弁護士依頼前
なし
交通事故でむちうちなどを負った場合、仕事帰りにも立ち寄れるといった理由で、整骨院への通院を考えている方は少なくないかと思います。
ただし、整骨院への通い方には注意が必要です。整形外科に通わず整骨院だけに通院していると、治療費や慰謝料支払いの対象にならないと相手方の保険会社から主張されるおそれがあります。
そこで、このページでは、整骨院に通う際の注意点や、整骨院での治療費が認められる判断基準などについて解説します。交通事故のケガの治療のために整骨院への通院をお考えの方は、ぜひご一読ください。
弁護士依頼前
なし
弁護士依頼後
約400万円
適正な賠償額を獲得
弁護士依頼前
非該当
弁護士依頼後
14級9号
異議申立てにより等級認定
目次
交通事故後に病院を受診し、主治医の許可を得たならば、整骨院(接骨院)に通院することは可能です。
整骨院の施術に対して交通事故の治療の一環として保険適用を認めてもらうためには、整形外科の医師から整骨院での治療が必要であると認めてもらう必要があります。
また、整骨院ではMRI等による精密検査や投薬などの医療行為ができないため、適切な治療を受けられません。
さらに、万が一後遺障害が残った場合に、後遺障害等級認定の申請に必要な診断書を作成できるのは医師だけですが、整骨院には医師はいません。
治療費や慰謝料の請求という観点だけでなく、治療面においても整骨院の施術だけでは不十分です。
そのため、事故直後はまず整形外科などの病院に行き、医師の指示があった場合に整骨院へ通うのが最適です。
整形外科は国家資格をもつ医師が診察を行う医療機関です。レントゲンやMRI、CTなどで画像検査を行った後、ケガの症状に合わせた治療(処置や投薬、注射、手術、リハビリテーションなど)を行います。
交通事故の治療費や慰謝料を請求する際に必要となる診断書を作成できるのも医師のみとなります。
一方、整骨院は国家資格をもつ柔道整復師が医療類似行為をする施術所です。医師がいないため医療行為はできず、あくまで対処療法を施すことしかできません。
マッサージや温熱療法、電気療法などを使って身体の痛みの軽減を図ります。整骨院では診断書の作成を行うことはできません。
交通事故で整骨院に通院することは可能ですが、通院方法を誤ると適切な治療費や慰謝料を得られないおそれがあるので注意が必要です。
以下では、整骨院への通院でよくあるトラブルについて解説していきます。
整骨院で施術を行うのは医師ではなく、柔道整復師となります。柔道整復師はケガの診察や検査ができないため、「診断書」を作成することができません。
整骨院に通っても診断書を入手できず、治療費や慰謝料などの損害賠償金を請求するための証拠資料を用意できなくなるおそれがあります。
また、整骨院だけの通院では、後遺障害等級認定の申請に必要な後遺障害診断書を作成してもらえないので、後遺障害等級認定の申請ができなくなる可能性もあります。
診断書を作成できるのは医師だけです。適切な診断書を作成してもらうためにも、交通事故後は必ず病院を受診し、定期的に通院するようにしましょう。
交通事故によるケガの治療のため病院に通うと、通常、加害者側の自動車保険会社が治療費を直接病院に支払います。これを任意一括対応といいます。
そして、事故から数ヶ月経過すると、保険会社から「そろそろ症状固定ですね」「今月いっぱいで治療費の支払いを終了します」などと連絡が入り、治療費の打ち切りを打診されることが通例です。
医師の許可や保険会社の承諾がない整骨院への通院は、早期に治療費を打ち切られる傾向にあるため注意が必要です。保険会社は整骨院で施術を受ける必要性や有効性を怪しむ傾向が強いからです。
また、整骨院に高頻度で通院すると、その分治療費が増えるため、打ち切りも早くなることが想定されます。
治療費を打ち切られないための対処法について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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医師の許可なく整骨院に通った場合、その期間は慰謝料の対象期間とならないケースが多いです。
整骨院で受ける施術は医療行為ではないため、保険会社から整骨院への通院の必要性を疑われる傾向が強いからです。
医師の許可なく自己判断で整骨院に通院すると、整骨院に通院した範囲については、治療費や慰謝料支払いの対象外となるリスクがあるためご注意ください。
また、医師の指示を得ていたとしても、整骨院ばかりに通って整形外科への通院が疎かになっていると、本当に必要な治療は終わっていると判断され、慰謝料が減額されるおそれもあります。
交通事故後、整形外科に通わず整骨院だけに通うと、後遺障害等級認定を受けられなくなるおそれがあります。
後遺障害が残った場合に、後遺障害等級認定を受けるには、基本的にレントゲンやMRI等の検査画像や後遺障害診断書など、医師が作成する書類が求められるからです。
自賠責保険より後遺障害等級認定を獲得できれば、入通院慰謝料とは別枠で、高額の後遺障害慰謝料や逸失利益を受けとることが可能となります。
後遺障害等級認定が受けられないと損害賠償金が減額されて、被害者に大きなデメリットとなります。
事故直後はまずは整形外科などの医療機関を受診することが重要です。
初診で整骨院に行ってしまうと、レントゲンやMRI等による精密検査や診断、手術・投薬など急性期の治療を受けることができません。
整骨院では、症状から推察して対処療法を行うだけなので、ケガの診断ができず、脳への損傷やむちうち、靭帯損傷などの症状があっても見逃されてしまう可能性があります。
また、整骨院では診断書の作成ができないため、事故によるケガの証明ができず、後に治療費や慰謝料の請求が困難となったり、後遺障害等級認定を受けられなくなったりするおそれがあります。
そのため、まずは整形外科を受診することが必要です。
整骨院への通院を希望する場合は、必ず医師の許可を得てから通うことが必要です。
もしも医師が「整骨院で治療する必要性はないし、許可もしていない」と主張すれば、保険会社がこれを理由に保険適用を認めず、整骨院での治療費や慰謝料の支払いを拒否するおそれがあります。
また、無断で整骨院に通うと、主治医による治療計画の進行に支障を及ぼす可能性もあります。
整骨院での治療の必要性は、医師の許可があれば肯定されやすいです。整骨院に行く前に通院を希望することを医師に伝えましょう。
医師から許可を得たならば、診断書やカルテなどにその旨を書いてもらい、証拠として記録化しておきます。
医師に整骨院の治療の了承を得たら、必ず相手方の保険会社にもその旨連絡しましょう。
最終的に治療費を支払うのは保険会社であるため、整骨院での施術費を請求するには保険会社の同意が求められます。保険会社への連絡を怠ると、整骨院での施術費や慰謝料の支払いを断られる可能性があります。
そのため、治療費として支払ってもらえるか、あらかじめ保険会社の同意を得てから、整骨院への通院を開始させることが必要です。
また、ある程度時間が経過してから相談すると、保険会社が認めてくれない可能性があるため、治療初期の頃から整骨院への通院について相談しておくことをおすすめします。
整骨院への通院をスタートした後も、整形外科への通院を中断するべきではありません。
月に1~2回ほどを目安に定期的に整形外科にも通院することが望ましいといえます。なぜなら、今後の治療方針や症状固定の時期について医師の判断を仰ぐ必要性があるからです。
また、医師が症状の経過を定期的に観察し、施術の必要性を判断していれば、整骨院での治療費や慰謝料を受けとれる可能性が高まります。
さらに、医師が治療経過を定期的に確認していなければ、慰謝料請求や後遺障害等級認定に必要な診断書の発行を受けることができません。そのため、整骨院への通院後も、整形外科への通院も並行して続けるようにしましょう。
整骨院への通院だからといって、慰謝料支払いの扱いが異なるわけではありません。
医師の許可を得たうえで、ケガに有効な治療として整骨院に通院している期間は、整形外科への通院と同じく、慰謝料や治療費を保険会社に請求することが可能です。
もっとも、事故後に一度も病院を受診していなかったり、医師の許可を得ずに勝手な判断で整骨院に通院していたりした場合は、治療費や慰謝料の支払いが認められない場合があります。
以下で、保険会社が整骨院での治療を認めない理由について見ていきましょう。
交通事故のケガの治療において、保険会社が整骨院での治療を認めない理由として、整骨院では精密検査や適切な治療ができず根本的な解決に至らないという点が挙げられます。
また、整骨院は夜間も空いているなど通院しやすいのが特徴です。
同期間の通院では、整形外科に支払う治療費よりも、整骨院での施術費用の方が高額となる傾向にあるため、保険会社が整骨院での治療を嫌がるという経済的な理由も考えられます。
そのため、初診は必ず整形外科を受診し、医師の指示を仰いでから整骨院に通い出すことが必要です。医師の指示があれば、整骨院での施術の必要性や有効性、妥当性が認められやすくなります。
増額しなければ成功報酬はいただきません
過去の交通事故の裁判例を参考にすると、整骨院での通院で治療費請求が認められるためには、基本的に以下の要件をすべて満たす必要があるものと考えられます。
整骨院での通院で治療費請求が認められるための要件
特に医師の指示や同意は重要です。整骨院への通院を希望する場合は必ず医師に伝えて、医師の指示や積極的な同意を得ることが必要です。
それでは、以下で②~⑤の要件について見ていきましょう。
施術の必要性とは、整骨院で施術を行うことが必要な身体状態にあったことを意味します。
つまり、これまでの医療行為では根本的な治療を行うことができず、医療の代替として施術を行うことが適切である場合や、医療と同時に行うことでより高い治療効果が見込まれる場合などが挙げられます。
他方、整骨院での施術は必要ないという医師の明確な意見がある場合や、交通事故とケガとの因果関係を証明できないような場合は、施術の必要性が否定されやすいものと判断されます。
施術の有効性とは、整骨院でマッサージなどの施術を受けたことにより、身体の痛みの緩和など具体的な症状の改善が認められたことを意味します。
他方、整骨院で施術をしても症状の改善が見られない場合や、逆に症状が悪化している場合、施術に治療効果はないという医師の明確な意見がある場合は、施術の有効性が否定されやすいものと考えられます。
施術内容の合理性とは、ケガの症状や程度に照らし、やり過ぎの施術になっておらず、施術内容が合理的であることを意味します。
例えば、事故直後は施術回数や施術の部位が多く、その後、段々減っていくという自然な経過である場合や、症状が出ている部位と施術部分が同じであるような場合は、施術内容の合理性が認められやすいでしょう。
他方、ケガの症状に比べて施術回数が過剰で、事故後しばらく経っても施術回数が減らない場合や、症状が出ている部位と施術部分にずれがあるような場合は、合理性が否定されやすいと考えられます。
施術期間の相当性とは、ケガの症状や痛みの程度、治療の経過、施術内容や効果の程度などを踏まえて、整骨院で施術を続ける期間が相当であることを意味します。
例えば、事故発生から6ヶ月以上続けて施術を受けている場合や、軽症であるのに3ヶ月以上施術を受けているような場合は、施術期間の相当性が否定されやすいものと判断されます。
次に、施術費の相当性とは、施術の費用が世間一般の水準と比べて適切であることを指します。
例えば、整骨院の基本的な相場を超えて、施術費が非常に高額であるような場合は、施術費の相当性が認められにくいでしょう。
依頼者が信号待ちで停車中、相手方の自動車に追突され、むちうちを負ったという事案です。
弁護士法人ALGの担当弁護士が以下のような対策を講じたことで、整骨院の施術費用のすべての支払いを受けることに成功し、400万円程度の賠償金を獲得しました。
交通事故でむちうちになった場合に、整骨院に通う方は多いです。実際に整骨院での施術により痛みが和らいだり、体の可動域が広がったりするなど回復に役立つケースは少なくありません。
ただし、整骨院への通院方法を誤ると、治療費や慰謝料が支払われないという事態になりかねません。
この点、弁護士にご相談いただければ、整骨院の通院方法についてアドバイスを受けられるため、賠償金の減額を防止することが可能です。
また、弁護士が介入すれば、保険会社との示談交渉を任せられるため、治療に専念でき、ストレスも軽減できるでしょう。さらに、弁護士であれば弁護士基準による慰謝料の増額交渉を行うこともできます。
整骨院への通院についてお悩みの場合は、交通事故に精通する弁護士法人ALGまで、ぜひご相談ください。
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