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後遺障害とは、交通事故が原因で負った怪我が完治せず、後遺症として残った場合に、自賠責保険が定める後遺障害に該当すると認められた症状のことをいいます。 そのなかで、後遺障害等級14級は最も軽症の部類ですが、それでも認定率は決して高くはありません。
後遺障害等級認定申請はご自身でも行うことができますが、より認定率を高めるためには弁護士に依頼することをおすすめします。
この記事では、後遺障害等級14級の認定率が低い理由や、弁護士に依頼することで認定率が高まる理由などについて解説していきます。
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14級9号
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目次
「損害保険料率算出機構」が毎年発表している2022年度版「自動車保険の概況」によると、2021年度の結果は以下のとおりです。
このデータをもとに、認定率を計算すると、以下の表のようになります。
等級認定件数/請求件数(②/①) | 4.42% |
---|---|
14級認定件数/請求件数(③/①) | 2.51% |
14級認定件数/等級認定件数(③/②) | 56.81% |
このデータからも、後遺障害等級14級は症状が最も軽いものでありながら、簡単には認定されないことが分かります。
もっとも、請求件数の中には、すべての人身傷害事案が含まれていますので、あくまでも目安としてご参考ください。
後遺障害等級14級は、後遺症の内容によって9つに分類されます。これらは「後遺障害14級〇号」と表し、それぞれの号に該当する症状は以下の表のとおりです。
14級 | 症状 |
---|---|
1号 | 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの |
2号 | 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
3号 | 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの |
4号 | 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの |
5号 | 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの |
6号 | 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの |
7号 | 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの |
8号 | 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの |
9号 | 局部に神経症状を残すもの |
上記の中で、交通事故で最も多いむちうちは9号に該当する可能性があります。
また、消えない傷跡(醜状障害)などは4号または5号に該当されるでしょう。
後遺障害等級認定申請は、基本的に書類審査のみで行われます。審査員に直接、残存している症状について訴えられるわけではなく、書類のみで後遺障害の存在を証明しなければなりません。
後遺障害等級14級は、1~14級の等級の中で比較的軽症な部類のため、後遺症が後遺障害に該当する程度の症状なのかの判断が難しく認定率が低くなると考えられます。
また、その他の認定率が低い理由として、以下のようなものが挙げられます。
むちうちや骨折後のしびれなどの症状は、レントゲンやCT、MRIなどの画像検査を行っても、異常所見が確認できないことも多くあります。そのため、基本的に書類審査のみで行われる後遺障害等級認定申請においては、症状を裏付ける証拠に乏しく後遺障害等級が認定されにくくなってしまいます。
画像上で異常所見が確認できない場合の対処法としては、神経学的検査など別の検査を行うほか、主治医に自覚症状を正確に伝えるようにしましょう。その際、ただ「痛い」「しびれている」と訴えるのではなく、痛みの起こる箇所や、痛みが起きる場面、頻度を積極的に伝えることが大切です。
例えば、事故により身体の一部が欠損した場合は、長期間の治療がなくても後遺症の存在が明確となり、後遺障害等級が確定します。しかし、むちうちなど、見ただけでは症状の有無や程度が確定できない場合は、後遺障害等級認定を受けるうえで、「適切な通院期間や通院日数」が重要となります。
通院期間が短かったり、通院日数が極めて少ない場合は、「後遺障害とはいえる程度の怪我」ではなったと判断されてしまう可能性が高くなってしまいます。 むちうちで後遺障害等級14級に認定されるためには、6ヶ月以上、月10日以上の通院が目安となるでしょう。
後遺障害等級認定申請は、基本的に書類審査となります。そのため、判断材料として一番重要なのは、医師に記載してもらう「後遺障害診断書」です。
むちうちなどで、後遺障害等級14級に認定されるためには、しびれや痛み、吐き気などの自覚症状を具体的に医師に伝えることが大切です。
また、審査に必要な検査を行っていなければ、後遺障害診断書の作成まえに検査を依頼しておきましょう。 そのうえで、実施した検査の結果や医師に伝えた症状が後遺障害診断書にきちんと記載されているかチェックしましょう。
交通事故直後から症状固定まで、症状に連続性・一貫性がないと事故と後遺症の因果関係を疑われてしまう可能性があります。
例えば、次のようなケースでは、「症状に連続性・一貫性がない」と判断されてしまいかねません。
そこで、症状に連続性・一貫性があることを証明するためにも、以下の対策を取っておくことが大切です。
後遺障害等級認定申請は、弁護士に依頼することをおすすめしています。後遺障害等級14級は、比較的軽い後遺障害でありながら、決して認定率は高くありません。そのため、交通事故に詳しく、後遺障害等級認定申請に強い弁護士に依頼することによって認定率を高めることが期待できます。
後遺障害等級14級といっても、その後遺症は多岐にわたり、個別事情によって必要な検査や資料なども変わってきます。弁護士であれば、個別事情に合わせた以下のような相談に乗ってもらえるでしょう。
後遺障害等級認定申請では、通院頻度も重視されます。通院頻度が低ければ「病院に通うほどではない・我慢できる程度の症状」と判断されてしまい、「非該当」として後遺障害に認定されないおそれもあります。
早期から弁護士が介入することで、個別事情に応じた適切な通院頻度のアドバイスをしていきます。
また、相手方保険会社から治療費打ち切りの打診があった場合にも、状況に合わせてアドバイスしたり、相手方保険会社と交渉したりしていきます。
後遺障害診断書は医師に記入してもらうものですが、必ずしも担当医が後遺障害診断書の記載に慣れているわけではありません。作成された診断書に不備・不足がある可能性もあります。
しかし、一般の方が不備・不足がないかチェックしようとすることは難しいでしょう。弁護士に依頼することで後遺障害診断書に不備・不足がないかプロの目線からチェックすることができます。
また、不備・不足があれば医師に修正や補足の依頼をすることもでき、より内容の充実した後遺障害診断書となるでしょう。
被害者請求は、資料の準備に手間や費用がかかりますが、弁護士に依頼すれば専門的な視点から後遺障害等級認定申請に適切かつ有効な書類を用意できるため、認定率を高めることができます。 また、それだけでなく、弁護士に依頼することで被害者請求の申請代行をすることができます。
被害者請求は、被害者にとって難しく手間のかかる手続きですが、その分手続きの透明性が高く、より認定率の高い手続きです。弁護士がサポートしていきますので、被害者請求をお考えの方はご相談ください。
後遺障害等級認定申請の方法には、「事前認定」と「被害者請求」の2つの方法があります。 この2つの方法は以下のように大きな違いがあります。
これらには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。以下の表で見ていきましょう。
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
メリット |
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|
デメリット |
|
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後遺障害等級認定申請の手続き方法については、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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後遺障害等級14級が認定されなかった場合は、異議申立ての手続きを行うことができます。 しかし、ただ同じ内容の申請を繰り返しても等級認定されることはなく、「何が足りなかったのか、等級認定されるためにはどうしたら良いのか」など申請がうまくいかなかった原因を探り、認定結果を覆すだけの新たな証拠や資料を準備しなければなりません。
弁護士に依頼すれば、原因の分析や強力な証拠・資料集めができ、異議申立てが成功する確率が高まるでしょう。また、申立ての手続き代行も依頼することができます。
異議申立てについては、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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後遺障害等級14級が認定されると、新たに以下の損害賠償金を請求できます。
これらは、交通事故によって負った怪我が後遺症として残存し、後遺障害として認定されることで請求できるものです。つまり、後遺症があるというだけでは損害賠償請求することはできません。 そのため、弁護士に依頼して少しでも後遺障害等級の認定率を高めることが大切です。
以下からは、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益について詳しく見ていきましょう。
後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺障害が残ったことにより生じる精神的苦痛への補償です。 交通事故では、慰謝料を算定する以下の3つの基準があり、どの基準を用いるかによって慰謝料の相場が異なります。
後遺障害等級14級が認定された場合の、自賠責基準と弁護士基準の相場の違いを見ていきましょう。任意保険基準については、算定表が非公開であるため割愛させていただきます。
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
14級 | 32万円 | 110万円 |
このように、自賠責基準と弁護士基準では、1.5~3倍ほど違いが出ることが分かります。
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後遺障害逸失利益とは、後遺障害の影響により減ってしまう将来の収入に対する補償です。 事故前の収入や年齢、後遺障害によってどの程度の労働力が低下・喪失したかなどで金額が決定します。
逸失利益は後遺障害等級に認定されることで請求ができますが、その際に次の計算式で算出します。
式)基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数
この式に基礎収入が入っていることから、専業主婦や子供の場合は請求できないと心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、逸失利益は専業主婦であっても、子供であっても請求することが可能です。
その際の詳しい計算方法については、以下のリンクをご参考ください。
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弁護士であれば誰でも後遺障害等級認定に強いわけではありません。弁護士にも得意・不得意の分野がありますので、「交通事故に強い弁護士」に相談・依頼することが大切です。
交通事故に強い弁護士を見つける際には、以下を参考にして探すようにしましょう。
私たち弁護士法人ALGは交通事故事案に力を入れており、解決実績が豊富にあります。また、交通事故専門のチームを作ることで、交通事故に関する様々な案件に対応できるスペシャリストを目指しています。
また、医学博士の学位を有し、医療問題に精通した医療チームと連携することで、後遺症の個別事情に応じ、必要な検査や資料のアドバイスをしていきます。後遺障害診断書についても、不備・不足がないか確認し、足りない部分については医師に意見書の作成を依頼するなどし、より認定率を高めることが期待できます。
少しでも後遺障害等級認定でお悩みの方は、私たちにご相談ください。
【事案の概要】
依頼者が信号待ちのため車両を停止していたところ、後続から追突された事案です。後遺障害等級認定申請のサポートをご依頼いただきました。
【弁護士活動・結果】
依頼者が症状固定後に後遺障害等級認定申請を行いましたが、結果は非該当でした。そのため、担当弁護士は、診療記録を取り寄せ、治療中の依頼者の自覚症状について詳細に記載したうえで、異議申立てを行ったところ、後遺障害等級14級9号に認定されました。
【事案の概要】
依頼者が信号待ちで停車中、後続車両である加害者のよそ見によって追突された事案です。
症状固定後、相手方保険会社を通じて後遺障害等級認定申請をしましたが、非該当となり、その後70万円の賠償案を受けました。
依頼者は、このまま示談して良いのか不安に思われ、当事務所にご依頼されました。
【弁護士活動】
担当弁護士は、非該当という結果であった後遺障害等級に対して異議申立てをするにあたり、医療照会の文書を作成し、依頼者の主治医に残存する症状等について照会をかけました。その結果、依頼者の怪我の症状が後遺症として今後も残存する可能性が高いことなど有益な情報を得ることができました。
また、依頼者の画像鑑定を行い、症状が残存する画像上の根拠がないかを確認しました。以上を踏まえて担当弁護士が様々な資料を添付し、異議申立書も作成しました。
【結果】
異議申立ての結果、無事に後遺障害等級14級9号が認定されました。
その後、相手方保険会社と賠償交渉を行い、結果として自賠責保険金分75万円を含む、合計370万円を受け取ることができました。
後遺障害等級14級は、最も軽い後遺症が認定されるものですが、その認定率は決して高くはありません。しかし、日常的に痛みやしびれなどの後遺症が残りながら生活することは、相当なストレスであり、その苦痛に対し、適切な損害賠償金を支払ってもらいたいという気持ちは当然のことでしょう。
後遺障害等級認定申請については、私たち弁護士法人ALGにご相談ください。 私たちは、交通事故専門のチームを設置しており、医療チームと連携して後遺障害等級認定申請にも力を入れております。 ご相談者様の症状を丁寧にヒアリングし、足りない資料や検査などを精査し、アドバイスすることで認定率を高められるでしょう。
後遺障害等級認定申請にお悩みの方は、まずは一度私たちにお話をお聞かせください。
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