頑固な神経症状を残すもの
|
14級9号 |
局部に神経症状を残すもの
|
他覚的所見とは、レントゲン、CT、MRIの検査画像などの客観的な資料から、症状の原因となる異常が読み取れることを意味します。
軟部組織であるTFCCの損傷はレントゲンでは映らないため、MRI検査を受けるようにしましょう。
交通事故によりTFCC損傷となった場合に請求できる慰謝料は、以下の2つが考えられます。
自賠責基準 |
|
---|---|
任意保険基準 |
|
弁護士基準 |
|
次項から、自賠責基準と弁護士基準での金額の違いを解説していきます。
入通院慰謝料とは、交通事故の怪我により入院・通院を余儀なくされたことによる精神的苦痛に対する補償です。入通院期間、通院頻度、怪我の内容や程度に基づき算出されます。
自賠責基準と弁護士基準での計算の仕方を見ていきましょう。
【自賠責基準】
自賠責基準では、入院・通院の区別がなく日額4300円と定められており、以下の式のうち金額の少ない方が採用されます
通院期間6ヶ月、実通院日数60日の場合の計算例
計算式の結果、自賠責基準の入通院慰謝料は51万6000円となります。
【弁護士基準】
弁護士基準は、治療期間をもとに赤い本の慰謝料算定表を使って計算します。TFCC損傷の場合は基本的に算定表の別表Ⅰを使用します。
慰謝料算定表の「入院期間」と「通院期間」が交差する部分の数字が慰謝料相場で、通院期間6ヶ月、入院なしの相場は116万円です。
入院期間 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | ||
通院期間 | 0月 | ― | 53 | 101 | 145 | 184 | 217 | 244 |
1月 | 28 | 77 | 122 | 162 | 199 | 228 | 252 | |
2月 | 52 | 98 | 139 | 177 | 210 | 236 | 260 | |
3月 | 73 | 115 | 154 | 188 | 218 | 244 | 267 | |
4月 | 90 | 130 | 165 | 196 | 226 | 251 | 273 | |
5月 | 105 | 141 | 173 | 204 | 233 | 257 | 278 | |
6月 | 116 | 149 | 181 | 211 | 239 | 262 | 282 | |
7月 | 124 | 157 | 188 | 217 | 244 | 266 | 286 | |
8月 | 132 | 164 | 194 | 222 | 248 | 270 | 290 | |
9月 | 139 | 170 | 199 | 226 | 252 | 274 | 292 | |
10月 | 145 | 175 | 203 | 230 | 256 | 276 | 294 | |
11月 | 150 | 179 | 207 | 234 | 258 | 278 | 296 | |
12月 | 154 | 183 | 211 | 236 | 260 | 280 | 298 | |
13月 | 158 | 187 | 213 | 238 | 262 | 282 | 300 | |
14月 | 162 | 189 | 215 | 240 | 264 | 284 | 302 | |
15月 | 164 | 191 | 217 | 242 | 266 | 286 |
後遺障害慰謝料とは、事故によって負った怪我が後遺障害として残ったことによる精神的苦痛に対する補償です。
後遺障害として認定された等級ごとに慰謝料の相場が異なります。TFCC損傷で認定される可能性のある等級の慰謝料相場は以下のとおりです。
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
8級 | 331万円 | 830万円 |
10級 | 190万円 | 550万円 |
12級 | 94万円 | 290万円 |
14級 | 32万円 | 110万円 |
増額しなければ成功報酬はいただきません
TFCC損傷は、単なる手首の捻挫やむちうちに伴う症状とみなされ、後遺障害等級への認定が難しいといわれています。
そこで、TFCC損傷で後遺障害等級認定を受けるためには、以下の4つのポイントに留意しましょう。
まず、交通事故に遭ったらすぐに病院を受診するようにしましょう。なぜなら、TFCC損傷は加齢や日常生活でも発症することがあるため、事故から時間が経ってから病院を受診した場合、TFCC損傷の症状と事故との間に関連性があるのか疑われやすくなってしまうからです。
事故後、すぐに病院を受診することで事故が原因で発症した怪我だと証明できるでしょう。
また、TFCC損傷はレントゲンには映らず、見逃されてしまいます。そのため、MRI検査を受けるようにしましょう。
捻挫や打撲などと診断された手首の痛みが改善せず、痛みや動きの制限などが続いている場合は手の専門医を受診しましょう。
手の専門医は通院している病院で探しても、違う病院でも構いません。
きちんと手の専門医による診断を受けることで、適切な検査を行ってもらうことができ、適切な後遺障害等級が認定される可能性が高まります。
TFCC損傷は、安静による保存療法で改善しない場合、手術療法が検討されることもあります。
しかし、保存療法の間に相手方保険会社から治療費打ち切りを打診されたり、実際に治療費を打ち切られたりすることもあります。
治療の必要性を診断できるのは医師のみです。相手方保険会社から治療費の打ち切りをされたとしても、医師が「完治または症状固定」と判断するまで、健康保険などを利用し、自費で通院を継続しましょう。
また、TFCC損傷は再発しやすいため、症状が軽くなったからといって自己判断で治療を中断するのはやめましょう。
適切な後遺障害等級に認定されるためには、交通事故に強い弁護士に相談することも大切です。
弁護士の中でも、特に交通事故に力を入れている弁護士であれば、書類や検査の精査をし、不足や不備があれば医師と連携して、より適切な後遺障害等級が認定されるようサポートしてくれます。
また、望む後遺障害等級に認定されなかった場合でも、その理由を精査し、十分な準備をして異議申立てに臨めるでしょう。
弁護士には後遺障害等級認定申請のサポートだけでなく、その後の示談交渉を任せることができます。
慰謝料を含む損害賠償金は全て弁護士基準で計算するため、相手方保険会社の提示額よりも増額した損害賠償金を受け取れる可能性が高まるでしょう。
弁護士法人ALGでは、交通事故専門チームを設置しており、交通事故に精通した弁護士が多数在籍しております。
また、ホームページには解決事例や交通事故に関するコラムも数多く掲載しておりますので、ぜひご参考ください。
交通事故の後遺障害に詳しい弁護士については、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
TFCC損傷は、手首の捻挫などと間違われやすく、見落とされてしまうケースがあります。また、TFCC損傷は後遺症が残る場合もありますので、早めに手の専門家の診察を受けることも大切です。
手首の怪我や、TFCC損傷について少しでも不安がある場合は、私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
私たちは交通事故に精通した弁護士が多数在籍しており、医療チームと連携して後遺障害等級認定申請のサポートをしていきます。
書類の精査や検査が足りているか、どんな検査をすればいいか、アドバイスをすることで、適切な後遺障害等級に認定される可能性が高まるでしょう。
また、弁護士は後遺障害等級認定申請のサポートだけでなく、相手方保険会社とのやり取りや示談交渉を任せることが出来ます。
弁護士基準を使用し、損害賠償金を計算したうえで示談交渉に臨むため、当初の提示額より増額することが期待できるでしょう。
少しでもTFCC損傷でお悩みの場合は、私たちにお話をお聞かせください。
増額しなければ成功報酬はいただきません
24時間予約受付・年中無休・通話無料